すごいぞダチョウ!知れば知るほど面白いダチョウの生態と特徴

05/21/2022

読んだらダチョウが好きになる?!草食動物のような鳥

動物園でよく見かける動物ダチョウ。みなさんは注目して見たことがありますか?

ダチョウはただの大きな鳥ではありません!

世界一大きな鳥には知られざる特徴がいくつもあります。

今回のzoo zoo diaryは「ダチョウは羽を使うの?卵の大きさは?足の指は何本?」などダチョウの疑問を解決します。

後半はダチョウを飼育している動物園一覧を掲載中です。

見れば見るほど、知れば知るほど好きになる不思議な動物ダチョウに迫ります!

千葉市動物公園 ダチョウ

ダチョウとは?

ダチョウ目ダチョウ科。

飛べない鳥「平胸類」の代表格。飛ぶための筋肉をつける部分(竜骨突起)がないため、平たい胸と呼ばれます。

また、走る鳥「走鳥類」とも呼ばれています。

平胸類(走鳥類)
  • ダチョウ科
  • ヒクイドリ科
  • キーウィ科
  • レア科

現存する科のみ記載 諸説あり

アフリカ大陸のサバンナや草むらに広く分布しているダチョウ。乱獲等により生息数は減少しています。

ダチョウの形態

ダチョウは、2~300万年前から今日の姿を維持しています。

体長2メートル、体重100kgを超える最大の鳥類。オスの方が大きく育ちます。

  • 身長 オス230cm メス200cm *立位の高さ
  • 体重 オス120kg  メス100kg

長い首に小さな頭、足は細く、胴体は羽毛に覆われています。

ダチョウの種類

現在、野生には2種のダチョウが存在すると考えられています。

  • コモンダチョウ  Struthio camelus
  • ソマリアダチョウ Struthio molybdophanes

かつてソマリアダチョウはコモンダチョウの一亜種だと考えられていました。2014年より独立種であると公表されています。

飼育下では、アフリカンブラックという家畜用に改良されたダチョウが一般的です。

コモンダチョウ

一般に「ダチョウ」と呼ばれています。

コモンダチョウはサハラ砂漠以南~東アフリカ、そして南アフリカに広く分布しています。

  • IUCNレッドリスト 低懸念(LC)
  • 生息 サハラ砂漠以南~東アフリカ、南アフリカ
  • 特徴 首や肢が赤い

個体数は減少傾向であるものの、絶滅のおそれはないと考えられています。

コモンダチョウは首や肢が赤みがかっており、どちらの種も繁殖期には色みが強くなります。

日本動物園水族館協会(JAZA)によると、日本ではコモンダチョウとアフリカンブラックが飼育されています。

フェニックス自然動物園 ダチョウ

ソマリアダチョウ

ソマリアダチョウはエチオピア、ケニア、ソマリア、ジブチの限られた地域にのみ生息しています。

  • IUCNレッドリスト 危急(VU)
  • 生息 エチオピア、ケニア、ソマリア、ジブチ
  • 特徴 首や肢、目が青灰色

分布域が狭いことや減少傾向と予測されることから、絶滅のおそれが高いといわれています。

ソマリアダチョウはアオクビダチョウ【Blue-necked Ostrich】の別名があり、コモンダチョウに比べて青い首や肢が特徴的。

また、長い首の中ほどから羽毛が生えています。

ソマリアダチョウ

ダチョウの群れ

ダチョウは外敵に素早く気付けるよう、群れで生活しています。

ときには100羽もの大きな群れを成しますが、通常は10羽ほどの小さな群れです。

群れの中には上下関係があり、1羽のオスが支配しています。メスの中にも優劣があります。

繁殖期には単独オスの出入りが見られます。

オスとメスの違い

実はとっても簡単なダチョウのオスとメスの区別。キーポイントは、羽毛の色です。

オスは黒色、メスは茶や灰色。

また、大型でくちばしが赤く、より目立つ存在がオスです。

千葉市動物公園 ダチョウ
左:オス  右:メス

ダチョウの特徴

最も大きな飛べない鳥。

これだけでも立派な特徴ですが、ダチョウにはたくさんユニークな点があります。ひとつひとつ見ていきましょう!

  1. 飛べない羽
  2. 植物好き
  3. 大きな目
  4. 大きな卵
  5. 強いあし

羽|飛べない羽は何に使うの?

一般に鳥の羽を形成する毛(羽枝)はきれいに並んでいます。羽枝に生えた小羽枝がフックとなり、羽枝を固定しているからです。

固定された羽枝は面をつくり、揚力を与えてくれます。つまり、鳥の羽は空気抵抗をうまく利用して飛行を可能にしています。

鳥の羽1枚を観察すると、つるんとして形が整っていることがわかります。

ふわふわ+吸水性あり

ところが、ダチョウの羽は見るからに柔らかくふわふわしていますよね。

実はダチョウの羽枝は無造作に生えています。飛ばないダチョウに空気抵抗は必要ないからです。

さらに多くの鳥と異なる点は、ダチョウの羽毛はすぐに水を吸い込んでしまうこと。

空気のたまり場となる鉤状の小羽枝がないうえに分泌液(脂)が出ないため、防水性はありません。

八木山動物公園 ダチョウ
雨の日のダチョウ

飾りじゃない!ダチョウの羽の役割

さて飛ぶことができないダチョウの羽は、ただ生えているだけで何の役目もないのでしょうか?

