オランウータンに会える動物園【ボルネオ・スマトラ】種類別リスト

現在オランウータンはおおきく3種類に分けられています。

そのうち2種「ボルネオオランウータン」と「スマトラオランウータン」が日本の動物園で飼育されています。

今回のzoo zoo diaryはオランウータンに会える動物園を種類別に紹介します。赤ちゃん誕生、動物園の移動などオランウータンの最新ニュースもお届けします!

オランウータンとは?

霊長目ヒト科オランウータン属。

インドネシア・スマトラ島とカリマンタン島、マレーシア・ボルネオ島の森林に生息しています。

  • IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
  • CITES 附属書Ⅰ
  • 生息 インドネシア、マレーシアの湿潤林 11万人
  • 身長 オス130cm メス110cm
  • 体重 オス80g メス40kg

オランウータンはは体重40kg以上という大きな体にもかかわらず、木の上で生活しています。おもに果実や葉など、たくさんの種類の植物を食べます。

2017年に新種が発表され、現在は3種類のオランウータンが生存しています。

生息数はぜんぶ合わせて11万人ほど。

IUCNレッドリストでは絶滅寸前を意味する深刻な危機(CR)。ワシントン条約(CITES)では附属書Ⅰに記載され輸出入が規制されています。

日本ではボルネオオランウータンとスマトラオランウータンに会うことができます。

ボルネオオランウータンに会える動物園

日本動物園水族館協会(JAZA)によると、ボルネオオランウータンは12か所の動物園で飼育されています。

北海道~関東
  • 円山動物園
  • 旭山動物園
  • 釧路市動物園
  • 多摩動物公園
  • ズーラシア
中部~九州
  • いしかわ動物園
  • 日本平動物園
  • 王子動物園
  • とべ動物園
  • 福岡市動物園
  • フェニックス自然動物園
  • 平川動物公園

