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ブチハイエナに会える動物園【日本に13か所】一覧とニュースまとめ

11/24/2022

ライオンやヒョウとともにアフリカのサバンナの代表的な肉食動物「ブチハイエナ」

死肉をあさる様子からあまり良いイメージをもたれていないハイエナたちですが、実際には豊かな表情や動きでたくさんの人々を魅了している人気動物です。

ぜひ本当は可愛いブチハイエナに会いに行ってみましょう!

アフリカンサファリ ブチハイエナ

ブチハイエナとは?

ハイエナはネコやイヌとは違った進化をとげたハイエナ科の動物。そのなかでも代表的な種が今回紹介するブチハイエナです。

  • 食肉目 Carnivora
    • ハイエナ科 Hyaenidae
      • ブチハイエナ属 Crocuta
        • ブチハイエナ Crocuta crocuta
  • IUCNレッドリスト 低懸念(LC)
  • 生息 サハラ砂漠以南 3~5万頭
  • 体長 オス100m メス110cm
  • 尾長 25cm
  • 体高 80cm
  • 体重 オス50kg メス55kg

ブチハイエナはアフリカ・サハラ砂漠より南の地域に広く生息しています。サバンナや森林、山地などさまざまな地域で観察されています。

生息数は3~5万頭ほど。現在のところ絶滅のおそれはありませんIUCNレッドリスト低懸念)。

一方で、西~東アフリカにかけて、ヒトとの対立により多くのハイエナが死亡。全体的な生息数は減少傾向にあります

まだら模様・強い・大きい

淡い茶色の体毛に黒い斑点があることから名付けられました。マダラハイエナとも呼ばれています。

大きなものは全長1.6メートル、体重80kg以上にも成長するハイエナの最大種です。

ブチハイエナは目、耳、鼻すべてが優れており、実は狩りが得意。体力もあるので、時速60kmでターゲットを追いつづけることができます。

さらにブチハイエナの噛む力は哺乳類最強といわれています。硬い肉はもちろん、大きなスイギュウの骨も粉々にしてしまうほどの強さです。

他の動物が食べられない硬い部分を処理するブチハイエナは、サバンナの清潔を保つという重要な役目をおっています。

このように大きく強いブチハイエナは自然界でトップに君臨。ときにはライオンに立ち向かうサバンナ最強の動物の1種といえます。

くわしくは「ハイエナの真実【強く賢い!生態と特徴】クランから天敵まで」をご覧ください。

アフリカンサファリ ハイエナ

ブチハイエナに会える動物園|13か所

2022年11月現在、国内13か所の施設でブチハイエナが飼育されています(zoo zoo diary調べ)。

  • 円山動物園
  • ノースサファリサッポロ
  • 宇都宮動物園
  • 大宮公園小動物園
  • 千葉市動物公園
  • 日本平動物園
  • 天王寺動物園
  • 池田動物園
  • しろとり動物園
  • のいち動物公園
  • とくしま動物園
  • 秋吉台サファリランド
  • アフリカンサファリ

2年連続赤ちゃん誕生!秋吉台サファリ

山口県・秋吉台サファリランドは2021年、2022年と2年連続繁殖に成功。ハイエナの群れ展示をおこなっている数少ない施設です。

父親は岡山市・池田動物園生まれのミライ(2016年生)。母親は2019年に香川県・しろとり動物園よりきょうだいとともにやってきたヤミー(2019年生)です。

ヤミーは2歳という若さで初産と育児をみごとに遂げました。さらに今回は屋外で出産するという肝っ玉ぶりを発揮!

現在は家族5頭なかよく展示されています。

山口県・秋吉台サファリランドには現在7頭のブチハイエナが暮らしています。ミライ・ヤミー一家とアズキ・キュルペアに分離し展示中です。

  • アズキ(2013年生)
  • ミライ(2016年生)
  • ヤミー(2019年生)
  • キュル(2019年生)
  • ライミー(2021年生)
  • ラミー(2022年生)
  • ミミー(2022年生)

初のブチハイエナ|とくしま動物園

2019年香川県・しろとり動物園で生まれ、山口県・秋吉台サファリランドへ移動した3つ子(ヤミー、キュル、ガブ)。

ヤミーは母となり、キュルはパートナーが見つかりました。スペースの関係から非公開となっていたガブ。

2022年7月、とくしま動物園へ移動となりました。同園にとってはじめてのブチハイエナ飼育となります。

オス1頭と寂しいかもしれませんが。健やかに過ごせますように。

ブチハイエナ3頭来園!千葉市動物公園

千葉市動物公園は2020年7月よりブチハイエナを飼育しています。

当初は1頭のメス「イトゥバ」だけでしたが、12月にはオス「カロア」とメス「エサンドワ」がやってきました。

繁殖をめざしてペアリングをおこなうもののうまくいかず。検査をしたところなんとカロアはメスということが判明しました。

今後はオスを導入し繁殖をめざしたいとのこと。要チェックです。

ブチハイエナは一般にメスの方が大きく育ちます。さらにオスのような陰部をもつため、雌雄の区別がむずかしい動物です。

かつて香川県・しろとり動物園ではオスと思われていたジェイが出産し、たいへんなニュースとなりました。この場合、メスと思われてたエナがオスだったので結果としては良かったですが。

千葉市動物公園や円山動物園のように導入したハイエナがすべて同性と判明したときは、ペアリングを再考しなければなりません。

また、特殊な陰部をもつメスハイエナの出産は母子ともに命を落とすこともあります。

繁殖相手の限られた飼育下ではメスの死亡により、あっという間にハイエナの数が減ってしまう可能性があります。

幸運なことに、近年日本ではしろとり動物園、秋吉台サファリで繁殖に成功しています。

一方、野生では絶滅のおそれがないといわれていますが、生息数は減少傾向。規制がない分、毎年たくさんのブチハイエナがヒトに殺されています。

強く愛らしい一面をもつブチハイエナ。ぜひ多くの方に見てほしい動物です。

以上、ブチハイエナに会える動物園でした。

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