キングチーターはどこで会える?チーターの生態と特徴

チーターとキングチーター|動物の豆知識

こんにちは。
地球上で最も足が速い哺乳動物として有名なチーター。知名度は高いものの、動物園で見かけることはあまり多くありません。

今回のおもな内容

チーターとは?

食肉目ネコ科チーター属。

遠いむかし、チーターは北アメリカから中国、ヨーロッパを経て、最終的にアフリカ大陸に移り住んだと考えられています。そのため、かつては世界中広く分布していました。

しかし、およそ100年の間に90%近く減少し、現在の生息数は1万頭未満だと言われています。

チーターの種類

チーターはアフリカにのみ生息していると思われがちですが、実は、アジアにも存在します。その名も、アジアチーター。

アジアチーターに加えて、アフリカに生息するチーターは4亜種いると考えられています。

※諸説あり、アジアチーターとアフリカチーターの2つにわける説もあります。

アフリカチーター

アフリカ大陸の、北西、北東、東、南と4つの地域に、4種のチーターが存在します。東アフリカに生息する個体が、最も巨大化すると言われています。

日本の動物園にいるチーターは、上記のいずれかに属します。

チーター アフリカンサファリ
日本で会えるチーターはアフリカチーター。

アジアチーター

かつては、アラビア半島からインドまで分布していました。しかし、現在アジアチーターの生息地はイランのみ、絶滅寸前の状態にあります。

アフリカチーターより、小柄で頭が小さく、色が薄い。また、首や腹の毛が長いとされています。

チーターの特徴

オスの方がメスより大きく、最大1.5メートル、体重70キロほどまで成長します。一般的には、30~40キロほどの個体が多く、細身で小顔な印象です。

黄色い体毛に黒い斑点。目頭から口にかけて黒い線が入っているのが特徴的です。

チーターとヒョウの違い

ヒョウは体長1.3メートルほどと、チーターと差はありません。一方、胴体が大きく、どっしりしています。また、斑点だけでなく、花のような模様が入っています。

並べてみると、その違いは簡単です。

秋吉台サファリ チーター
小顔で全体的に細い。目の下に黒い筋。斑点。
福岡市動物園 ヒョウ
チーターより顔が大きく太い。花のような斑紋。

チーターの群れ

オスは尿をまき、縄張りを保持します。メスは、オスの縄張り内を自由に移動します。

よって、行動範囲はメスの方が広い傾向にあります。メスは基本的に単独行動を好みます。子が成熟するまでは、母子で活動します。

一方、オスは、ライオンと同じように兄弟で群れを成すことがあります。オスの群れはコアリションと呼ばれ、縄張りを守るために有利となります。

チーターの性格

チーターは争いを好まず、臆病な性格です。

体が細く顎も小さなチーターは、ライオンやハイエナには敵いません。たとえ空腹であっても、敵の姿が見えると、獲物を置いて走り去っていきます。

チーターのマーキングに強い攻撃的な意味合いはなく、自分の居場所を知らせたり、相手を避けたりするためと考えられています。

当然、相手を排除するため、死闘を繰り広げることもあります。しかし、必ずしも闘争に至るとは限らないそうです。

チーターはペットにできる?

チーターは、おとなしく人になつくと言われています。おそらくビッグキャットの中では、かなり飼育が容易な類になります。

また、美しい容姿はお金持ちのステータスとして扱われ、ペット需要が高まりました。

しかし、個体数減少中のチーター。野生はおろか飼育下でも繁殖は困難です。そのため、チーターを買うことはほぼ不可能です。

そこで現れるのが、密猟業者。動物の最大の敵です。わたしも当然大嫌い。

チーターは高額で取引され、密猟や密輸が絶えない動物のひとつです。

セレブの方々には、犯罪に加担せず、保護に寄与していただきたいものです。

変わり者のチーター

チーターは大型ネコ科動物と言われていますが、それに当てはまらないような特徴があります。

チーターは吠えない?!

ライオンやトラは大きな声を出して、威嚇や主張を行います。

一方、チーターは吠えません。家ネコや鳥のような声を出すだけです。ボリュームも小さく、とても可愛らしい印象です。

チーターは夜行性じゃない!