【関連記事】全30人!日本にいるボルネオオランウータン「動物の相関図」2022年9月

千葉市動物公園のオランウータン展示は終了しました

かつてオランウータン繁殖に成功した千葉市動物公園。

千葉で生まれたナナは2018年にズーラシアヘ、現在は福岡市動物園で飼育されています。

2018年にはナナの母親であるキャンデーが来園しましたが、翌年に亡くなっています。

ナナとペアリングされていたフトシ。1998年の来園以来、大の人気者でしたが、ざんねんながら2021年2月に亡くなりました。

フトシの死亡により、千葉市動物公園のオランウータン展示は終了しました。

赤ちゃん誕生!テイジロウとレンボー|円山動物園

父親のテイジロウ(弟路郎)は1997年に釧路市動物園で生まれました。

母親のレンボーは1998年インドネシアの動物園で生まれ、2009年に来日しました。

レンボー来園翌年には、長男ハヤトが誕生しました。ハヤトは順調に成長し、2018年に愛媛県・とべ動物園へ移動しました。

2016年には次男ハルトが誕生。元気に育っていると思われましたが、同年10月に体調をくずし亡くなりました。

悲しみにくれるなか、2020年ついに三男が生まれました!名前はレイト(令斗)。レンボーの愛情をうけてすくすくと成長しています。

新施設建設中のため展示されていません ※2023年完成予定

円山動物園は2023年完成予定のオランウータン施設を建築中です。

それにともない2021年よりオスのテイジロウ(弟路郎)は釧路市動物園へ、レンボーとレイト(母子)は園内の非公開施設へと移動になりました。

そのため、2023年まで円山動物園でボルネオオランウータンに会うことはできません。

あたらしい施設はおおきな屋内施設。以前のオランウータン舎の約3倍のひろさと約2倍のたかさを有します。模擬でジャングルを再現する予定です。

注目は自然光がはいること!模擬だけでなく本物の植物をうえて、昆虫や鳥なども飼育する環境をめざしています。

あたたかいボルネオ島で暮らすオランウータンが北海道のさむい冬を快適に過ごすことができる展示場。オープンが待ち遠しいですね。

モリトとモカ|兄が妹を育てる!旭山動物園

北海道・旭山動物園では、ジャックとリアンのあいだに3頭の子が生まれています。

悲しいことに第1子モモは6歳という若さで事故死。第2子モリト、第3子モカは母親の愛情をうけて元気に育っていました。

父ジャックと息子モリトは野生のオランウータンにならって、単独生活。母リアンと幼子モカはいっしょに暮らしていました。

そんななか2019年リアンが亡くなりました。当時、モカはまだ4歳。長くて10歳ごろまで母親と過ごすオランウータンにとって、早すぎる別れでした。

ところが、モカは体調を崩すことなく一安心。とはいえたった4年でひとり暮らしでは、モカの将来の社会性が不安です。

そこで、旭山動物園はおだやかな性格である兄モリトにモカをあずけてみました。

モリトはすぐにモカをうけいれ、モカはひとりじゃないことを喜び、2頭はとてもよい兄妹関係を築いています。

3年間つづいたモリトとモカのふたり暮らし。2022年7月、モカが性成熟(7歳)をむかえたため、ひとり立ちすることとなりました。

きょうだい愛を感じる2人の今後の成長がたのしみです。

オランウータン見るなら多摩動物公園へ!国内最多

キリンやチーター、ライオンなど多頭飼育していることで有名な多摩動物公園。実はオランウータンもたくさんいます!

全30人のうち3分の1となる10人を飼育しています。日本でもっともたくさんのオランウータンに会える動物園です。

たくさんのロープやタワーがある展示場では、さまざまなオランウータンの様子をうかがうことができます。

なかでも2005年に完成した「スカイウォーク」と称されるオランウータンのつなわたり設備は圧巻!

