雪山のハンター・ユキヒョウとは?知られざるユキヒョウの進化と生活

ユキヒョウの生態と特徴|動物の豆知識

ヒョウはアフリカのビッグファイブにも数えられる人気動物。ほとんどの方がその姿かたちを思い浮かべられるでしょう。

では、ユキヒョウは知っていますか?

飼育している施設が少ないため、知らない方もいるでしょう。しかし、動物園に行くと必ず立派なカメラを持ったファンがいる動物です。

そこで、今回は幻の動物ユキヒョウの生態や特徴、ユキヒョウに会える動物園を紹介します。

ユキヒョウとは?

食肉目ネコ科ヒョウ属。

体長1~1.5メートル、一般的なヒョウの大きさと変わりません。一方、体重は軽く、40~50キロほど。

一番の特徴は毛色。

一般的に思い描くヒョウの色、黄色ではありません。ユキヒョウの名がふさわしい、白やグレーの体毛で覆われています。

花のような斑紋、いわゆるヒョウ柄はありますが、くっきりした模様ではありません。

熊本市動植物園 ユキヒョウ
白~灰色の体毛、模様は薄い

ユキヒョウの生態

ユキヒョウは、雌雄ともに群れを成さず、山奥でひっそりと暮らしています。

他の動物の気配に非常に敏感。接触を避けるように行動しています。休むときも岩陰などに隠れています。

そのため、ユキヒョウの実態は未だにはっきりとわかっていません。

サンディエゴ動物園 ユキヒョウ
岩陰や洞窟に潜んでいる

性格は控えめ。自身や子に危険を感じない限り、自ら攻撃することはないと言われています。

生息地

ユキ、のイメージ通り、寒いところに生息しているユキヒョウ。中央アジアのアルタイ山脈やヒマラヤ山脈など、山岳地帯で発見されています。

ユキヒョウは非常に広い行動範囲を持ちます。冬場は積雪を避けるため、標高の低いところで過ごします。反対に、夏は暑さをしのぐため、標高5000メートルほどまで移動します。

雪山に生息するユキヒョウは発見が非常に困難なため、野生の個体数は定かではありません。

野生のユキヒョウは、地球温暖化や密猟により減少傾向。推定個体数は最大で6000頭あまり。その60%ほどは、中国に生息していると考えられています。

ユキヒョウは絶滅危惧種VUに指定されています。ワシントン条約では、商業取引が禁止されています。

雪山に住むために進化!

毛色以外に大きな特徴としては、太くて短い足に太くて長いしっぽ。

多摩動物公園 ユキヒョウ
太く短い足と太く長い尾

足場の悪い山岳地帯を移動するユキヒョウ。バランスを保つため、足は短く尾は長く進化しました。しっぽは体長と同じくらいの長さがあります。

寒い冬に耐えるため、ユキヒョウは毛深く進化。腹の毛は10センチほどの厚さ。立派な尾も厚い毛に覆われており、口や鼻を冷気から守るマフラーの役割も果たします。

大きな肉球の周りにも毛がぎっしり生えています。暖かく滑りにくい肉球のおかげで、深い雪の中で行動することができます。

ブロンクス動物園 ユキヒョウ
肉球の間まで毛が密生している

また、鼻の穴の中(鼻腔)が広く、冷たい外気が直接肺に入らない仕組みになっています。

狩り

険しい雪山でも俊敏に動くことが出来るユキヒョウ。

狩りは明け方や夕方など、うす暗い時間帯に行われます。主な食料は、ヤギやヒツジ。

しかし、ユキヒョウは状況に応じて獲物を変えることが知られています。場合によっては、死肉や家畜を食べることもあります。

ユキヒョウは背後から獲物に忍び寄り、一気に跳びかかります。

ごつごつした急な斜面を、ものすごいスピードと跳躍で追いかけるユキヒョウ。非常に華麗で、桁違いにかっこいい瞬間です。

ユキヒョウは後肢の力が強く、10メートル以上ジャンプすることができます。この跳躍力をもって、自分より大きな動物を仕留めることも可能。

他者の目を避けるユキヒョウは、倒した獲物を隠れ家に運んでから食べることがあります。

また、食べ切れないエサを洞穴などに隠すことも確認されています。

繁殖

繁殖期は、1~3月。雌雄ともに単独行動をとるユキヒョウは、匂いを頼りに繁殖相手を探します。

妊娠期間は、約3か月。妊娠したメスは、出産に最適で安全な場所を探します。さらに、地面に自分の毛を敷き詰め、出産の環境を整えます。

通常、20センチ程度の赤ちゃんを1度に2、3頭産みます。子は2歳ごろまで母親と行動を共にし、その後ひとり立ちします。

性成熟は、2~3歳です。

寿命

1度に複数頭産むことが多いユキヒョウ。

ところが、生まれた子は成熟前に死亡することが多いと言われています。生息地破壊や食糧難による飢餓が主な原因。

厳しい時期を乗り越えたユキヒョウの寿命は、15年ほど。

世界には、20年以上生きたユキヒョウも確認されています。

ユキヒョウに会える動物園

現在、日本でユキヒョウを展示している動物園は12か所です。

  • 円山動物園
  • 旭山動物園
  • 大森山動物園
  • 群馬サファリパーク
  • 多摩動物公園
  • 遊亀公園動物園
  • いしかわ動物園
  • 東山動植物園
  • 浜松市動物園
  • アドベンチャーワールド
  • 王子動物園
  • 熊本市動植物園

ユキヒョウ誕生!多摩動物公園

現在、多摩動物公園では2017年6月に誕生したオスのフクを公開中。

1歳を超えたので、大きくなっていますが。まだまだ丸く、かわいらしい印象です。

多摩動物公園は、現在ユキヒョウ6頭を飼育中。国内最多です!ぜひ訪れてみてください。


野生ではほぼ見ることのできない幻のユキヒョウ。一度見ると好きにならずにはいられない、魅力的な動物です。

王子動物園 ユキヒョウ

動物園に行ったら、ユキヒョウの尾や毛に注目して観察してみましょう。

以上、ユキヒョウのお話でした。

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