日本に3種類!トラに会える動物園【亜種別】一覧と赤ちゃん情報まとめ
みなさんは「何」トラを見たことがありますか?
絶滅のおそれが高い動物であるトラ。6亜種現存するなかの3亜種アムールトラ、スマトラトラ、ベンガルトラが日本で飼育されています。
トラに種類があることを知らない方も意外とおおいのでは?しかし、種類がちがえば見た目もちがいます。
そこでzoo zoo diaryはトラに会える動物園リストを種類ごとに作成しました。会ったことのない、または会いたい種類のトラをワンクリックでさがすことができます。
さらに赤ちゃん誕生や動物園間の移動などトラにまつわるニュースを随時更新中です。
トラの種類について詳しくは別記事で解説しています↓
アムールトラに会える動物園
ロシアに生息するアムールトラ。生息数は400頭ほど。IUCNレッドリスト危機(EN)と評価されています。
尾をふくむ全長は3メートル!毛が長いためさらに大きく感じます。
さむい地域に生息するアムールトラですが、日本では北から南まで多くの動物園で飼育されています。
現在、25施設で50頭以上のアムールトラに会うことができます。
- 円山動物園
- 旭山動物園
- おびひろ動物園
- 釧路市動物園
- 大森山動物園
- 茶臼山動物園
- 宇都宮動物園
- 多摩動物公園
- 富山市ファミリーパーク
- いしかわ動物園
- 富士サファリパーク
- 日本平動物園
- 浜松市動物園
- 豊橋総合動植物公園
- 京都市動物園
- アドベンチャーワールド
- 天王寺動物園
- 王子動物園
- 安佐動物公園
- 福山市立動物園
- 徳山動物園
- 到津の森公園
- 福岡市動物園
- アフリカンサファリ
- 熊本市動植物園
はじめてのトラ!那須どうぶつ王国
2022年5月、那須どうぶつ王国は秋田市・大森山動物園よりアムールトラのレイ(2019年生)をうけいれました。同園にとってはじめてのトラ飼育です。
レイをむかえいれるために、那須どうぶつ王国はアムールトラ展示場「シベリアンテリトリー」をつくりました。樹木をうえ、高低差をもうけるなど生息地環境再現につとめています。
シベリアンテリトリーは2022年7月15日にオープン予定です。
今後、事故がないように、いつか繁殖に成功するように、応援しています。
飼育再開!繁殖をめざす茶臼山動物園
長野市にある茶臼山動物園では、2018年6月に3つ子(ミタケ、ホタカ、アヅミ)が生まれました。
2019年5月、ミタケ(オス)がいしかわ動物園に、6月にはホタカ(メス)が富士サファリパークに移動しました。
3つ子をふくめ5頭を出産したミライは、今後の繁殖にも期待されていました。しかし、2019年12月、9歳という若さで死亡しました。
父親のリングは3頭のメスと繁殖に成功!日本のアムールトラ個体数を大いに増やしてくれました。2020年1月、惜しまれつつ16歳でその生涯を終えました。
そして、2020年4月、アヅミ(メス)が広島県・福山市立動物園にうつり、茶臼山動物園でのアムールトラ飼育は終了しました。
トラ舎が空室のまま約1年。ついに、茶臼山でアムールトラに再会できる日が来ました!
2021年3月、秋田県・大森山動物園の和(ナゴミ/2019年生)が来園。さらに2022年4月、旭山動物園からオスの新(シン/2020年生)がやって来ました。
2022年6月現在、シンは放飼場に出る訓練中なので非公開。ナゴミの元気な姿を見ることができます。
将来、アムールトラの森という自然環境に近い展示場へと再整備される予定がある茶臼山動物園。
アムールトラ繁殖成功例がある数少ない動物園です。今後の展開に目が離せません!
トラ2亜種に会えるいしかわ動物園
2019年に茶臼山動物園よりミタケ(2018年生)が来園したいしかわ動物園。
すでにベンガル系トラのマドラス(1999年生)とホワイトタイガーのクラウン(2014年生)がいましたが、アムールトラ展示は初めてです。
加えて2020年、大森山動物園よりメスの月(ツキ)2019年生が来園。ミタケとの繁殖を目指しています。若い2頭の動向に注目です!