ネコは基本的に夜行性。夜間でもわずかな光を取り込み、目視することができます。

その中でも、チーターは暗くなるとほとんど目が見えません。つまり、昼行性の動物なのです。

チーターは、明るくなりだした明け方や暗くなりだす夕方に狩りを行います。

顔にある黒い筋模様は、日光のまぶしさを軽減するためだろうと考えられています。日中に活動するチーター特有の進化です。

チーターはネコだけど夜行性じゃない。

チーターは木登りが下手?!

木登りが得意なヒョウと異なり、チーターはネコの中では最も木登りが苦手と言われています。

というより、木登りの必要性が少ないんだろうとわたしは思います。

スピードを追求したチーターは、木に登るより走り去った方が危険を回避できる可能性が高いでしょう。

実際に、野生では、木に登って辺りを見回す様子や木登りを楽しむ様子が確認されています。

チーターが速い理由

チーターの最高速度は、時速100キロ以上。言わずと知れた地上最速の哺乳類、チーター。

いったいなぜチーターは足が速いのでしょうか?

趾行性動物は足が速い

まず、第一にわたしたちとは歩き方が違います。

わたしたち霊長類やクマなどは、かかとを地面につけて歩く蹠行性(しょこうせい)の動物です。足の裏全体で支えるため、安定性は高いが、スピードは出ません。

一方、ネコやイヌなどは、つま先だけで歩く趾行性(しこうせい)の動物です。地面を蹴るよう走れるため、スピードが増します。

趾行性と蹠行性
京都市動物園 ジャガー
つま先だけ地面につける。安定性は劣るが、素早い。
福岡市動物園 ゴリラ
足裏全体を地面につける。安定するが、速くはない。

チーターの爪は収納出来ない

通常、ネコ科動物の爪は獲物を捕らえたり、木に登ったりする際に役立っています。一方、狩りの際には足音が邪魔になります。

そのため、ライオンやトラなどは爪を出したり引っ込めたりして臨機応変に生活しています。

秋吉台サファリ ライオン
休んでいるとき、ライオンの爪は収納されている。

ところが、チーターの爪は引っ込めることができません(赤ちゃんのときはできます)。

これは、爪の牽引力を利用するため。爪は地面に突き刺さり、走行時のはずみになります。

秋吉台サファリ チーター
チーターは常に爪が出ている。

チーターの狩りはスピード勝負。常に出ている爪のおかげで、すぐに走ることができます。

スピードのために進化した体

小顔で細身のチーター。走行時の空気抵抗を減らすことができます。

また、チーターの背骨はとても柔らかく、四肢を大きく前後に動かすことができます。つまり、チーターは歩幅が非常に広い!なんと7~8メートルと言われています。

さらに、走るときはこの動きがばねとなり、さらなる加速へとつながります。

チーターの心臓は超強い!

