サイに会える動物園【シロ・クロ・インド】種類別一覧!最新ニュースまとめ
サイ「犀」といえば?大きな体と角をもつ草食動物。多くの方がイメージできると思います。
では、あなたがよく見るサイは「何」サイでしょうか?
いま世界には大きく5種類のサイがすんでいます。そのうち3種類のサイ「シロサイ」「クロサイ」「インドサイ」に日本で会うことができます。
今回のzoo zoo diaryはサイに会える動物園を種類ごとに紹介します。ワンクリックで会いたいサイがいる動物園を探すことができます。
また、赤ちゃん誕生や移動などサイにまつわるニュースをまとめてお届けします。
サイの生態と特徴は別記事に掲載しています↓
サイとは?
奇蹄目(ウマ目)サイ科。ひづめの数が3つの草食動物です。

現存するサイは大きく5種類。インドサイ属は2種(インドサイ、ジャワサイ)それ以外は独立した属に1種のみ確認されています。
すべてのサイがワシントン条約により規制されています。
- 奇蹄目 Perissodactyla
- サイ科 Rhinocerotidae
- シロサイ Ceratotherium simum
- クロサイ Diceros bicornis
- スマトラサイ Dicerorhinus sumatrensis
- インドサイ
- インドサイ Rhinoceros unicornis
- ジャワサイ Rhinoceros sondaicus
- サイ科 Rhinocerotidae
日本で会えないサイはスマトラサイとジャワサイ。
IUCNレッドリスト深刻な危機(CR)と評価されています。スマトラサイの生息数は80頭未満、ジャワサイは70頭未満と絶滅寸前です。
一方、日本で会えるクロサイとインドサイも絶滅危惧種です。
IUCNレッドリストを知りたい方は「絶滅危惧種の解説」をご覧ください↓
さいわい日本では北海道と沖縄をのぞく20カ所以上の動物園でサイに会うことができます。
本記事はサイの種類別動物園リストです。
サイの詳細を知りたい方は「クロサイとシロサイの違いは?天敵は?サイの疑問【生態と特徴】にお答え」をご覧ください。
シロサイに会える動物園
シロサイは2亜種キタシロサイとミナミシロサイがいます。
キタシロサイは世界に2頭だけ。ケニアの保護区で厳重に守られていますが、いつ絶滅してもおかしくありません。
動物園で会えるシロサイはすべて「ミナミシロサイ」IUCNレッドリスト準絶滅危惧(NT)に掲載されています。
ミナミシロサイはつねに密猟におびやかされ生息数は減少傾向。将来、絶滅のおそれがある種です。
2022年6月現在、12の施設で40~50頭のシロサイが飼育されています。
- 盛岡市動物公園
- 那須サファリパーク
- 群馬サファリパーク
- 東武動物公園
- 富士サファリパーク
- 日本平動物園
- 伊豆アニマルキングダム
- 豊橋総合動植物公園
- アドベンチャーワールド
- 姫路セントラルパーク
- 福岡市動物園
- アフリカンサファリ
- 平川動物公園
とくに、広大な敷地を有するサファリパークでは、複数頭のサイを展示しているので迫力満点です!

オスとメスが来園!東武動物公園
東武動物公園は1981年から飼育してたシロサイのヨシコを2020年3月に亡くし、展示が終了していました。ヨシコは推定43歳でした。
悲しみにくれるなかうれしいニュースが!
2021年6月、台湾の動物園よりメス1頭が来園しました。名前はエマ、2015年生。小さく可愛らしいシロサイです。
さらに同年10月には富士サファリパークよりオスのモラン(2010年生)がやってきました。
エマはCOVID-19の影響で、モランは輸送箱の破壊により、来園がおくれていました。2頭ともストレスを抱えながらも埼玉県にやってきてくれました。
2頭がうまく東武動物公園になじめるよう、あたたかく見守りましょう。
福岡にシロサイがかえってきた!
2019年12月、福岡市動物園に南アフリカ共和国から2017年生まれのサイ(オス1頭、メス1頭)が来園しました。
福岡市動物園は2016年に日本最高齢のオス「ロック」が亡くなって以来、待望のシロサイ飼育です。
オスはミライ、メスはミナミ。2頭はいっしょに展示されています。

