フォッサもオカピもコビトカバも!上野動物園で世界の珍しい動物を一覧しよう
パンダとゴリラだけじゃない!日本一珍獣が集まる動物園
東京都の上野動物園は、1882年に開園した日本初の動物園。
毎年500万人が訪れる上野動物園では、約300種もの動物が飼育されています。
日本一有名な上野動物園では、どんな動物に会えるのでしょうか?
今回は上野動物園で飼育されているたくさんの動物のなかから、おすすめ動物を紹介します。
zoo zoo diaryは世界三大珍獣やゴリラだけでなく、フォッサやキツネザルなどマダガスカルの動物に焦点を当てています!

上野動物園の営業案内
営業時間は9:30-17:00。入園料は600円。ちなみに、年間パスポートは2400円です。
月曜日が休園日なので要注意(祝日除く)。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、閉園もしくは入園制限を行っています。詳しくは上野動物園公式HPでご確認ください。
上野動物園の入園ゲート

上野動物園は大きく西園と東園に分かれています。2か所の出口と1か所の出入り口が設けられています。
- 池之端門 *退園のみ
- 西園側
- 最寄 東京メトロ根津駅
- 弁天門 *退園のみ
- 不忍池沿い
- 最寄 京成電鉄上野駅
- 正門
- 東園側
- 最寄 JR上野駅
2022年3月現在、池之端門と弁天門は退園専用となっています。
悲しいかな長らく上野動物園へは行けていません。展示場の様子が今と異なるかもしれませんが、ご容赦ください。
東園で会える動物たち
東園は上野動物園の顔ともいえるジャイアントパンダとゴリラの展示場があります。
トラやホッキョクグマ、ゾウなど人気度・知名度ともに高い動物が次々と現れてきます。
ジャイアントパンダ
正門から入るとすぐ右手。世界中で愛されている動物、ジャイアントパンダの展示場です。
- 食肉目クマ科 Ailuropoda melanoleuca
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- 生息 中国の山林 1800頭
- 体長 120~150cm
- 体高 75cm
- 体重 オス130kg メス100kg
室内展示場へつづく行列。さらに屋外展示場の周りにもヒトの波。お時間がある方は、列に並んでジャイアントパンダを近くで見てみましょう。
そんな時間はない、行列に並ぶのは嫌だ、という方もジャイアントパンダの観覧を諦めないでください!
屋外展示場内には、丸太で作られた台が設けられています。そこに置かれているのは、パンダの大好物、竹。開園直後は、朝ごはんタイムです。
ヒトの背丈より高い位置にパンダを惹きつけ、混雑時にも観察できるよう工夫されています。

上野動物園のジャイアントパンダ
上野動物園ではオスのリーリー(2005年生)とメスのシンシン(2005年生)、2017年に誕生したメスのシャンシャンを飼育しています。
2022年3月現在、東園パンダ舎ではシャンシャンに会うことができます。6月までに中国へ返還される予定です。
2020年9月には西園にパンダのもりがオープン。
リーリーとシンシンは新しい獣舎で生活しています。屋内に3つ、屋外に4つの部屋を設け、パンダが過ごしやすく育児をしやすい環境を整えています。
そして、2021年6月シンシンが双子の赤ちゃんを出産しました。シャオシャオとレイレイと名付けられ、元気に育っています。
西園パンダのもりではリーリーとシンシン親子に会えます。
詳しくは上野動物園のジャイアントパンダ情報サイトでご確認ください。
スマトラトラ
インドネシアに生息するスマトラトラ。
トラの中では、いちばん小さな種類です。トラ特有の黒い縞模様が多いといわれています。
- 食肉目ネコ科ヒョウ属 Panthera tigris ssp. sumatrae
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
- 生息 インドネシア・スマトラ島 400頭
- 体長 150cm
- 尾長 80cm
- 体高 80cm
- 体重 90kg
ベンガルトラもしくはアムールトラは日本中の動物園やサファリパークで会うことができます。一方でスマトラトラは全国7施設にしかいません。

インドライオンはいません
ところで、みなさんライオンはインドにもいるってご存知でしたか?
インドライオンは、文字通りインドに生息するライオン。現在350頭ほどしか確認されておらず、絶滅が危惧されている動物です。
以前は、上野動物園で飼育されていた2頭のインドライオン。ざんねんながら2019年に死亡し、展示が終了しました。
2021年現在、横浜市の野毛山動物園とズーラシアでしかインドライオンに会うことができません。

ニシゴリラ
日本の動物園で見れるゴリラは、およそ20人。すべて霊長目ヒト科ゴリラ属のニシローランドゴリラです。
その中の7人を飼育しているのが上野動物園。
- Gorilla gorilla ssp. gorilla
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
- 生息 コンゴ共和国、ガボン等の熱帯雨林 20万人
- 身長 オス170cm メス130cm
- 体重 オス140~200kg メス80kg

2017年10月にはオスのリキが誕生しています。詳しくは、リキの報告をご覧ください。
【追記】2021年12月モモコの妊娠が発表されました。出産予定日は6月です。
1996年にオープンしたゴリラの展示場。大きなガラスビューポイントが3か所あります。
ゴリラのすむ「森」というほど樹木は多くありませんが、凹凸のある大地に木や岩が配置されています。縄やホース、藁などを利用し、環境エンリッチメントを取り入れています。
死角が多いため、見る角度によって異なる風景やゴリラに会えます。壁にある小さな窓からのぞくのもお忘れなく。

ホッキョクグマ
地上最大の肉食獣ホッキョクグマの展示場。動物園では、その風貌からどこにいても人気者です。
- 食肉目クマ科クマ属 Ursus maritimus
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- 生息 北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部 2.6万頭
- 体長 200~250cm
- 体高 130cm
- 体重 オス400~600kg メス200~350kg
現在、上野動物園ではメスのデアと、オスのイコロが暮らしています。2頭とも2008年生まれ。
仲良く過ごしていますが、いまだ繁殖には至っていません。

アジアゾウ
上野動物園で飼育されているゾウは、アフリカゾウより小型のアジアゾウ。正門から真正面の位置に展示されています。
- 長鼻目ゾウ科 Elephas maximus
- IUCNレッドリスト 危機(EN)
- 生息 インド、タイ、スリランカ等の森林や草原 5万頭
- 体長 400~500cm ※鼻を含まない
- 鼻長 150~200cm
- 体高 250~300cm
- 体重 オス4000kg メス3000kg

2020年10月、メスのウタイ(1998年生)がアルン(オス)を出産しました。100年以上の歴史を持つ上野動物園で、初めての出来事です。
アルンは母親の愛情を受け、元気に育っています。
ざんねんながら、父親であるアティ(1996年生)はアルンの誕生前に死亡。つづく2021年3月もう1頭のおとなオス、ダヤー(推定1977年生)が亡くなりました。
現在は、ウタイ親子とスーリヤ(推定1994年生)が飼育されています。
オグロプレーリードッグ
北アメリカ大陸の草原地帯(プレーリー)に生息しています。一夫多妻制の群れで生活する動物。
動物園でも複数頭で展示されています。
- げっ歯目リス科 Cynomys ludovicianus
- IUCNレッドリスト 低懸念(LC)
- 生息 北アメリカ大陸中部の草原
- 体長 35cm
- 体重 1.5㎏
前肢を使い器用にお食事中のプレーリードッグ。ゾウに夢中で気づかない方も多く、じっくりプレーリードッグを見れる穴場ポイントです。

東園ではカワウソや猛禽、アザラシ、テナガザル、バイソンなども展示されています。
西園で会える動物たち
園内には、東園と西園を結ぶ日本最古で最短のモノレールがあります。片道150円。乗車時間は1分半ほど。
わたしが来園したときは、10メートルほどの行列。乗車まで少し時間がかかりそうです。
徒歩でも5分あれば西園に到着。元気がある人は歩いた方が早いでしょう。
西園に入ると見えてくるのは、有名な不忍池(しのばずのいけ)。
水面を覆うように蓮が生えています。7月~8月にはピンク色の大きな花を咲かせ、よりいっそう美しくなります。

マダガスカルに生息する動物やオカピ、コビトカバなど珍しい動物たちが展示されています。
ワオキツネザル
不忍池ではワオキツネザルたちがお出迎え。
白黒の輪模様が入った長いしっぽが特徴的なサルです。
- 霊長目キツネザル科 Lemur catta
- IUCNレッドリスト 危機(EN)
- 生息 マダガスカル島南部の樹林
- 体長 40cm
- 尾長 60cm
- 体重 3㎏
池の中と外の展示場に架けられた吊り橋を行き来しています。蓮とワオキツネザルという上野動物園ならではの風景。

ファンも多いようで、立派なカメラを持った方が何人もいました。
10:30ごろ、ワオキツネザルがぞろぞろと集結。エサの時間です。飼育員さんが島の中に入り、エサをばらまいたり手渡ししたり。
丸いお尻から伸びる白黒の立派な尾。なんともワオキツネザルらしい光景です。

