ユキヒョウの生態と特徴!幻の動物ユキヒョウに会える動物園

04/29/2020

ヒョウは、アフリカのビッグファイブにも数えられる人気動物。ほとんどの方がその姿かたちを思い浮かべられるでしょう。

では、ユキヒョウをご存知ですか?

飼育している施設が少ないため、知らない方もいるでしょう。しかし、ユキヒョウ展示場へ行くと、必ず立派なカメラを持ったファンがいます。

そこで、今回のzoo zoo diaryでは、多くの人を魅了するユキヒョウの生態や特徴、ユキヒョウに会える動物園を紹介します。

熊本市動植物園 ユキヒョウ

ユキヒョウとは?

食肉目ネコ科ヒョウ属。

体長1~1.5メートル、一般的なヒョウの大きさと変わりません。一方、体重は軽く、40~50キロほど。

ユキヒョウ最大の特徴は、毛色。

一般的に思い描くヒョウの色、黄色ではありません。ユキヒョウの名がふさわしい、白やグレーの体毛で覆われています。

花のような斑紋、いわゆるヒョウ柄はありますが、くっきりした模様ではありません。

ユキヒョウの生態

ユキヒョウは、雌雄ともに群れを成さず、山奥でひっそりと暮らしています。

他の動物の気配に非常に敏感。接触を避けるように行動しています。休むときも岩陰などに隠れています。そのため、野生のユキヒョウを見るのは至難の業。幻の動物と呼ばれています。

ユキヒョウの観察記録や研究報告は非常に少なく、ユキヒョウの実態は未だ多くの謎に包まれています。

性格は控えめ。自身や子に危険を感じない限り、自ら攻撃することはないと言われています。

サンディエゴ動物園 ユキヒョウ

ユキヒョウの生息地

ユキ、のイメージ通り、寒いところに生息しているユキヒョウ。中央アジアのアルタイ山脈やヒマラヤ山脈など、山岳地帯で発見されています。

ユキヒョウは非常に広い行動範囲を持ちます。冬場は積雪を避けるため、標高の低いところで過ごします。反対に、夏は暑さをしのぐため、標高5000メートルほどまで移動します。

雪山に生息するユキヒョウは発見が非常に困難なため、野生の個体数は定かではありません。

野生のユキヒョウは、地球温暖化や密猟により減少傾向。近年は、保護区の制定や密猟防止策により、減少率は低下しています。

推定個体数には幅があり、4,000~8,000頭とされていました。2016年には、7,700頭前後と報告されています。そのうち60%ほどは、中国に生息していると考えられています。

ユキヒョウは、絶滅危惧種VUに指定され、ワシントン条約では商業取引が禁止されています。

雪山に住むために進化!

