ホッキョクグマに会える動物園・水族館リスト【赤ちゃん誕生】ニュースまとめ
地上最大の肉食動物ですが、可愛らしいホッキョクグマは動物園や水族館で目玉となる動物です。
かつては70頭ほどいた日本のホッキョクグマ。現在は半減してるものの、18の施設で30頭以上のホッキョクグマが飼育されています。
今回のzoo zoo diaryはホッキョクグマに会える動物園・水族館の紹介。そして、赤ちゃん誕生や移動などホッキョクグマに関する動物園情報をまとめてお届けします。
ホッキョクグマの生態や特徴は別記事に掲載しています↓
ホッキョクグマとは?
食肉目クマ科クマ属。
地上最大の肉食動物といわれ、おおきなオスは体長2.5メートル、体重600kgほどに成長します。
さむさに耐えうる進化を遂げ、カナダやロシアなどの北極圏でライバルとは無縁の暮らしを送っています。
おもな獲物はアザラシ。一方で氷のない夏季には陸地に移動し、草などを食べる様子が確認されています。
氷の上で狩りをしたり、氷に乗って移動したり、海氷とともに生きているホッキョクグマ。
地球温暖化により氷がとけ、ホッキョクグマにとって住みづらい環境へと変わってきています。
【関連記事】ホッキョクグマの生態【過酷】野生ホッキョクグマの暮らしとは?
生息数は推定2~3万頭。IUCNレッドリスト危急(VU)。ワシントン条約附属書Ⅱに掲載されています。
ホッキョクグマに会える動物園と水族館
2022年6月現在、日本の18の施設で30頭以上のホッキョクグマが飼育されています。
- 円山動物園
- 旭山動物園
- おびひろ動物園
- 釧路市動物園
- 八木山動物公園
- 男鹿水族館GAO
- 上野動物園
- よこはま動物園ズーラシア
- 八景島シーパラダイス
- 日本平動物園
- 浜松市動物園
- 豊橋総合動植物公園
- アドベンチャーワールド
- 天王寺動物園
- 王子動物園
- とくしま動物園
- とべ動物園
- 熊本市動植物園
ホッキョクグマの繁殖可能年齢は、20歳前後と考えられています。希少なホッキョクグマがいなくならないよう、国内の施設は共同繁殖に力をいれています。
動物の交換やブリーディングローンによりホッキョクグマの移動は頻繁におこなわれています。
もうホッキョクグマはいません
長くホッキョクグマを飼育していた施設でも、ホッキョクグマの死亡や移動により展示が終了することがあります。
2020年には3か所の動物園でホッキョクグマ飼育がおわりました。
- 東山動植物園 … サスカッチの死亡
- 姫路市立動物園 … ユキとホクトの移動
- 平川動物公園 … カナの死亡
2020年5月、東山動植物園のサスカッチが亡くなりました。サスカッチは1990年にカナダで保護され、推定30歳と国内最高齢でした。
姫路市立動物園では2019年3月、メスのユキ(1999年生)が秋田県・男鹿水族館に移動。そして2020年6月、オスのホクト(2000年生)が旭山動物園に移動しました。
2020年10月、平川動物公園のカナが老衰のため亡くなりました。30歳と長生きでした。
東山動植物園や平川動物公園のように高齢となったホッキョクグマを単独飼育している施設では、いつ展示がおわってもおかしくありません。
王子動物園のミユキ|国内最高齢の美
2022年6月現在、国内最高齢ホッキョクグマは神戸市・王子動物園のミユキ(1990年生)。
2015年にアイス(当時24歳)が亡くなってから、ミユキはひとり暮らしとなっています。
とても若々しく美しいホッキョクグマです。

北海道のホッキョクグマ
北海道は日本動物園水族館協会(JAZA)に加盟しているすべての動物園にホッキョクグマがいます。
さむい地域だからこそ、ホッキョクグマ本来の行動を観察することができるでしょう。
- デナリ(1993年生)
- ララ(1994年生)
- リラ(2014年生)
- サツキ(1991年生)
- ルル(1994年生)
- ホクト(2000年生)
- ピリカ(2005年生)
- アイラ(2010年生)
- キロル(2008年生)
- ミルク(2012年生)
子だくさん!デナリとララ|円山動物園
札幌市円山動物園では2018年3月新たなホッキョクグマ館が誕生しました。
水中トンネルを含む国内最大級の展示場!繁殖を意識し、エンリッチメントに富んだ施設です。
円山動物園は1985年に最初のホッキョクグマ繁殖に成功しました。
そして1995年と1996年に、現在も飼育されているデナリとララが来園。
その後、2頭のペアリングが功を奏し繁殖例がふえました。ララは死産を繰り返しながらも、8頭の子を育てあげました。
- 2003年 ツヨシ(メス)
- 2005年 ピリカ(メス)
- 2008年 イコロ(オス) キロル(オス)
- 2010年 アイラ(メス)
- 2012年 ポロロ(メス) マルル(メス)
- 2014年 リラ(メス)