高さ15メートルの塔をロープだけで渡るというオランウータンの身体能力のすごさを感じることができます。

多摩動物公園オランウータン展示場スカイウォーク

赤ちゃん誕生!高齢出産に成功 2018年・2020年

飼育しているオランウータンがおおい分、繁殖成功例もおおく、日本中に多摩動物公園生まれのオランウータンがいます。

最近では2018年にはキキの子(ロキ)、2020年にはチャッピーの子(ホッピー)が生まれ育っています。赤ちゃんはどちらもオス。父親はボルネオです。

ちなみにチャッピーは当時47歳という国内最高齢の出産となりました。これまでに7回の経産婦であるだけに、出産も育児も順調にすすんでいます。

日本初!オランウータンの代理母|社会性を身につける

2017年には日本ではじめてオランウータンの代理母をたて、人工哺育だったチェリアはジュリーに育てられています。

チェリアの実母バレンタインはこれまで2子を生みましたが、どちらも育てることはできませんでした。

なぜならバレンタイン自身が人工哺育。子育ての仕方やオランウータンの社会を知らずにおとなになったからです。

そこで、チェリアだけでなくバレンタインにもたくさんのオランウータンが暮らす多摩動物公園で社会性をまなぶ取り組みをおこないました。

当初は加減がわからなかったバレンタインですが、徐々にただしい接し方ができるようになり、オランウータンらしくなっていきました。

2019年にはズーラシアにかえり、さらなる繁殖そして子育てが期待されています。

現在は、釧路市動物園生まれの人工哺育個体ヒナがオランウータン社会をまなび中です。

多摩動物公園のオランウータンの協力のもと、人工哺育の個体がへりオランウータンらしいオランウータンがふえ、結果的に繁殖につながることを願っています。

zoo zoo diaryが好きなボルネオオランウータン「ポピー」

鹿児島市・平川動物公園には多摩動物公園生まれのポピーが暮らしています。父ボルネオにくらべるとまだまだ若さと可愛らしさがあるフランジです。

スマトラオランウータンに会える動物園

日本動物園水族館協会(JAZA)によると、スマトラオランウータンは5か所の動物園で飼育されています。

  • 市川市動植物園
  • 浜松市動物園
  • のんほいパーク
  • 東山動植物園
  • とべ動物園

3回の繁殖に成功!市川市動植物園 2018年

千葉県・市川市動植物園は1992年よりスマトラオランウータンを飼育しています。

インドネシアの姉妹都市より親善大使として、オスのイーバンとメスのスーミー(ともに推定1988年生)がおくられました。

当初、同居に失敗してから自信を失ったイーバン。飼育員さんのこまかな気遣いによって、徐々に真の男へと成長していきました。

ついに2003年妊娠、出産。子が母乳をもとめたことで母性本能が開花し、スーミーはしっかりと育児をまっとうしました。

さらに2010年、2018年と繁殖に成功しています。7~10年といわれるオランウータンの育児期間(妊娠間隔)にそう理想的なペースでスーミーは出産しています。

現在は父イーバンと母スーミー、第2子リリーそして第3子ポポの4人で暮らしています。第1子のウータンはのんほいパークへ移動しました。

展示場にも注目!

市川市動植物園は野生オランウータンの行動や森林をしらべ、展示場に応用しています。

本物の木やつるを取りいれることはむずかしいため、ポールやロープ等をもちいて森のなかの再現につとめています。

オランウータン本来のうごきが見れる行動展示。飼育員さんのアイデアや実行力に感動します。

動物園では動物ばかりに目がいきがちですが、ぜひ展示場の工夫にも目をこらしてみてください。

2種類のオランウータンに会える!とべ動物園

愛媛県・とべ動物園は日本で唯一、スマトラオランウータンとボルネオオランウータンの2種に会える動物園です。

ボルネオオランウータンは2010年釧路市動物園生まれのハヤト、アンフランジ。

スマトラオランウータンは1996年生まれのディディ、フランジ。

ハヤトがフランジになれば、2種のフランジを見比べられるという貴重な体験ができます。

おおきなフランジが2つの塔のあいだをつなわたりする様子(スカイウォーク)は見ものです。

スマトラオランウータンは動物園で見られなくなる?!

2022年9月現在、たった5か所、11人しかいないスマトラオランウータン。

さらに日本にいるスマトラオランウータン【動物の相関図】を見てわかるとおり、血統のかたよりがおおきいことが問題となっています。

スーミーとイーバンが来るまでは、皆バラン(2012年没)の家族だったのです。近親交配となるため、日本のスマトラオランウータンの未来はまっくらでした。

日本中の期待をせおうなか、晴れて市川市動植物園で繁殖が成功。すこし未来があかるくなりました。

ウータンとウランに期待|のんほいパーク

スーミーの第1子ウータンは、現在あらたな命をさずかるべく、愛知県豊橋市・のんほいパークでウラン(バランの子)とペアリング中です。

来園時にはアンフランジだったウータン。徐々に自信をつけフランジオスへと成長しており、現在ではロングコールをおこなっています。

一方のウランは4歳のころ母親を亡くし、ヒトの手で育てられました。ウータンにくらべると社会性がひくいかもしれません。

ウランは見慣れないオランウータンに興味津々のあまり近づきすぎ、ウータンが拒否反応をしめしてしまいました。その後も同居はおこなわれていますが、交尾にはいたっていません。

あせらずゆっくり見守りつつ、ウランとうまくいくことを切に願っています。

かわらずスマトラオランウータンを見られるなくなる可能性は高いままですが。いつかスーミーとイーバンの孫が生まれる日が楽しみです。

絶滅の危機に瀕しているオランウータン。

動物園では繁殖をめざすとともに、ボルネオ島やスマトラ島の実情、なぜオランウータンが激減しているのか、わたしたちにできることはあるのか、など伝える役割があります。

最近では詳細な掲示板にくわえ講演会等がおこなわれ、日本におけるオランウータン保全の活動がふえています。

zoo zoo diaryではゾウはなぜ絶滅危惧種なの?象の今と未来のためにできることにて、東南アジアの現状とわたしたちにできることをつづっています。

今後もわたしたちとおなじヒトであるオランウータンが住みやすい自然がつづくよう、資源の節約につとめましょう!

以上、オランウータンに会える動物園でした。

【参考】

国際自然保護連合

日本動物園水族館協会