クロシロエリマキキツネザル
不忍池を渡り切ると、黒と白にくっきり分かれた美しい体毛を持つクロシロエリマキキツネザルが登場。
キツネザルとしては大型。その名の通り立派なエリマキがあります。
- 霊長目キツネザル科 Varecia variegata
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
- 生息 マダガスカル島東部の熱帯雨林
- 体長 50cm
- 尾長 60cm
- 体重 3.5kg
クロシロエリマキキツネザルはガラスで囲まれたスペースに展示されています。
こちらもお食事中。果物を食べるときの表情に驚かされました。普段は可愛い顔してますので、ご安心を。

ハイイロジェントルキツネザル
30cmくらいの小さなキツネザル。
竹林に生息しているハイイロジェントルキツネザル。昼行性で、樹上生活を送っています。
- 霊長目キツネザル科 Hapalemur griseus
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- 生息 マダガスカル島東・西部の竹林
- 体長 25cm
- 尾長 35cm
- 体重 0.9kg
マダガスカルに竹が自生しているとを初めて知り、ジェントルキツネザルも初めて見ました。
英語ではBamboo Lemur(竹キツネザル)と呼ばれます。
ちょこちょこ笹を食べては、竹から竹へとジャンプ。リスのように忙しそうに食事する愛らしい動物です。

アイアイの森だけ!ジェントルキツネザルに会おう
日本でハイイロジェントルキツネザルを飼育しているのは上野動物園のみ。
野生でも動物園でも見ることが難しいキツネザルなので、どうぞお見逃しなく。
ちなみにハイイロジェントルキツネザルがいる建物は「アイアイの森」と名付けられています。
その名の通りメインはアイアイ。日本で唯一アイアイを展示している施設です。
アイアイは夜行性のため暗闇の中。写真は撮れません。目を慣らしてじっくり観察してみてください。
マダガスカル島の動物は全滅する?!
キツネザルはマダガスカル島にのみ生息する動物。つまり、キツネザルという名前がついたものはマダガスカルの動物です。
アイアイもマダガスカル固有のサルですが、キツネザル科でありません。アイアイ科に分類される唯一のサルです。
大昔にマダガスカルが独立した島になって以来、マダガスカル島の動物は独自の進化を遂げました。そのため、マダガスカル島には数多くの固有種が存在します。
しかし、人間活動(森林伐採や狩猟)により、多くのマダガスカルの動物が絶滅の危機に瀕しています。
現在確認されているキツネザルのうち95%以上の種に絶滅のおそれがあります。
キツネザルをはじめとするマダガスカル固有種が、野生から消える日はそう遠くないかもしれません。
フォッサ
キツネザルたちが暮らす展示場の近くには、マダガスカル島で最大の肉食獣フォッサが飼育されています。
- 食肉目マダガスカルマングース科 Cryptoprocta ferox
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- 生息 マダガスカル島中心部以外の森林 1万頭未満
- 体長 70cm
- 尾長 65cm
- 体重 8kg
食肉目に属するフォッサは、マダガスカルで食物連鎖の頂点に立っています。ネズミやは虫類だけでなくキツネザルも食べます。
マダガスカル島の森林に広く分布していますが、島の中心部では確認されていません。
フォッサは体長70cm前後と大型犬ほど。体長と同じくらいの長い尾を持ちます。大きな個体は全長2メートル、体重10㎏以上になります。
全身は茶色の短い毛で覆われ、地上でも樹上でも素早く活動できる筋肉質な体型です。
フォッサに会えるのは上野動物園だけ!
国内では上野動物園だけがフォッサを飼育しています。
2017年にメスのアンバーが推定11歳で死亡。現在はオスのベザ(推定2006年生)が1頭で暮らしています。
知名度の低さからか人気のないフォッサ展示場。フォッサ自身も石と化したかのようにまったく動きません。
樹上で機敏に動く姿を見てみたいという希望は叶わず。次は夕方に行ってみたいと思います。
貴重なフォッサ、みなさんもお見逃しなく。

オカピ
次は世界三大珍獣のひとつ、オカピです。
模様からシマウマの仲間と思われがちですが、キリンに近い動物です。
- 鯨偶蹄目キリン科オカピ属 Okapia johnstoni
- IUCNレッドリスト 危機(EN)
- 生息 コンゴ民主共和国の密林 3万頭
- 体長 200cm
- 体高 150cm
- 体重 オス220kg メス300kg
姿かたちはウマに似ていますし、大きな耳が異様です。初めて見てキリン科とわかる人は少ないでしょう。
しかし、毛に覆われた角や長い舌などキリンと同じ特徴を持っています。
お隣にはキリンがいますので、オカピとキリンの共通点探しが楽しめますよ。
発見されてまだ100年あまり。警戒心が強くキリン以上に研究が進んでいない不思議な生き物です。

2020年11月にオカピ繁殖計画のもと、かつて上野動物園にいたオスのバカーリがよこはま動物園ズーラシアへ移動しました。
現在は、バカーリの移動に伴い金沢動物園より来園したオスのトトが飼育されています。
オカピに会える3つの動物園
国内3か所の動物園で会うことができます。
- 上野動物園
- トト(2006年生)
- ズーラシア
- ホダーリ(2001年生)
- ララ(2014年生)
- バカーリ(2015年生)
- 金沢動物園
- キィァンガ(1996年生)
2019年よりオカピが毎年1頭亡くなり、2022年3月現在日本にいるオカピは5頭のみとなりました。
東京都と神奈川県にしかいないオカピ。ぜひともチェックしたい動物です。
ヒガシクロサイ
大きな体に2本の角を持つサイ。上野動物園はおちょぼ口が印象的なクロサイを飼育しています。
- 奇蹄目サイ科クロサイ属 Diceros bicornis ssp. michaeli
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
- 生息 タンザニア、ケニアの低木地帯 1000頭
- 体長 300cm
- 体高 150cm
- 体重 オス1300g メス1000kg
アルゴとマロ|上野動物園のクロサイ
現在、オスのマロ(2000年生)とメスのアルゴ(1995年生)が暮らしています。
マロもアルゴも角の形がとてもきれいなので、判別にはちょっとコツが必要。マロの角は2本とも太く、アルゴは鼻側の角が比較的細いです。
2009年上野動物園で初めてクロサイの繁殖に成功!メスのミミカが誕生しました。現在、ミミカは熊本市動植物園で飼育されています。

カバ
カバはアフリカ大陸サバンナの河川流域に生息しています。
大きなオスは体長4メートル、体重3ト以上。ゾウやシロサイに次ぐ大型草食動物です。
- 鯨偶蹄目カバ科 Hippopotamus amphibius
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- 生息 サハラ砂漠以南の湿地帯 12万頭
- 体長 300~400cm
- 体高 150cm
- 体重 オス2000kg メス1500kg
上野動物園のカバ
現在、オスのジロー(1983年生)とメスのユイ(2011年生)が暮らしています。
年齢差も体格差も大きな2頭。判別はとても簡単です。
ユイは小柄で、ぱっちりお目目。肌がきれいで若々しい女の子です。
一方、ジローは体が大きく、左の歯が外に出たユニークなお顔立ち。二重あごの立派なおじさまです。
扉から脚光を浴びて登場したジローさん。一目散にエサのもとへ向かって、モリモリ食べていました。
乾燥に弱い皮膚を持つカバは、水の中にいて姿を見せないことも多々。陸にあがっている食事の時間は、シャッターチャンスです。
【追記】2022年3月ジローが38歳でその生涯を終えました。ありがとうジローさん。

コビトカバ
ジャイアントパンダ、オカピとともに世界三大珍獣といわれています。
中~南アフリカの湿地にいるカバと異なり、コビトカバはリベリアやコートジボワール等西アフリカの森林に生息しています。
- 鯨偶蹄目カバ科 Choeropsis liberiensis
- IUCNレッドリスト 危機(EN)
- 生息 西アフリカの森林 2500頭
- 体長 160cm
- 体高 80cm
- 体重 200~250kg
見た目はほぼ同じです。ところが2トン近くに成長するカバに比べると異常に小さいため、かつてはカバの奇形だと思われていました。
実際には「コビト」というほど小さくはありません。体長は1.5メートル、体重は200kgくらいあります。
カバと見比べてみると、コビトカバはプリっ、ピカっという感じ。カバよりも陸上で生活することが多く、お昼寝も水の外でしていました。

コビトカバに会える動物園
日本では5か所の動物園で、コビトカバに会うことができます。
- 上野動物園
- 東山動植物園
- いしかわ動物園
- アドベンチャーワールド
- NIFREL
西園では、ハートマンヤマシマウマやカンガルー、ハシビロコウ、レッサーパンダなどが展示されています。
小獣館では、メガネザルやネズミの仲間が暮らしています。
世界三大珍獣を網羅し、珍獣が数多く展示されている見どころ満載の上野動物園。
ジャイアントパンダやゴリラ、ゾウ、トラ、ホッキョクグマ等人気も知名度もある動物はもちろん!
オカピやコビトカバ、マダガスカル島固有種(キツネザル、フォッサ、アイアイ)など貴重な動物に会えます。
すべての動物を見てまわるには、少なくとも半日はかかるでしょう。
とはいえアクセスが良いうえに入園料が安いので、ちょっとした時間に来園することができます。
一度と言わず、何度も足を運びたくなる、国内入園者数No.1の動物園です。
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