2020年5月現在、円山動物園にはデナリ、ララ、末っ子のリラが飼育されています。
第1子のツヨシ(2003年生)は2005年に釧路市に移動。その後、性別がオスではなくメスと判別されました。2016年からよこはま動物園ズーラシアで飼育されています。
イコロ(2008年生)は、2015年より上野動物園で飼育されています。同い年のデアとの繁殖に期待が高まっています。

2012年生まれの双子ポロロとマルルはそれぞれ、とくしま動物園と熊本市動植物園で飼育されています。どちらもペアリングは行われていません。
赤ちゃん誕生!ホッキョクグマ最新情報
絶滅のおそれがありワシントン条約により取引が規制されているホッキョクグマ。
動物園・水族館はなんとか今いるホッキョクグマたちに命をつないでもらうべく、共同繁殖に力をいれています。
近年、その成果が確実にあらわれています。
ホクトとピリカ|旭山動物園 2021年
2000年、ロシアの動物園で生まれたホクト。2002年に兵庫県・姫路市動物園にやってきました。
その後、セルビア出身のユキ(1999年生)とペアリング。ユキは2度ホクトの子を出産するも、ざんねんながら子は育ちませんでした。
そして2013年以降、2頭の交尾は確認されていません。
あたらしいパートナーを求めて移動しました
まだ、繁殖能力があると考えられるユキとホクト。どちらも経験がある貴重なホッキョクグマです。
それぞれの子孫を残すべく、ユキは2019年3月に秋田県・男鹿水族館へ。ホクトは2020年6月に旭川市・旭山動物園へ移動しました。
旭山動物園には、もともとオスのイワンと3頭のメスがいました。20歳以上となったサツキとルル、そしてララの次女・ピリカ(2005年生)です。
交尾には至るもののイワンと3頭のメスとの繁殖は失敗におわっています。
高齢となり今後の妊娠がむずかしいと思われるサツキとルルに比べ、ピリカは若く繁殖の可能性が十分にあります。
そこで、イワンを徳山動物園に送り、繁殖オスとしてホクトを迎えいれました。
ついに子孫をのこせました!
当初、ホクトとピリカの同居は手に汗握るものでした。公式YouTube「ペアリング日記」では強気なピリカに対するホクトの寛容さを感じることができます。
やさしいホクトの対応にピリカはようやく心をゆるし、2021年12月待望の赤ちゃんを出産しました。初産にもかかわらず、上手に子育てをしています。
2度もわが子を亡くしてしまったホクトにとって、はじめての子。やっとの思いで子孫をのこすことができました。
ホクトとピリカの子は2022年4月から一般公開されています。名前は「ゆめ」に決まりました。
ゴーゴ2児の父に!天王寺動物園 2014年・2020年
ゴーゴは2004年にロシアの動物園で生まれました。2006年、天王寺動物園にやって来たときは2歳にもなっていませんでした。
モモ誕生!バフィンの高齢出産
2011年、静岡県・浜松市動物園よりメスのバフィンが来園。バフィンはスウェーデンの動物園生まれ、当時20歳でした。
性成熟を迎えたばかりのゴーゴと年の離れたバフィン。
不安視する声も多いなか、2013年3月に初の交尾を確認しました。その際は、妊娠には至りませんでした。
翌2014年3月、再び繁殖行動が観察されました。そして11月、天王寺動物園で待望のホッキョクグマの赤ちゃんが誕生。
バフィンは23歳という高齢出産に成功しました。モモと名付けられた女の子は、バフィンの愛情を受けて元気に成長しました。
バフィンとモモは、2016年に浜松市動物園に帰って行きました。皆の期待を背負ってモモを生み育ててくれた、バフィンに感謝です。
一方、父親のゴーゴは2015年3月ブリーディングローンにより和歌山県・アドベンチャーワールドに移動。3年連続で交尾が観察されたものの、妊娠には至りませんでした。
2018年にゴーゴは天王寺に帰って来ました。
イッちゃん初産!ホウちゃん誕生
ゴーゴ初の繁殖相手となったバフィンは高齢のためさらなる繁殖は断念。
そこで、次のパートナーとなるべくイッちゃんが導入されました。
イッちゃんは2013年にロシアの動物園で誕生。ゴーゴがアドベンチャーワールドに行った直後に来日しました。
2020年2月から4月まで、ゴーゴとイッちゃんは初の同居生活を送りました。
ゴーゴは見事、交尾に成功!そして2020年11月めでたく赤ちゃんが誕生しました。
子はメス。ホウちゃんと名付けられました。イッちゃんは初産でしたが、無事にホウちゃんを育ています。
ずいぶんとおおきくなりましたが、まだまだ可愛らしいホウちゃん。ぜひ会いに行きたいですね。
ちなみに、ゴーゴとイッちゃんは豚まんで有名な「551HORAI」さまが天王寺動物園へ寄贈した個体です。
おかげさまで愛すべきモモとホウちゃんが生まれました。
大阪だけでなく日本、いや、世界中を幸せにしてくれています。ありがとうございます!