ミナミシロサイの80%以上が生息する南アフリカ共和国。国を挙げて保護・繁殖活動を行っています。
南アフリカ共和国の施設で生まれたミナミシロサイは世界中の動物園へと送られています。よって日本にいるシロサイの多くも南アフリカ出身です。
シロサイがふえました!アドベン
2018年9月、和歌山県・アドベンチャーワールドに3頭のシロサイがくわわりました。南アフリカ共和国からやってきた2015年生まれの個体(オス1頭、メス2頭)です。
あわせてシロサイが7頭という大所帯です。
若年のため、もともといる4頭に比べるとわずかに小柄。しかし立派なシロサイです。あそびで角突きをするなどまだ幼さがのこっています。

シロサイ繁殖に期待!のんほいパーク
2018年9月、愛知県・豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」に南アフリカ共和国から1頭のメスが来園。名はソフィア、2016年生まれです。
のんほいパークは1992年からオスのトムとメスのタンディ(ともに推定1990年生)を飼育しています。
まだ小さくあどけないソフィア。無事、日本そしてトムとタンディになれてくれました。現在は3頭いっしょに展示できるほどに落ち着いています。
さらに2020年以降、トムとソフィアの交尾が数回確認されています。
当時ソフィアは性成熟しているものの、サイの平均初産年齢6歳には達していませんでした。2022年6月までに妊娠の報告はありません。
しかしながらトムに意欲があること、ソフィアがトムを受けいれることがわかりました。今後の2頭の関係から目がはなせません!
赤ちゃん誕生!富士サファリ 2019年
なかなかシロサイ誕生のニュースが届かないなか、2019年12月、待ちに待ったシロサイの赤ちゃんが富士サファリパークで誕生しました。
2020年7月より、一般公開されています。貴重なシロサイの赤ちゃんに会いに行きたいですね!
クロサイに会える動物園
クロサイは3亜種ヒガシクロサイ、ナンセイクロサイ、ナントウクロサイが現存しています。
類まれな保全活動によりクロサイは生息数が安定~増加傾向にあります。
しかしならが、ヒガシクロサイとナントウクロサイは現在もなお絶滅寸前を意味するIUCNレッドリスト深刻な危機(CR)と評価されています。
日本動物園水族館協会(JAZA)によると、とべ動物園と熊本市動植物園以外は「ヒガシクロサイ」と登録されています。
2022年6月現在、11の動物園で20頭以上のクロサイが飼育されています。
- 八木山動物公園
- かみね動物園
- 上野動物園
- 金沢動物園
- よこはま動物園ズーラシア
- 東山動植物園
- 天王寺動物園
- 安佐動物公園
- とべ動物園
- 熊本市動植物園
- 平川動物公園
初!クロサイ誕生|八木山動物公園
2019年2月、仙台市・八木山動物公園ではメス1頭が誕生。初めてのクロサイ繁殖に成功しました。
子はランと名付けられました。元気に走りまわる姿がとても可愛らしく、いつまでも見ていれる光景です。

期待のオス「フー」誕生|とべ動物園
2019年9月、愛媛県・とべ動物園で1頭のオスが生まれました。子はフーと名付けられました。
フーはよく食べ大きく成長中です。
2019年は貴重なクロサイ繁殖に2園が成功し、よろこばしい1年となりました。日本のクロサイはメスが多かっただけに、フーは未来の鍵をにぎる存在になるかもしれません。
めったに見れないクロサイの赤ちゃん、ぜひぜひ会いに行きましょう!
クロサイ界のトップ?!安佐動物公園
2018年9月、広島市安佐動物公園のハナがクロサイ世界最高齢・推定52歳でその生涯を終えました。
パートナーだったクロは2011年に亡くなりましたが、推定44歳と長生きでした。
しかし、この安佐動物公園は長寿だけがトップではありません。日本のクロサイ界の「祖」といえる存在です。
ハナとクロの間には10頭の子が誕生しました。
また、1999年ホノルル動物園からやってきたヘイルストーンとハナの娘サキにも子が誕生しています。
日本クロサイ界の半数がハナの子孫になるほど、繁殖に貢献しています。

安佐動物公園では、現在までに19頭のクロサイが誕生!八木山動物公園で母となったユキも、とべ動物園で父母となったストームとクーも安佐動物公園生まれです。
これは、ハナとクロの遺伝子もさることながら、サイの生態や生息地について学び実践した方々のおかげでもあります。
これからもクロサイ繁殖のリーダーとして動物園界を牽引していただきたいです。

クロサイとシロサイに会える!平川動物公園
鹿児島市・平川動物公園は日本で唯一クロサイとシロサイの2種を展示しています。
間違われがちな2種を実際に見て確認できる動物園です。
クロサイはせまい展示場でひっそりと暮らしています。一方のシロサイは広い敷地にマサイキリンやダチョウ等と混合展示されています。

インドサイに会える動物園
インドサイはインドとネパールの2か国にしか生息していません。
絶滅寸前でしたが、両国のきびしい規制の結果、その数をふやしています。2018年には生息数3500頭ほどと推定されました。
かつてはIUCNレッドリスト危機(EN)でしたが、2008年より危急(VU)にくりさげられました。
2022年6月現在、日本では4か所の動物園で8頭のインドサイに会うことができます。
- ター(1996年生)
- ゴポン(1999年生)
- ビクラム(2001年生)
- ナラヤニ(2001年生)
- ニルギリ(1991年生)
- セラ(2003年生)
- ブンタ(2009年生)
- チャンプ(2014年生)
横浜市・金沢動物園、名古屋市・東山動植物園ではクロサイとインドサイの2種を展示しています。
キンタロウが亡くなりました|金沢動物園
2022年6月、横浜市・金沢動物園のオスのキンタロウが亡くなりました。38歳でした。
金沢動物園はクロサイとインドサイの繁殖に成功した実績があります。インドサイの繁殖は国内で6例しかなく、そのうち3例が金沢動物園です。
最近では2017年クロサイのオス(誕生後まもなく死亡)、2014年インドサイのオス(チャンプ)が誕生しています。
2016年チャンプは山口県・秋吉台サファリに移動しました。広いサファリでゆったり過ごしています。

キンタロウのパートナーだったゴポン(1999年生)はさらなる繁殖をめざして、2020年12月から多摩動物公園で飼育されています。
一方、キンタロウのもとには2021年3月多摩動物公園からブリーディングローンによりナラヤニ(推定2001年生)がやって来ました。しかしながら繁殖へはいたらず。
キンタロウは国内最高齢インドサイでした。繁殖経験のあるオスだったこともあり、とてもかなしいです。
ゴポンに期待!多摩動物公園
東京都・多摩動物公園はオスのター(1996年生)とビクラム(推定2001年生)、そしてキンタロウと繁殖に成功したゴポンが暮らしています。
2021年にはゴポンの発情やビクラムがゴポンにマウントする様子が伝えられています。
あたらしい命が誕生することを祈っています。

サイは長年ヒトによる生息地破壊や密猟にくるしめられています。近年は多くの国や地域で保護・密猟抑止がおこなわれ、成果がではじめています。
しかしながらミナミシロサイはいまだに密猟被害が多く、減少傾向。クロサイやインドサイは5千頭ほどしかおらず、絶滅の危機に瀕しています。
さいわい日本の動物園は3種類のサイ「シロサイ」「クロサイ」「インドサイ」を飼育・展示しています。
ミナミシロサイは南アフリカ共和国との取引がおこなわれ、ある程度個体数は保たれています。
一方でクロサイの導入は16年ぶりだった2015年が最後。インドサイは20年以上導入されていません。
さらにインドサイは2014年以降繁殖例がなく残り8頭だけ。日本の動物園から姿を消す日がくるかもしれません。
いまサイたちに会えることに感謝し、サイたちが健康に過ごせるよう応援しましょう。

以上、サイに会える動物園でした。
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