ナマケモノの特技とは?不思議な動物ナマケモノの生活

ナマケモノの種類、生態と特徴|動物の豆知識

ゆっくりした動きと垂れ下がった表情が印象的なナマケモノ。その不思議な見た目が癒し度抜群の動物です。

さて、ナマケモノはいつも寝てばかりで本当にナマケモノなのでしょうか?

動物園ではなかなか見れない、ナマケモノの豆知識をお届けします。

ナマケモノとは?

哺乳類の中の、有毛目に分類されるナマケモノ。中央~南アメリカの熱帯林に生息しています。

種類

現在、2科存在しています。

前足の指が2本のフタユビナマケモノ科と、前足の指が3本のミユビナマケモノ科。ちなみに、後ろ足の指はどちらも3本です。

フタユビナマケモノ科
フタユビナマケモノ
ホフマンナマケモノ
ミユビナマケモノ科
ノドチャミユビナマケモノ
ノドジロミユビナマケモノ
タテガミナマケモノ

ナマケモノの生態

ジャングルに生息するナマケモノ。想像通り、ほぼ一日中、木の枝にぶらさがっています。雌雄ともに単独で生活する動物です。

動かないナマケモノはエネルギー消費量が少ないため、食事量も少なくて済みます。1日数グラムの葉で生き続けています。

ナマケモノは哺乳類ですが、外気温に合わせて体温を変化させることができる変温動物。体温を変えることにより、さらなる体力温存を可能にします。

色彩感覚はありますが、視力が弱く耳も悪いナマケモノ。嗅覚は優れているため、鼻や手を使って採食していると考えられています。

消化と排泄

食物の消化にはエネルギーが必要となります。ナマケモノの食事は少量ですが、省エネ体質のため消化には時間がかかります。

排泄は週に1回程度、木から降りて用を足します。

わざわざ危険な地上でトイレをするには理由があります。

それは、便に集る虫のため。

ナマケモノと自然

ナマケモノのフンに、虫が卵を生みます。そして、成虫になるとナマケモノの毛に寄生。これが元となり、ナマケモノの体に苔が生えます。ナマケモノはその苔を食べ、また排便します。

つまり、虫が自分の近くで卵を生んでくれるように、ナマケモノは自分が住む木の根元にフンをするのです。

エサを探しに行くより、リスクが低いのかもしれません。

さらにジャングルに身を隠すためにも苔が必要になります。

擬態

動きの遅いナマケモノが捕食者から逃げ切るのは至難の業。発見されたら、たちまち狙われてしまいます。

そのため、ナマケモノは逃げるより見つからないことを選びました。

常に樹木にまぎれて生活しています。動物園でも丸くなって寝ていることが多く、まったく動きません。

平川動物園 ナマケモノ
丸くなって寝ていることが多い

苔が生えた個体は茶色に緑。まさに植物。木々が生い茂った森の中で見つけるのは、さぞ難しいでしょう。

繁殖

生涯のほとんどを木にぶらさがって過ごすナマケモノ。交尾はもちろん、出産もぶらさがったまま行います。

ナマケモノの親子 千葉市動物公園
生後約1か月間、母親のおなかの上で生活する

ナマケモノの性成熟は2~5歳。

繁殖期のメスは、準備ができたことを知らせるように声を出します。それを聞きつけたオスが、メスの元へやって来ます。

ミユビナマケモノは6か月、フタユビナマケモノは1年の妊娠期間を経て、通常1頭の子を出産します。

生まれたての赤ちゃんは自分で母親の毛をつかみ、乳首までたどり着かなければなりません。

その後1か月ほどは、お母さんのおなかに乗って生活します。

生後半年、長いものでは2歳ごろまで、母と子はともに過ごすと言われています。

寿命

野生におけるナマケモノの寿命は20年。飼育下では40年以上生きたという報告もあります。

一方、成熟する前に亡くなるナマケモノも多いことがわかっています。

ナマケモノの天敵は?

ナマケモノの天敵は、地上にいるジャガーやピューマなどの肉食獣。

高い木の上にいるときは、安心。かと思いきや、空からは猛禽類に狙われます。樹上生活者のナマケモノにとっては、肉食獣より猛禽類の方が恐ろしい存在。

また、ナマケモノは食料やペット販売のために捕獲されています。

さらに、生息地を訪れた観光客がさわったり捕まえたりしたことが原因で、亡くなる例もあります。

ナマケモノの形態

ナマケモノは体長70センチ前後に対して、体重10キロ以下。筋肉量が少ない動物です。

全体は淡い茶色の毛に覆われており、生息地の保護色となっています。

みなさん、ナマケモノが立派な爪を持っていることはご存知でしたか?

長さはおよそ10センチ。鋭く強烈に見えます。しかし、おもな役割は武器ではありません。

通常、ナマケモノの長いカギ状の爪は、フックの役割を果たしています。筋肉が少ないナマケモノは爪を木に引っ掛けることで、力を使わずにぶら下がることができます。

戦闘力はゼロに近いナマケモノ。天敵に見つかっても、爪を使って攻撃することはほぼありません。

ナマケモノだって戦う!

一方で、繁殖期にはメスをめぐって、オス同士が争うことがあります。その際は、長い爪を武器として利用します。

もちろん、戦うときもナマケモノスタイルは崩しません。動作は変わらず遅いです。しかし、普段の動きからすると何倍も速く感じます。

体毛

ナマケモノの毛は、他の動物とは反対方向に生えています。おなかの真ん中に分け目があり、背中方向に向かって体毛が伸びていきます。

体毛は腹から背に向かって生える

重力でそう見えるのではありません。とても不思議です。

この理由は、木にぶらさがり背中を下に向けて生活することを考慮すると、納得できます。

特徴的な体毛の生え方により、雨水が体にとどまることなく流れ落ちていきます。その結果、雨期の嵐にも耐えられるのです。

ナマケモノの特技

何をするにも遅い印象のナマケモノ。実は特技があります。

それは、スイミングです。

水の中では、長い前足を器用に動かし、地上より3倍ほど速く進むことができます。とはいっても、時速300メートルほど。つまり、1分間におよそ5メートルしか進めません。

ナマケモノの生息するジャングルは、雨期になると森まで水があふれてきます。そのため、野生では泳ぐ必要があります。

川が氾濫する雨期はナマケモノの引っ越しシーズン。

今の住みかまで水があふれてきたら、わざと木から落ちます。そして、新しい住みかへと泳いで行きます。

地上を歩くより早く遠くまで移動できます。さらに捕食の危険性も少ないと考えられます。

ナマケモノに会える動物園

現在日本で飼育されているナマケモノは、すべてフタユビナマケモノです。

▼関東~中部
  • 那須どうぶつ王国
  • 埼玉県こども動物自然公園
  • 大島公園動物園
  • 千葉市動物公園
  • いしかわ動物園
  • 伊豆シャボテン動物公園
  • 日本平動物園
  • 東山動物園
▼関西~九州
  • アドベンチャーワールド
  • みさき公園
  • 神戸どうぶつ王国
  • 王子動物園
  • 秋吉台サファリ
  • ときわ動物園
  • 徳島動物園
  • のいち動物公園
  • 大牟田市動物園
  • 長崎バイオパーク
  • 平川動物公園
  • ネオパークオキナワ

2017年5月には千葉市動物公園で、9月には埼玉県こども動物自然公園で赤ちゃんが誕生しました。


なぜナマケモノがいつも寝ているのかわかりましたか?

動きまわるナマケモノはなかなか見れませんが、生態なのでやむを得ません。じっくり毛や爪を観察してみましょう。

以上、ナマケモノの豆知識でした。

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