毛色以外に大きな特徴としては、太くて短い足に太くて長いしっぽ。

多摩動物公園 ユキヒョウ

足場の悪い山岳地帯を移動するユキヒョウ。バランスを保つため、足は短く尾は長く進化しました。しっぽは体長と同じくらいの長さがあります。

寒い冬に耐えるため、ユキヒョウは毛深くなりました。腹の毛は10センチほどの厚さ。立派な尾も厚い毛に覆われており、口や鼻を冷気から守るマフラーの役割も果たします。

大きな肉球の周りにも毛がぎっしり生えています。暖かく滑りにくい肉球のおかげで、深い雪の中で行動することができます。

また、鼻の穴の中(鼻腔)が広く、冷たい外気が直接肺に入らない仕組みになっています。

ブロンクス動物園 ユキヒョウ

ユキヒョウの狩り

険しい雪山でも俊敏に動くことができるユキヒョウ。

狩りは明け方や夕方など、うす暗い時間帯に行われます。主な食料は、ヤギやヒツジ。

しかし、ユキヒョウは状況に応じて獲物を変えることが知られています。場合によっては、死肉や家畜を食べることもあります。

ユキヒョウは背後から獲物に忍び寄り、一気に跳びかかります。

ごつごつした急な斜面を、ものすごいスピードと跳躍で追いかけるユキヒョウ。非常に華麗で、桁違いにかっこいい瞬間です。

ユキヒョウは後肢の力が強く、10メートル以上ジャンプすることができます。この跳躍力をもって、自分より大きな動物を仕留めることも可能。

他者の目を避けるユキヒョウは、倒した獲物を隠れ家に運んでから食べることがあります。また、食べ切れないエサを洞穴などに隠すことも確認されています。

ユキヒョウの繁殖

繁殖期は、1~3月。雌雄ともに単独行動をとるユキヒョウは、匂いを頼りに繁殖相手を探します。

妊娠期間は、約3か月。妊娠したメスは、出産に最適で安全な場所を探します。さらに、地面に自分の毛を敷き詰め、出産の環境を整えます。

通常、20センチ程度の赤ちゃんを1度に2、3頭産みます。子は2歳ごろまで母親と行動を共にし、その後ひとり立ちします。

性成熟は、3歳前後です。

ユキヒョウの寿命

1度に複数頭産むことが多いユキヒョウ。

ところが、生まれた子は成熟前に死亡することが多いと言われています。生息地破壊や食糧難による飢餓が主な原因。

厳しい時期を乗り越えたユキヒョウの寿命は、15年ほど。

世界には、20年以上生きたユキヒョウも確認されています。

熊本市動植物園 ユキヒョウ スピカ

ユキヒョウに会える動物園

現在、日本でユキヒョウを展示している動物園は10か所、20頭ほど飼育されています。

  • 円山動物園
  • 旭山動物園
  • 大森山動物園
  • 多摩動物公園
  • いしかわ動物園
  • 東山動植物園
  • 浜松市動物園
  • アドベンチャーワールド
  • 王子動物園
  • 熊本市動植物園

2019年1月に群馬サファリパークのマイ、同年7月には甲府市遊亀公園付属動物園のミュウが亡くなりました。2頭は双子で、ミュウは国内最高齢の16歳でした。

現在、遊亀公園と群馬サファリパークにユキヒョウはいません。

神戸市立王子動物園や札幌市円山動物園、名古屋市東山動植物園は、今後の繁殖に期待が寄せられています。

ユキヒョウの赤ちゃんに会いに行こう!

ユキヒョウ繁殖に貢献!多摩動物公園

東京都・多摩動物公園では、2017年6月に2頭のユキヒョウが誕生しました。うち1頭は3日後に死亡しましたが、残る1頭(フク、オス)は母親の手で育てられました。

母親は2010年にオーストリアから、父親は2013年にカナダから来日したミミ(11歳)とコボ(6歳)。

2000年にカザフスタンから多摩動物公園にやって来た野生由来のオス(故ジンギス)は、4頭のメスの間に16頭の子どもを授かりました。

絶滅が危惧され個体数の少ないユキヒョウの誕生は、非常に喜ばしいこです。一方、日本の動物園にいるユキヒョウはジンギスの血を引く個体が多く、遺伝的多様性の低さが問題となっています。

フクの両親は、日本のユキヒョウとは血筋の異なる外国由来の個体です。ユキヒョウの今後を担う存在になるかもしれません。

2020年、3歳となるフク。性成熟を迎える年頃です。これからますます男らしくなることでしょう。

現在、多摩動物公園はコボ一家を含め、6頭のユキヒョウを飼育中。国内最多です!ぜひ訪れてみてください。

旭山動物園は出産ラッシュ!

2019年7月、北海道・旭山動物園でメスのユーリが誕生しました。

母親は2012年ドイツから来日したジーマ(10歳)、父親は円山動物園生まれのヤマト(11歳)。

ペアの繁殖は今回が3度目。2015年、ジーマにとって初産となった子は、出産翌日に死亡しました。翌2016年には、2頭の子を出産。うち1頭は亡くなりましたが、残る1頭(リヒト、オス)を立派に育てあげました。

現在、午前中にジーマとユーリ、午後にヤマトを公開しています。

旭山動物園は2020年に入ってからも、カバ、アムールトラ、ワオキツネザル、ゴマフアザラシ、アビシニアコロブスと、たくさんの赤ちゃんが誕生しています。

見どころ満載の旭山動物園。楽しめること間違いなしです!

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野生では、ほぼ見ることのできない幻のユキヒョウ。一度見ると好きにならずにはいられない、魅力的な動物です。

動物園に行ったら、ユキヒョウの尾や毛に注目して観察してみましょう。

王子動物園 ユキヒョウ

以上、ユキヒョウのお話でした。

【参考】

国際自然保護連合

日本動物園水族館協会