豪太とユキ|男鹿水族館GAO 2020年
豪太は2003年ロシアの動物園生まれ。2005年に男鹿水族館にやって来ました。
釧路市のミルクのおとうさんです
豪太のお嫁さんとして2011年には釧路市動物園からクルミが来園しました。
クルミは豪太を受け入れ、2012年メスのミルクを出産。ミルクは元気に育ち、2014年から釧路市動物園で暮らしています。
2018年1月、パートナーだったクルミ(当時21歳)が亡くなりました。
フブキ誕生!ユキはじめての子育て
繁殖成功例のある豪太の力に期待すべく、2019年姫路市動物園からユキがやって来ました。
ユキは1999年セルビアの動物園生まれ。2002年に来日しました。
パートナーだったホクトの子を妊娠・出産しましたが、ざんねんながら子はすべて産後すぐに亡くなっています。
姫路市動物園では6年間ほど交尾をおこなっていなかったユキ。
ところが、驚くことに飼育開始月から豪太と同居に成功。そして5月までに7回の交尾が観察されました。
環境の変化が吉と出たのか、豪太との相性が良かったのか、非常に喜ばしいニュースです。
2019年はユキの妊娠には至りませんでしたが、翌2020年にも同居・繁殖行動が行われています。
そしてついに2020年12月ユキは1頭の赤ちゃんを出産しました。つらい思いをしてきたユキですが、今回は無事に生育!
名前はフブキ、オスです。ユキの愛情をいっぱい受けながら元気に過ごしています。

期待!繁殖にとりくむホッキョクグマ
ツヨシはメスです|ズーラシア
2021年2月ゴーゴは繁殖のため、よこはま動物園ズーラシアへ移動。
円山動物園デナリとララの子、ツヨシ(2003年生)とのペアリングを期待しています。ツヨシは2016年にズーラシアに来園しました。
1999年にロシアから来日したシャンブイと仲が良く、交尾が確認されたこともあります。しかし、現在まで妊娠に至らず。
野生由来のシャンブイは推定1992年生まれと高齢に。ツヨシとの相性は良いものの、子孫を残せなかったことはとてもざんねんです。
2頭のメスを射止めたゴーゴ。ツヨシとうまくいきますように。
【追記】2022年7月、悪性腫瘍によりツヨシが亡くなりました。18歳でした。ツヨシの死亡により、ズーラシアのホッキョクグマはオス2頭となりました。
ロッシーとバニラ!日本平動物園
ロッシーは2007年ロシアの動物園生まれ。翌2008年、まだ赤ちゃんのうちに日本平動物園にやって来ました。
バニラは2009年タイの動物園生まれ。2011年にロッシーのお嫁さんとして来日しました。
2頭は2015年に繁殖に成功しました。
しかしながら、バニラが赤ちゃんを噛み殺してしまいました。
初産だったため、子を認識できなかったのでしょう。自然界ではそうめずらしい話ではありません。
その後もロッシーとバニラの繁殖に向けた同居が実施されています。
今のところ妊娠の報告はありませんが、まだまだ若い2頭に期待が高まります。
日本では30頭以上のホッキョクグマに会うことができます。うれしいことに赤ちゃんも誕生しています。
ところが、北極では地球温暖化により氷がとけホッキョクグマのすむ場所や獲物がすくなくなっています。
正確な個体数はわかりませんが、IUCNはホッキョクグマに絶滅のおそれがある危急(VU)と評価しています。
これからもホッキョクグマが生きていけるよう節電やゴミ削減につとめましょう!
以上、ホッキョクグマに会える動物園・水族館でした。
【参考】
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません