ゾウに会える動物園リスト【種類別】日本で6種類の象に会えます
皆さんゾウは全部で何種類いるかご存知でしょうか?
大きく3つ、細かくは6つのゾウが現存しています。
では、どこの動物園に何ゾウがいるか気になりますよね。
そこでzoo zoo diaryは「ゾウに会える動物園の種類別一覧」を作成しました!会いたいゾウがいる動物園をワンクリックで調べられます。
おすすめのゾウや赤ちゃん誕生、移動などゾウにまつわる動物園ニュースを随時更新していきます。
サバンナゾウに会える動物園【13か所】
アフリカゾウ属のサバンナゾウ。
アフリカ大陸のサバンナに生息しています。一般にアフリカゾウと呼ばれるゾウです。
2022年6月現在、12施設で約30頭が飼育されています。日本で暮らすサバンナゾウはほとんどメス。オスは3頭のみです。
東北~関東
- 大森山動物園
- 盛岡市動物公園
- 八木山動物公園▲
- 東武動物公園
- 多摩動物公園▲
- 市原ぞうの国
中部~九州
- 伊豆アニマルキングダム
- アドベンチャーワールド
- とべ動物園
- 安佐動物公園▲
- 秋吉台サファリ
- 熊本市動植物園
▲:オスを飼育している施設
繁殖に成功!とべ動物園
愛媛県のとべ動物園では、2006年にメスの「媛(ヒメ)」2009年にオスの「砥夢(トム)」2013年にはメスの「砥愛(トア)」が誕生しています。
父親は推定1987年生まれの「アフ」母親は推定1986年生まれの「リカ」です。
ざんねんながら2016年4月アフが亡くなり、繁殖の道は閉ざされました。
息子のトムは現在多摩動物公園で飼育されています。父親のアフのように、繁殖に成功することを祈ります。
サバンナゾウに会えなくなる?!
1980年代には80頭もいた日本のアフリカゾウ。
繁殖がうまくいかず、その数は減少しつづけています。近い将来、アフリカゾウを日本で見ることはできなくなるかもしれません。
そこで、全国の動物園ではアフリカゾウを繁殖させるべく連携をとっています。
東北3県の動物園は施設間でメスを交換しペアリングを試みています。
しかし、計画開始後、盛岡市動物園「たろう」が28歳で亡くなり、2021年3月には大森山動物園「だいすけ」が推定31歳で亡くなりました。
3頭だけ!オスのサバンナゾウ
先述の盛岡市動物園のたろう、大森山動物園のだいすけにくわえ、2020年には姫路セントラルパーク「ヒロ」が38歳で死亡しました。
現在、日本にいるオスのサバンナゾウは3頭のみ。
- 八木山動物公園 ベン(推定1989年生)
- 多摩動物公園 トム(2009年生)
- 安佐動物公園 タカ(1991年生)
繁殖可能なメスと暮らしているのは八木山動物公園のベンだけです。アフリカゾウをふやすのはとても困難となっています。
八木山動物公園のベン|2頭のメスと暮らしています
仙台市・八木山動物公園「ベン」推定1989年生まれ。
繁殖計画によりやってきた同い年の「花子」とペアリングを実施しましたが、繁殖へはいたらず。2022年4月、花子は秋田市・大森山動物園へ帰ることが決定しました。
ところが、花子と入れ替わりで大森山動物園に移動していた「リリー」が体調不良に。リリーが移動できないことから2頭の交代は延期となっています。
また、八木山動物公園は推定1966年生まれの「メアリー」も飼育しています。合計3頭のアフリカゾウに会える動物園です。
ベンは太く長い牙と大きな体をもつ立派なオスゾウ。
ざんねんながら左の牙は折れてなくなってしまったので、左から見ると牙がありませんが。なんと体重は約7トン!とても迫力があります。
多摩動物公園のトム|若ゾウのひとり暮らし
東京都・多摩動物公園は2021年から「砥夢(トム)」を飼育しています。2009年に愛媛県・とべ動物園で生まれた若いゾウです。
姉と妹がいるトムは交尾や他のゾウとの関わりを知っている貴重なオス。
ただ、多摩動物公園にいたメス「アコ」は高齢のため繁殖はなく、2022年3月推定57歳「日本最高齢のアフリカゾウ」として亡くなりました。
アコの死亡により2023年4月現在、トムは1頭で暮らしています。
ゾウの性成熟は10歳前後。15歳ごろになると群れをはなれ、オスとして行動するようになります。
トムが自信をもって繁殖できる日がやってくることを願います。
安佐動物公園のタカ|パートナー募集中
広島市・安佐動物公園「タカ」は1991年に兵庫県・姫路セントラルパークで生まれました。
2011年より広島で暮らしているメス「アイ」は多摩動物公園において2度(1998年と2002年)出産経験があります。
2頭は交尾も見られましたが、繁殖へはいたらず。
アイは2021年7月に推定39歳で急死しました。
そのため、現在タカに繁殖相手はいません。パートナーが見つかりますように。
【関連記事】日本のアフリカゾウ全22頭【動物の相関図】2022年7月
シンリンゾウに会える動物園【1か所】広島
アフリカゾウ属のシンリンゾウ。
特徴的な丸い耳から「マルミミゾウ」と呼ばれています。
サバンナゾウと同じアフリカ大陸に生息するゾウですが、名前のとおり森林に生息しています。
かつては広島市・安佐動物公園と山口県・秋吉台サファリで1頭ずつ飼育されていました。
2022年6月秋吉台サファリのオス「ダイ」の移動により、日本でシンリンゾウに会える動物園は安佐動物公園のみとなりました。
シンリンゾウ繁殖に挑戦!
シンリンゾウのメス「メイ」は1999年ごろ生まれ、2001年にブルキナファソの保護施設から来日しました。
当初はサバンナゾウ「タカ」の繁殖相手として扱われていましたが、2006年DNA解析によりシンリンゾウだと判明しました。
かわって山口県・秋吉台サファリランドには推定1999年生まれのシンリンゾウのオス「ダイ」がいました。
秋吉台サファリの飼育員さんとダイは名コンビ。芸を見せてくれたりさわらせてくれたり、とても貴重な体験をさせてくれました。
離れ離れだった2頭のシンリンゾウ。なんと2022年6月、ダイが山口県から広島県へ移動しました。
まだ20代と若いメイとダイの繁殖をめざしています。
安佐動物公園によると飼育下のシンリンゾウは世界に3頭だけ。そのうち2頭が日本にいるというのは奇跡です。
アフリカゾウ(サバンナゾウ)の飼育下繁殖はむずかしく、シンリンゾウにいたっては世界的にも例がないかもしれません。
今後の2頭に要注目です!
2種類のアフリカゾウに会えます
安佐動物公園は日本で唯一シンリンゾウに会えるだけでなく、2種のアフリカゾウに会える動物園です。
また、ゾウたちは柵越しにコミュニケーションがとれる放飼場にいます。
メイはサバンナゾウのタカと仲良し。じゃれあう姿を見ることができました。
雌雄のちがいはあれど、体の大きさや耳の形のちがいは歴然です。
今後はダイとの関係が深まると良いですね。
インドゾウに会える動物園【21か所】
日本動物園水族館協会によるとインドゾウと登録している施設はわずか6つ。
アジアゾウの多くはインドゾウをさすため、本記事ではアジアゾウと登録されているゾウもインドゾウとして掲載します。ご了承ください。
北海道~関東
- 円山動物園
- 岩手サファリパーク
- 那須サファリパーク
- 宇都宮動物園
- かみね動物園
- 上野動物園
- 金沢動物園*
- ズーラシア*
- 千葉市動物公園
- 市原ぞうの国
中部
- 遊亀公園付属動物園
- いしかわ動物園
- 茶臼山動物園
- 富士サファリパーク
- 日本平動物園
- 東山動植物園
- のんほいパーク*
関西~九州
- アドベンチャーワールド*
- 京都市動物園
- 王子動物園
- アフリカンサファリ
- 平川動物公園*
- フェニックス自然動物園
- 沖縄こどもの国*
*インドゾウと登録している施設
ビッグなマック!王子動物園
神戸市王子動物園の「マック」は体高3.5メートル、体重5トンと日本最大級のアジアゾウです。
1992年6月、スイスのキンダーガーデン動物園で誕生。1995年3月に神戸にやって来ました。
スイスでは「ボーイ」と呼ばれていましたが、王子動物園でマックと名付けられました。
1990年生まれの「ズゼ」との間に1頭の子「ユウキ(結希)が2014年に誕生しています。ユウキは市原ぞうの国で飼育中です。
アフリカゾウかと思うほど立派な牙。スタイルも頭もよく、世界に誇るイケメンゾウです!
初アジアゾウ誕生!上野動物園 2020年
ながい歴史をもつ上野動物園。
2020年10月、園初となるインドゾウの赤ちゃんが誕生しました。
母親は1998年生まれの「ウタイ」父親は1996年生まれの「アティ」です。2頭は2002年にタイから寄贈されました。
ざんねんながらアティは子が生まれる2か月前に23歳という若さで亡くなりました。
子はオス「アルン」と名付けられ元気に成長しています。
スリランカゾウに会える動物園【6か所】
現在、スリランカゾウを飼育している動物園は6か所のみ。全国で13頭しかいません。
- 多摩動物公園
- 千葉市動物公園
- 東山動植物園
- 岡崎市東公園動物園
- 徳山動物園
- 到津の森公園
赤ちゃん誕生!東山動植物園 2022年
2013年、名古屋市・東山動植物園で初となるアジアゾウの赤ちゃんが誕生しました。
子はメス「さくら」と名付けられ、元気に成長しています。
母親は2001年生まれの「アヌラ」父親は2004年生まれの「コサラ」です。2頭はスリランカの動物園で生まれ、2007年に名古屋市にやってきました。
そして2022年6月、9年ぶりとなる待望の第2子が生まれました。
子はメス「うらら」と名付けられ、母、姉とともに過ごしています。
【関連記事】13頭だけ!日本のスリランカゾウ「動物の相関図」
スマトラゾウに会える動物園【1か所】群馬
スマトラゾウは日本で唯一群馬サファリパークで会うことができます。
2014年6月、インドネシアからやって来た2009年生まれのオス「アスワタマ」と2006年生まれのメス「イダ」が飼育されています。
まだ幼い2頭、今後の繁殖に注目が集まります。
ボルネオゾウに会える動物園【1か所】広島
日本に1頭しかいないボルネオゾウのメス「ふくちゃん」は広島県・福山市立動物園で飼育されています。
孤児ゾウとして保護されたふくちゃん。2001年、推定3歳のときに福山市動物園へやってきました。前髪があるゾウとして多くの人に愛されています。
ところが、2015年から体調不良となり、2016年にふくちゃんは結核にかかっていることが発覚しました。
2018年投薬が終了しましたが、継続的な体調管理がおこなわれています。
ふくちゃんは10~15:30ごろ、日光浴のため展示場に登場します。
ふくちゃんがこれからものびのびと暮らしていけることを願います。
ゾウについてもっと知りたい方は「Elephant|ゾウの記事一覧」からお探しください。
ゾウの未来|絶滅を防げるか?
ゾウはIUCNレッドリストが絶滅を危惧している動物種です。
生息数減少の原因はわたしたち「ヒト」象牙を狙った密猟そして森林破壊です。
なくならない密猟
かつては印鑑やピアノの鍵盤等として取引されていた象牙。現在はワシントン条約により規制されています。
美しさだけでなく希少価値が高まった象牙を求めるヒトが絶えません。それゆえ密猟がなくならないのです。
決して安易に販売したり購入したりしないでください。
とまらない森林破壊
ゾウの生息地は草原や森林。とくに東南アジアでは、アブラヤシ農園やパルプ材用植林地をつくるために多くの森が壊されています。
アブラヤシは植物油脂(パーム油)に、パルプ材は紙になって、わたしたちの生活を支えています。
無駄に紙を使わない、古紙リサイクルをする、など日常的にできることを続けていきましょう。
パーム油については、近年、持続可能なパーム油生産を目指す団体等によるRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)認証が普及しています。
RSPO認証マークがついた商品をえらぶことで、環境を守りつつアブラヤシをつくる人々を支援することができます。
ゾウやオランウータン等の動物のために、植物油脂・パーム油の使い方を考えてみてください。
詳しくは「ゾウはなぜ絶滅危惧種なの?減少の理由と対策|動物のためにできること」をご覧ください。
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
幸運なことに日本では現存するゾウ6種類すべてに会うことができます。
絶滅が危惧されているゾウ。
いつ動物園からゾウがいなくなってもおかしくありません。現にいくつもの動物園でゾウ展示が終了しています。
ゾウに会えたことが、とても貴重な経験になるかもしれません。
いまいるゾウを大切に。そして野生ゾウのために資源を大切にしましょう。
以上、ゾウに会える動物園でした。
【参考】
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