わたしたちは、運動したら脈拍や血圧が上がります。これは、心臓が動いている証拠。体を動かすために必要な酸素を、全身へ送り出しています。

無から動への切り替えが一瞬で行われるチーターは、早急な酸素供給を必要とします。そのため、チーターの心臓は非常にタフ。

瞬時に心拍数をあげることができますが、その分、負担は大きい。全力疾走したあとは、かなりの体力を消耗します。回復には、30分以上かかると考えられています。

また、酸素を取り入れる肺は大きく、酸素を運搬する動脈は太く強くなっています。

速さを追求した独特の進化により、一気にトップスピードまで加速することができるのです。

チーターのブレーキ

驚くべきは、チーターのスピードだけでなく、ブレーキ。

脚力自慢のチーター。前後の筋肉が異なり、スピードとパワーを同時に生み出すことができます。つまり、チーターは全速力からの急減速を可能にします。

そして、美しく長い尾がバランスや舵をとっています。また、チーターの肉球は硬く、ネコのようにぷにぷにの肉球ではありません。

チーターは強大な足の筋力や足裏の摩擦により、急な方向転換や減速など、他の動物にはできない行動ができるのです。

アフリカンサファリ チーター
チーターの肉球は硬い。

チーターの狩り

駿足を活かしたチーターの狩りは、基本単独で行われます。匂いではなく視覚でもって、獲物を探します。食糧難のときには、10キロ以上もの距離を歩きまわります。

ターゲットは、群れから逸れたインパラやトムソンガゼルなど。自分より小さい動物のことが多い。体勢を低くし獲物に忍び寄り、あっという間に捕らえることができます。

一方で、持久力のないチーター。全速力で追いかけられるのは、ほんの数百メートル。時間にすると、20秒ほど。相手も足が速いため、勝負は一瞬にして決まります。

サバンナにおけるチーターの地位は低い!

ビッグキャットではあるものの、自然界におけるチーターの地位は、非常に低いと考えられています。

チーターの顎や歯は小さく、ライオンやヒョウのように一撃で仕留めることはできません。ときには、相手の息の根を止めるのに20分以上かかります。

しかも全速力で走ったあとには、全く動けない時間があります。食事の前だとしても、酷使した体を休めなければなりません。

仕留めるときや休んでいる間に、ライオンやハイエナなどに獲物を横取りされることもしばしば。

しかし、追いかけることはしません。負けることが分かっているからです。ひとやすみして、また狩りに出かけます。

チーターの狩りの頻度は?

成獣は2~3日に1回、母親に至っては毎日狩りをして食事をします。細身ですが、他の大型ネコ科動物に勝る食事回数の多さです。

秋吉台サファリ チーター

ちなみに、ライオンやトラはエサがあるときに大量に食べ、1週間以上絶食することもあります。

果敢に狩りに挑むチーターは、その分、体力を消費しエネルギーを必要とします。ところが、失敗もしくは略奪されることも多いのが事実。

ハイエナやリカオンに比べると、効率が良いとは言えないかもしれません。

チーターの繁殖

野生では雌雄ともに単独行動のチーター。発情期のみ、メスとオスが会合します。

妊娠期間はおよそ3か月。この間も、メスは自分で狩りをし、栄養を蓄えます。

そして、300グラム前後の小さな子を複数頭出産します。体力を消耗した母親は、産後すぐ狩りに出かけます。

そのため、生まれたての子はいきなり放置されます。赤ちゃんだけの無防備な状態はしばらく続きます。この期間に亡くなる子も少なくありません。

子育ては母親のみ。子連れのチーターは毎日寝床を変え、隠れるように生活しています。

チーターの赤ちゃん

赤ちゃんチーターの特徴

チーターの赤ちゃんは頭から背中にかけて、ふさふさの毛が生えています。子どものうちだけ生えているふさ毛は、草むらや茂みに同化し、敵に見つかりづらくなる効果を持つそうです。

おとなは顔が小さくシュッとした雰囲気を持つチーター。しかし、赤ちゃんは顔も体も丸っこい。

チーターの成長は非常に早く、生後6週間ごろには母親とともに行動し肉を食べ始めます。1歳半ごろまで群れで活動し、母親から生きる術を学びます。

その後、ひとり立ちし、2歳前後で性成熟を迎えます。

赤ちゃんチーターの生存率はおよそ5%!

野生におけるチーターの赤ちゃんの生存率は非常に低く、5%程度と言われています。

チーターの狩りの成功率は50%近い。しかし、ターゲットが近くにいない乾季や他の肉食獣に略奪されたときなど、餓死してしまうことがあります。

また、ライオンの縄張り内では、ライオンに殺されてしまうこともあるそうです。その他、猛禽類やハイエナ、ヒヒなど、さまざまな動物に狙われます。

一方、遺伝子の多様化が進んでいない動物であり、免疫機能が劣っているという報告もあります。そのため、生後数か月の間に病気で亡くなる幼獣も多いと言われています。

チーターの寿命

飼育下ではライオンやトラと同等、15年ほど生きることもあります。

一方、子どもの生存率が異常に低いチーター。晴れて成獣になったとしても、野生での寿命は短く、5年ほどしか生きないと言われています。

生息地の破壊による食糧難や密猟などが、主な死因です。

動物園におけるチーターの繁殖

集団飼育されている動物園では、発情が起こりにくいと言われています。そのため、繁殖がむずかしい動物のひとつです。

知名度は高いものの、個体数が少なく絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で規制されているチーター。新しい個体を導入することは、容易ではありません。

国内の動物園では連携をとり、繁殖活動に力を入れているそうです。

努力の結果、2017年2月と6月に、多摩動物公園で3つ子と4つ子が誕生しました。今年3月には、姫路セントラルパークで双子が誕生しました。

このように動物園における繁殖が、チーター絶滅防止のカギとなっています。

チーターに会える動物園

現在、日本では13の施設でチーターに会うことができます。

  • 岩手サファリパーク
  • 群馬サファリパーク
  • 東武動物公園
  • 多摩動物公園
  • ズーラシア
  • 富士サファリパーク
  • 伊豆アニマルキングダム
  • アドベンチャーワールド
  • 姫路セントラルパーク
  • 安佐動物公園
  • 秋吉台サファリパーク
  • 九十九島動植物園
  • アフリカンサファリ

チーターがたくさん!多摩動物公園

多摩動物公園では7頭の赤ちゃんを含む、計15頭のチーターを飼育しています。ライオンもたくさんいますが、チーターもたくさんいるんです。

多摩動物公園 チーター

キングチーター

世の中には、キングと名の付くチーターがいます。

その由縁は、模様にあります。通常のチーターは、黄色の体毛に黒い斑点があるだけ。

一方、キングチーターは、背面に帯状の黒い模様が入っています。その違いは一目瞭然です。

キングチーター 秋吉台サファリ
斑点がつながり、背中は帯状の線になる。

手前の背を向けて横になっている個体が、キングチーターです。

太い黒い線があるので、すぐわかったと思います。正面から見ても、他のチーターより黒い範囲が多いため、判断は容易です。

キングチーターの正体

見た目がまったく違うチーターとキングチーター。

しかし、遺伝的には同じであることが判明しています。つまり、キングチーターは、クロヒョウなどと同様、劣性遺伝により誕生しました。

キングチーターの個体数は非常に少なく、世界的にとても珍しいチーターです。

キングチーター 秋吉台サファリ
キングチーターは全体的に黒い毛が多い。

ふつうのチーターも美しいですが、キングチーターは稀有な存在のため、より美しく感じます。

キングチーターに会える動物園

多摩動物公園では、現在までに4頭のキングチーターが誕生しています。自然界ではありえない確率です。

誕生した4頭のうち、1頭は山口県の秋吉台サファリに、もう1頭は和歌山県のアドベンチャーワールドに移動しました。

▼多摩動物公園
  • ナデシコ(7歳、メス)
  • イブキ(5歳、オス)
▼アドベンチャーワールド
  • アネモネ(5歳、メス)
▼姫路セントラルパーク
  • ラム(0歳、メス)
▼秋吉台サファリランド
  • ファング(5歳、オス)

そして、今年3月に姫路セントラルパークで誕生した双子のうち、メスのラムがキングチーターです。

チーターの赤ちゃんに会えるだけでも珍しいのに、キングチーターの赤ちゃんが見られるとは、本当に貴重なことです。

チーターの今後

美しい体毛にしなやかな体。類まれなスピードを持つ、地上最速の哺乳類チーター。

この素晴らしい動物も、絶滅の危機に瀕しています。

イランに生息するアジアチーターは残り50頭ほど、絶滅間近です。アフリカチーターにも、いつその日が来てもおかしくありません。

チーターの生息地では、密猟を防ぐ組織や保護施設が存在します。

施設では、保護や治療、繁殖などに取り組んでいます。最終的には野生に帰し、生息数増加を目標としています。

野生での生存率が低いチーターの絶滅を防ぐためには、ヒトが介入せざるを得ません。

野生動物が住みやすい自然が続くよう、節電やゴミ削減など、わたしたちにもできることがあります。たとえ微力だとしても、ひとりひとりの積み重ねが大きな成果を生むと思います。

これからも、チーターに会えることに感謝しながら、動物園巡りを続けたいと思います。

アフリカンサファリ チーター

以上、チーターの豆知識でした。

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