いえ、もちろん必要だからあります。

バランスをとるため

ダチョウは走るときに羽を使います。方向転換の際にバランスをとる役割を担っています。

羽を動かすことで縦横無尽に駆け回ることができ、肉食動物やハンター等の脅威から逃れています。

求愛【ディスプレイ】のため

しかし、羽を最も必要とするのは繁殖期。

ダチョウは羽を広げたり高く上げたりして、威嚇や求愛などを表現します。反対に羽を下げるときは服従の合図です。

羽を大きく動かし首をひねるオスダチョウの求愛行動は、メスダチョウだけでなく多くのヒトを魅了しています↓

食べ物|鳥なのに草食動物?!

ダチョウは「鳥なのに飛べない」だけでなく、「鳥なのに草を食べる」いわゆる草食動物です。

そのため、キリンやシマウマと混合展示している動物園をよく見かけます。

ダチョウは環境適応能力があり、草などがない場合は昆虫、ネズミやトカゲなど小さな動物を食べることが報告されています。

とはいえ、主食は植物の根や葉、種など。

飼育下では野菜や草、配合飼料などが与えられますが、基本的に何でも食します。近年は牧場など家畜(アフリカンブラック)としての需要が増えています。

飲み込んだ石で植物を消化

歯のない鳥類であるダチョウは、硬い植物をすりつぶすために石を飲み込みます。

ダチョウが飲み込む石(胃石)は、なんと1kg以上!

胃の筋肉を動かすことにより、胃石が食物を細かくします。消化しやすい状態となった食物は、腸へと進みます。

ダチョウは14メートルもの長い腸を有します。消化時間は30時間超え。植物から栄養や水分を十分に吸収するためです。

複雑な胃腸構造のおかげで、ダチョウは他の動物が消化できないようなものを消化できます。

また、水を飲まなくても植物から水分を得られます。

だからこそ、ダチョウは長い歴史を生き抜くことができたのですね。

平川動物公園 アフリカ園

目|大きさと視力の良さ

小さい顔に対して、くりくりとした大きな目。ダチョウは陸上動物の中で最も目が大きい動物です。

ダチョウの目は直径5cmほど、ヒトの約5倍の大きさです。実はダチョウの脳みそより目が重いといわれています。

また、ダチョウの目は大きいだけでなく視力も抜群!

正確に測定することは不可能でしょうが、世界一視力が良い動物に挙げられます。数km先までゆうに見渡すことができます。

また、聴覚も優れているダチョウ。広いサバンナで即座に危険を察知し回避しています。

長崎バイオパーク ダチョウ

卵|大きいけど小さい?!

ダチョウの卵の形は、わたしたちが普段目にする鶏の卵と同じ。

一方、大きさは20倍以上!殻の厚さ2mm、重さ1.5kg、直径15cmほどあります。

大きさとしては最大であるダチョウの卵。

ところが、体に対する卵の比は最も小さいといわれています。

ちなみに、味は鶏卵の方が濃く、美味しいそうです。

しかし、ダチョウの卵は他とはひと味違います。それは、医療分野での躍進です。

ダチョウの抗体研究

ダチョウの卵から抗体をつくる研究が、近年行われています。

抗体には体の中の異物を取り除く働きがあります。

ダチョウからつくられた抗体は、インフルエンザウイルスや花粉といった病原体をやっつけてくれるのです。しかも、従来の方法より安価で大量に生産できるという優れもの。

さらに、がんの発見・治療へ応用する研究も行われています。

大きなダチョウの大きな卵には、無限の可能性が秘められています。

長崎バイオパーク ダチョウ

ダチョウは食用、羽、皮革と非常に利用価値が高い動物。さらに、移動や娯楽のために乗用として扱われることもあります。

帽子の羽飾りやオーストリッチ革の製品はよく見かけます。ダチョウの肉を提供するお店は、国内にいくつもあります。

前述の抗体研究も相まって、ダチョウはわたしたちの生活に大きな恵みを与えています。

需要があるだけに、乱獲のため野生ダチョウの数は減少しています。

現在コモンダチョウは絶滅危惧されていませんが、個体数維持のため上手に付き合っていく必要があります。

あしと指|パワフル+俊足

まだまだ続くダチョウの特徴!忘れてはいけないのが、足の速さ!

ダチョウは細いイメージがありますが、体重は何kgあると思いますか?

おとなのダチョウの体重は約100kg。大きなオスは130kgもあります。

にもかかわらず、ダチョウは時速60kmで走れる強靭な下肢の持ち主です。歩幅は3~4メートルといわれています。

ダチョウのキックを受けると、人間はおろかライオンさえも吹き飛ばされます。

また、肉食動物と異なり体力があるため、1時間ほど全速力で走ることができます。

そのため、長い歴史のサバイバーとなっています。

平川動物公園 ダチョウ

ダチョウの指は2本だけ!

多くの方がダチョウの細くて長い足をイメージできるでしょう。では、指の数は?

ダチョウ好きなら、足の指まで知っておきましょう。

ダチョウの足指はたった2本しかありません!

合計4本の指で100kgの体を支えています。かつ、あのスピードを生み出すとは、驚くばかりです。

姫路セントラルパーク ダチョウ

一般的な鳥の足指は、木につかまったり獲物を捕らえたりするため、4本ずつあります。

アフリカのサバンナで草食動物のように生活するダチョウに、4本の指は必要なかったのでしょう。

ウマのように、指の数を減らし早く走ることを選択したのです。

ちなみに、2番目に大きな鳥類オーストラリア原産のエミューの足指は3本です。

動物園で見かけた際は、ぜひ見比べてみてください。

ダチョウの繁殖

ダチョウの繁殖期は夏ごろ。

オスはくちばしや下肢の赤みが増し、攻撃的になります。オス同士はメスを巡り争います。

晴れてメスと結ばれたオスは、産卵用の巣を掘ります。

ダチョウはオスだけでなくメスの間にも順位があり、第1位のメスが巣の中央に卵を産みつけます。その後、下位のメスが産卵します。

中央の卵は天敵であるワシの攻撃を避けることができ、子孫を残せる確率が高くなります。最終的に15個ほど卵が並べられます。

1つの巣に母親違いの卵が混在している状態。しかし、巣を守るのはオスと優位メスの2羽のみ。

日中はメス、夜間はオスと、交代で卵を温めます。卵は、およそ40日で孵化します。

アメリカ自然史博物館 ダチョウ

成長と寿命

生まれたての赤ちゃんは体重およそ1kg、体長は15cmほど。ヤマアラシのような荒い体毛で、アヒルよりも小柄です。

ちょこまか動きまわって、おうちで飼えそうだなと思ってしまうほど可愛いダチョウの赤ちゃん。

ダチョウは成長が速く、たった1年で100倍(約100kg)の大きさになります。

性成熟は3歳前後。

野生ダチョウの寿命は40年以上。野生では50年、飼育下では60年以上個体が確認されています。

長生きなダチョウは繁殖可能な期間も長く、メスは30年以上毎年数十個もの卵を産み続けます。

一方で、飼育下では環境のせいか野生より短い傾向にあります。異物を食べたり事故に遭ったりという悲しいニュースをしばしば見かけます。

動物園や牧場では物を落としたり取られたりしないよう、注意しましょう。

平川動物公園 ダチョウ

ダチョウに会える動物園

アフリカの動物ですが、多くの方が1度は見たことがあるのではないでしょうか?

ダチョウは全国30カ所以上の動物園で飼育されています。

北海道~関東
  • 円山動物園
  • 旭山動物園
  • 釧路市動物園
  • 岩手サファリパーク
  • 盛岡市動物園
  • 八木山動物園
  • 群馬サファリ
  • 東武動物公園
  • 多摩動物公園
  • 那須サファリ
  • 羽村市動物公園
  • 千葉市動物公園
  • 野毛山動物園
中部~関西
  • 伊豆アニマルキングダム
  • 日本平動物園
  • 浜松市動物園
  • 豊橋総合動植物公園
  • 東山動植物園
  • 豊田市鞍ヶ池公園
  • アドベンチャーワールド
  • 王子動物園
  • 姫路セントラルパーク
  • 姫路動物園
  • 池田動物園
中国~九州・沖縄
  • とべ動物園
  • 安佐動物公園
  • 福山動物園
  • 徳山動物園
  • 秋吉台サファリ
  • 久留米市鳥類センター
  • 長崎バイオパーク
  • 熊本市動植物園
  • フェニックス自然動物園
  • 平川動物公園
  • 沖縄こどもの国
  • ネオパークオキナワ

2022年2月福岡市動物園はオス(22歳)の死亡により、同年5月大阪市・天王寺動物園はメス2頭の移動により、ダチョウ展示を終了しました。

日本動物園水族館協会に加盟していない動物園でも、ダチョウは飼育されています。

近年はダチョウ飼育の人気により、エサやりなどふれあえる牧場等が増えています。

熊本県阿蘇市カドリー・ドミニオンではダチョウにふれあうことができます。

ふわふわのダチョウの羽毛は癒されること間違いなしです。

阿蘇カドリー・ドミニオン ダチョウ ふれあい

誰もが知る世界一大きな飛べない鳥、ダチョウ。

草食動物のようにアフリカの草原を走りまわり、何百万年という長い歴史を生きている動物です。

飛ぶ鳥とは異なる羽や指のつくり。優れた目と耳など。世界一大きな飛べない鳥には、たくさんの特徴があります。

全体を見ることも大切ですが、ぜひじっくり細部まで観察してみてください。

以上、ダチョウの豆知識でした。

【参考】

国際自然保護連合

日本動物園水族館協会

Animal Facts

Posted by zoo zoo diary