ジャイアントパンダ繁殖の壁とは?赤ちゃんパンダに会いに行こう

ジャイアントパンダの繁殖|動物の豆知識

世界三大珍獣として知られているジャイアントパンダ。

中国では国家一級重点保護野生動物に指定され、中国三大珍獣と称されています。

近年日本では、上野動物園・シャンシャンとアドベンチャーワールド・サイヒンが動物園ニュースの2大トップ。

ライオンやクマの誕生はさほどニュースにならないのに、なぜパンダの誕生はこれほどまでに注目されるのでしょうか?

可愛いから、だけではない大きな理由があります。

知られざるジャイアントパンダの繁殖を学び、赤ちゃんパンダに会いに行きましょう。

パンダの発情期

ジャイアントパンダの発情期は非常に短く、妊娠可能な期間は1年のうち数日のみ。

また、相手の好みにうるさく気に入らないオスに対して威嚇。近寄ることさえ許しません。

さらに、飼育下のオスパンダは繁殖能力が低いと報告されています。

当然パンダの数が少ない動物園では、自然交配による繁殖に成功する可能性は低くなります。

神戸市王子動物園 ジャイアントパンダ
パンダの発情期は短く、見極めが難しい。

ちなみに、これまでに上野動物園において自発的交尾により誕生、かつ元気に成長しているジャイアントパンダは、シャンシャンのみです。

偽妊娠

偽妊娠とは、実際には妊娠していないのに、妊娠中のように体や行動の変化が起きること。

ジャイアントパンダの偽妊娠は、とくに珍しいことではありません。

交尾のあとに起こる偽妊娠では、出産の時期になるまで真偽の判断は難しいと言われています。

リーリーとシンシン

上野動物園のシャンシャンは、オスのリーリー13歳とメスのシンシン13歳の間に生まれました。

2012年には2頭の第1子が誕生しています。しかし、生後6日で死亡が確認されました。翌2013年の交尾は偽妊娠という結果に終わりました。

シンシンの偽妊娠以来、リーリーとシンシンの間に交尾は確認されませんでした。 5年ぶりにめでたく妊娠・出産に成功したシンシン。

ところが、パンダの繁殖の困難は、妊娠と出産だけではありません。

赤ちゃんパンダの生存率

リーリーとシンシンの第1子のように、パンダの赤ちゃんは生後間もなく亡くなる例が多々あります。

200グラム以下の赤ちゃん

パンダの妊娠期間はおよそ5か月。体重100キロ以上のおとなに対して、ジャイアントパンダの赤ちゃんは200グラム以下。未熟児の状態で誕生します。

体の機能が完成しておらず、非常に不安定な状態で母親のおなかから出てきます。そのため、体温調節や排泄など母親の手助けが必ず必要となります。

育てるのは1子のみ

半分の確率で双子が生まれるジャイアントパンダ。

しかし、母親は1頭しか育てません。また、あまりに小さい物体をわが子と認識できない母パンダもいます。

そのため、赤ちゃんパンダは母パンダに育児放棄されたり、踏みつぶされたりして死亡することがあります。

野生において、ジャイアントパンダの子の生存率は60%程度。初産では、7割ほどが生後1週間以内に命を落とすと言われています。

つまり、ジャイアントパンダが無事に出産しても、個体数が大幅に増加する見込みは少ないのです。

ジャイアントパンダの保護と人工繁殖

生息数が1000頭ほどに落ち込んだジャイアントパンダ。危機的状況を打破するために、中国ではジャイアントパンダの保護活動が行われています。

2015年には、およそ1800頭の野生のパンダが確認されました。

保護されたパンダの中には、繁殖に成功する個体もいます。成都ジャイアントパンダ繁殖基地では、遺伝子管理が行われており、人工授精に成功しています。

また、育児技術の研究により、パンダの出産率だけでなく生存率にも、大きく貢献しています。

アドベンチャーワールドにおけるパンダの繁殖

たくさんのパンダが見れることで有名な和歌山県のアドベンチャーワールド。

これまでにジャイアントパンダが16頭誕生しています。中国を除けば、世界一の繁殖数です!

しかも、このうち15頭の父親はエイメイです。

エイメイ(永明)

新鮮な竹しか食べないという食へのこだわりが強いエイメイ。性格は穏やかで、メスの発情期にもやさしく接するそうです。

アドベンチャーワールド エイメイ 永明

そのため、メスの抵抗を受けることが少なく、自然交配に何度も成功しています。魅力的で繁殖能力が高い、文句なしのオス!

そんな理想のオスパンダ、エイメイは現在25歳です。野生での寿命が20年ほどのパンダ。エイメイはヒトで言うと70~80歳と、ご高齢です。

世界でも有数のパンダと言われるエイメイ。伝説のパンダにぜひ会いに行きましょう。

パンダの赤ちゃんに会える動物園

現在、日本には2頭の子パンダがいます。

シャンシャン(香香)

2017年6月12日東京都・上野動物園生まれ。メスの赤ちゃんパンダ。

上野動物園 パンダの赤ちゃん シャンシャン
2018年4月撮影

2018年12月に1歳半を迎えたシャンシャンは、母親リーリーとの別居が完了しています。現在、単独で展示されており、観覧列に並べば終日会うことができます。

ただ、ジャイアントパンダの観覧列は16時に締め切られます。混雑時には時間を早めるようなので、ご注意下さい。

サイヒン(彩浜)

2018年8月14日和歌山県・アドベンチャーワールド生まれ。メスの赤ちゃんパンダ。

アドベンチャーワールド サイヒン パンダ
2019年5月撮影

さきほど紹介したエイメイと 2番目の奥さんであるラウヒン(良浜) の9番目の子。

現在ブリーディングセンターで母親のラウヒン(良浜)とともに公開中です。 10:15~15:00までなので、ご注意ください。


ジャイアントパンダの繁殖がどれほど大変で、赤ちゃんパンダがどれほど貴重か、おわかりいただけたでしょうか?

2年連続ジャイアントパンダのおめでたい話題が続き感無量の日本。

いずれ中国に送られるシャンシャンとサイヒンに、ぜひ会いに行きましょう!

以上、ジャイアントパンダの繁殖のお話でした。


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