2021年7月、マドラスが日本最高齢22歳で亡くなりました。とても長生きでした。
2022年6月現在、アムールトラのツキとミタケ、ベンガル系トラ(ホワイトタイガー)のクラウンが飼育されています。
【関連記事】ホワイトタイガーとは?白いトラに隠された動物繁殖の真相
初アムールトラ!アフリカンサファリ
2018年に山口県・徳山動物園からオスのシュウ(2015年生)が、2019年に神奈川県・多摩動物公園からメスのアイ(2010年生)が大分県・アフリカンサファリにやって来ました。
2頭は繁殖を目指した移動とのこと。
すでにベンガルトラがいることから展示スペースが限られ、2022年6月現在、アムールトラの展示は行われていません。
バックヤードの環境や2頭の相性が気になるところです…。
復興!熊本に猛獣が帰ってきた
2016年熊本地震の影響により熊本市動植物園は大きな被害を受けました。
その際、アムールトラ、ライオン、ユキヒョウ、ウンピョウはそれぞれ北九州市・到津の森公園、大分県・アフリカンサファリ、大牟田市動物園、福岡市動物園へと避難しました。
2020年ウンピョウは死亡により展示終了しました。
その後、一部開園となりましたが、猛獣舎は閉鎖。もりだくさんの猛獣たちがいなくなり、さみしい期間が続きました。
地震から2年半。ようやく猛獣たちは古巣、熊本へ帰ってきました。
そして、2018年12月22日に全面開園!みなさんもぜひお立ち寄りください。

アムールトラの赤ちゃん情報!
2019年以降、日本では20頭以上のアムールトラが誕生しています。そのうち12頭が元気に生育しています。
浜松市動物園!初めてのペア 2019年・2021年
2020年4月、静岡県・浜松市動物園で3つ子が誕生しました。
父親は2019年3月に旭山動物園から越して来たばかりのソーン。母親のローラは初産にもかかわらず、上手に子育てできていました。
ところが、3つ子のうち1頭は誕生後まもなく、もう1頭は6月に先天的な発育不全により亡くなりました。そして、8月には最後の1頭が外傷により死亡。
子育てをつづけていたローラには、とても悲しい結末となりました。しかし!
2021年2月、ローラが4頭の子を出産しました。今回も難なく出産・育児を行い、赤ちゃんたちはすくすくと育っています。
子はオス3頭(ヒューイ、トート、アース)、メス1頭(サーシャ)と名付けられました。
無事に1歳をむかえ、だんだんトラらしくなってきました。子トラとはいえネコ科最大の動物であるトラを一度に4頭も見れるまたとないチャンスです!
2022年6月より母離れにむけて、母と子の展示をわけています。詳しくは公式HPでご確認ください。
4つ子誕生!旭山動物園 2020年
両親は、2014年にアメリカから来日したオスのキリル(2009年生)とメスのザリア(2010年生)です。
別々の動物園で生まれ育ち、日本の環境に慣れるのに時間がかかりました。
一方で、2頭の相性はよく2015年には1回目の出産に成功。しかしながら、ザリアが子へ関心をしめさず、のちに4頭とも死亡してしまいました。
翌2016年には3頭の子を産みました。1頭は亡くなりましたが、残る2頭をザリアが見事に育てあげました。
旭山動物園では、初めてのアムールトラ繁殖成功でした。
2019年、2頭の子は無事に親離れを迎えました。ナージャ(メス)は釧路市動物園に、ソーン(オス)は浜松市動物園に移動となりました。
2020年2月、ザリアが出産。なんと7頭も誕生しました。うち4頭は死亡しましたが、残る3頭はザリアの手で育てられています。
メスは明(メイ)、オスは新(シン)と力(リキ)と名付けられ、元気に育っています。
すでに親離れがすみ、2022年4月シンは茶臼山動物園へと移動しました。2022年6月現在、父キリル、母ザリア、子メイとリキの4頭が飼育されています。
大森山動物園4つ子の旅立ち! 2019年
2019年9月、秋田市・大森山動物園で4頭のアムールトラが誕生しました。
両親は、広島市・安佐動物公園からやって来たヒロシ(2011年生)と、2016年にロシアの動物園からやって来たカサンドラ(2014年生)です。
2017年から発情期の同居を始めた2頭。2019年2月、カサンドラは4歳で初めての出産を経験。4頭の赤ちゃんが誕生しました。
しかしながら、早産だったため子の衰弱が激しく、4頭とも死亡しました。カサンドラにとっても、飼育員にとっても、悲しい出来事だったでしょう。
そして2019年9月、待望の出産。今回も4頭のアムールトラが誕生しました。赤ちゃんたちは衰弱することなく、母親の授乳によりすくすく成長しました。
オスは令(レイ)と風(フウ)、メスは和(ナゴミ)と月(ツキ)と名付けられました。
2020年6月、1歳をむかえる大森山動物園の子トラたちは、繁殖管理計画のもと移動をはじめました。メスのツキはいしかわ動物園に引っ越し。
父親のヒロシは2020年7月にとくしま動物園へ移動。その年の12月に9歳という若さで急死しました。繁殖経験を持つ貴重な個体でした。とてもざんねんです。
翌2021年3月、メスのナゴミは長野県・茶臼山動物園、オスのフウは大阪市・天王寺動物園へ。そして2022年5月、レイが那須どうぶつ王国へと旅立って行きました。
2022年6月現在、秋田市・大森山動物園では母親のカサンドラが飼育されています。
ショウヘイは神戸へ|多摩動物公園 2019年
2019年1月、多摩動物公園で3頭のアムールトラが誕生しました。
母シズカ(2006年生)は妊娠当時12歳と高齢。繁殖は期待されていませんでしたが、8年ぶり2回目の出産をおえました。
しかしこのたびは難産となり、メス2頭は死亡。最後に生まれたオス1頭だけが生きのこりました。
母親の子への関心がうすれていたため、ショウヘイと名付けられたオスは人工哺育となりました。
元気にトラらしく成長したショウヘイ。2021年11月、神戸市・王子動物園へ移動。現在は放飼場にでる訓練中です。
一方の多摩動物公園では、2019年12月、ブリーディングローンにより周南市・徳山動物園からメスのイチ(2015年生)が来園。
高齢のシズカに代わり、父アルチョム(2015年生)の新しいパートナーになりそうです。
スマトラトラに会える動物園
絶滅寸前を意味するIUCNレッドリスト深刻な危機(CR)に指定され、世界的にも数の少ないスマトラトラ。
現在、日本の飼育数は18頭。上野動物園、ズーラシア、東山動植物園など7施設で会うことができます。
- 八木山動物公園
- バユ(2006年生)
- ケアヒ(2008年生)
- ダマイ(2014年生)
- 上野動物園
- マニス(2007年生)
- インダ(2010年生)
- ブラン(2013年生)
- ミンピ(2014年生)
- よこはま動物園ズーラシア
- ガンター(2006年生)
- デル(2006年生)
- ラウト(2013年生)
- ムジュ(2019年生)
- 東山動植物園
- クンデ(2007年生)
- アオ(2019年生)
- 神戸どうぶつ王国
- アイナ(2013年)
- パンプ(2016年生)
- わんぱーくこうちアニマルランド
- カリ(2006年生)
- アカラ(2013年生)
- フェニックス自然動物公園
- ファントム(2016年生)
九州初スマトラトラ!フェニックス自然動物園
2018年11月、ズーラシアからファントムが宮崎市へやって来ました。
よこはま動物園ズーラシアでガンターとデルの間に生まれました。パンプとは双子になります。
ファントムは繁殖計画に基づいた移動と発表されています。ズーラシアではスマトラトラ繁殖に力を入れており、近親交配や母トラの発情を促す目的かもしれません。
九州では宮崎でしかスマトラトラに会うことはできませんので、お見逃しなく!
スマトラトラの赤ちゃん情報!
2019年に2頭のスマトラトラが誕生し、元気に成長しています。
アオは名古屋へ|八木山動物公園 2019年
2019年10月、八木山動物公園でオス1頭(アオ)が誕生しました。
父親は2011年にアメリカの動物園からやって来たケアヒ。ケアヒは2014年に上野動物園に貸し出されました。しかし、繁殖には至らず、2018年に仙台に戻って来ました。
母親は2011年にオランダの動物園からやって来たバユ。ズーラシアのデルと姉妹です。
2012年、バユにとって初産の子3頭はすべて死亡。翌2013年には、オス2頭(アカラ、ブラン)とメス2頭(アイナ、ラウト)が誕生し、自然哺育に成功しました。
久しぶりに再会した2頭は変わらず相性がよく、3回目の繁殖へとつながりました。
4つ子を無事育てあげたバユですが、なぜか今回は子育てがうまくいきませんでした。結果、アオは人工哺育となりました。
アオはすくすくと成長。そして、2021年12月名古屋市・東山動植物園へ。
移動先の東山動植物園からは、ダマイが来園しました。現在、八木山動物公園ではケアヒとダマイの繁殖をめざしています。
ムジュ誕生|ズーラシア 2019年
2019年8月、よこはま動物園ズーラシアでメス1頭(ムジュ)が誕生しました。
母親デルは、2011年にオランダから来日。八木山動物公園のバユと姉妹です。翌2012年、父親となるガンターがアメリカからやって来ました。
2014年、デルはメス2頭(ミンピとダマイ)の出産・育児を成し遂げました。ズーラシアで初めてのスマトラトラ繁殖成功でした。
そして、2016年にはオス3頭を出産。悲しいことに1頭は事故死しました。残る2頭(パンプとファントム)は母親の手で育てられました。
今回は、デルにとって3回目の出産です。しかし、赤ちゃんが母乳をうまく飲めず人工哺育となりました。その後はすくすく成長しています。
2020年1月、アドベンチャーワールドから新たなメスとしてラウトをブリーディングローンにより導入。今後の繁殖にも期待が高まります。
ラウトの移動により、アドベンチャーワールドのスマトラトラ展示は終了しました。
ベンガルトラに会える動物園
日本動物園水族館協会において、アムールトラ、スマトラトラとは別に「トラ」と区分されているものをベンガル(系)トラとして紹介します。
日本でも多く飼育されており、サファリパークなど広い施設では複数頭が展示されています。
- 岩手サファリパーク
- 那須サファリパーク
- 宇都宮動物園
- 群馬サファリパーク
- かみね動物園
- 東武動物公園
- 遊亀公園動物園
- いしかわ動物園
- 須坂市動物園
- 伊豆アニマルキングタム
- アドベンチャーワールド
- NIFREL
- 姫路セントラルパーク
- 秋吉台サファリランド
- 徳島動物園
- とべ動物園
- 大牟田市動物園
- アフリカンサファリ
- フェニックス自然動物園
- 平川動物公園

ボルタが亡くなりました|那須サファリ
2022年6月、那須サファリパークで飼育されていたベンガルトラのボルタが死亡しました。11歳でした。
ボルタはゴールデンタビータイガーとよばれる、色素のうすい突然変異の個体。世界でも30頭ほどといわれています。
日本にはボルタときょうだいのステラだけです。ステラは東北サファリパークで暮らしています。
ベンガルトラの赤ちゃん情報!
動物園にいるベンガル(系)トラの多くは雑種と考えられています。そのため、純粋なアムールトラやスマトラトラとちがい、飼育下繁殖が消極的になってきています。
かつてはトラの赤ちゃんとふれあえる施設がいくつかありました。近年は動物への影響を考慮し中止するながれとなっています。
秋吉台サファリ 2020年・2021年
2020年12月、山口県・秋吉台サファリランドで9年ぶりとなるトラ繁殖に成功しました。
父親はちから、母親はツキ。子はメスで六花(りっか)と名付けられました。そして2021年5月、六花の妹にあたる五樹(いつき)が誕生しました。
りっかといつきはすでに放飼場デビューを果たしています。
さらに2021年12月には雌雄の双子が誕生しました。オスは琥珀(こはく)メスは四葉(よつば)です。
秋吉台サファリランドでは赤ちゃんトラをガラス張りの展示場で公開しています。可愛い子トラを間近で見れるとあって、とても人気となっています。
しかし、幼いうちに親からはなされた赤ちゃんトラ。大勢のヒトの前で、哺乳瓶からミルクを飲んで育っています。
母親がたまたま育児できない個体かもしれませんが。繁殖の頻度のおおさが気になります…。

人気度も知名度もたかいトラ。実はIUCNレッドリスト危機(EN)、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載される、希少な動物です。
幸運なことに日本では3亜種アムールトラ、スマトラトラ、ベンガルトラに会うことができます。
ひとくちに「トラ」として見るのではなく、亜種としてじっくり観察してみください。
3亜種のちがいや特徴は「トラの種類」に掲載しています。
以上、トラに会える動物園でした。
【参考】
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