カンガルーの赤ちゃんはどこから生まれる?カンガルー繁殖と成長

07/03/2019

動物園でよく見かける動物のひとつ、カンガルー。おなかの袋で子育てをすることは、多くの方がご存知でしょう。

では、カンガルーの赤ちゃんはどこから生まれてくるかわかりますか?

実はあまり知られていないカンガルーの繁殖。赤ちゃん誕生から寿命までカンガルーの一生に迫ります。

ひびき動物ワールド カンガルー

カンガルーの繁殖

カンガルーは基本的に年中繁殖できる動物です。

一方で、カンガルーの健康は天候や環境に左右されます。そのため、コンディションが悪いと繁殖能力が落ちると言われています。

繁殖の準備ができたオスカンガルーは、メスの群れを訪れます。

そして、尿の匂いをかぎ繁殖可能なメスを見極めます。メスに受け入れられたオスは、交尾をすることができます。

メスを巡るカンガルーの争い

ゆったりとした印象のカンガルーですが、繁殖期のオスは気性が荒くなります。

繁殖相手を探してメスの群れを訪れるオスカンガルーたち。ライバルを発見したら、つま先立ちをして胸を張り、自分の大きさをアピールします。

小さなオスはこの時点で負けを認めます。一方、同等のオス同士は接近戦となります。

鋭い爪で引っかいたり、太い後ろ足で蹴ったり、カンガルーは無言で激しいバトルを繰り広げます。

逃げる行為は、最もわかりやすい敗北の形。その他、げっぷのような声を出したり、横腹を掻いたりして、逆らわないという意思表示をします。

勝ったオスは繁殖の道へと進み、負けたオスは再び繁殖相手を探す旅に出ます。

カンガルーの出産

妊娠したカンガルーは、自分のおなかの袋を舐めて清潔にします。出産と子育ての準備です。

通常1か月の妊娠期間を経て、1頭の子を出産。

赤ちゃんカンガルーはおなかの袋(育児嚢)ではなく、その下にある穴(総排出腔)から生まれてきます。

総排出腔はその名の通り、全てを出す器官。排泄物はもちろん、生殖口も兼ねているため、赤ちゃんも出てきます。カモノハシなど原始的な哺乳類に見られます。

メスカンガルーは出産後まもなく交尾ができます。しかし、子どもが出袋するまでは、妊娠しないよう着床遅延が起こります。

※出袋:有袋類の子が育児嚢から出ること
※着床遅延:受精卵が胚となり一定期間経過後、条件が整ったときに着床すること

そのため、カンガルーの出産予知は難しいと言われています。

一般的に1度に1頭しか誕生しませんが、妊娠間隔が短いこともあり、カンガルーの生息数は減少していません。

IUCNレッドリストでは、今後絶滅の可能性が低いLCに分類されています。

カンガルーの成長

体長50センチ以下の小さなカンガルー。多くの方が「赤ちゃんカンガルー」と言っているのを耳にします。

しかし実際のところ、彼らは生まれて間もない赤ちゃんではありません。

生まれたてのカンガルーの赤ちゃんは、たった1~2センチ。妊娠期間が1か月という短さのため、超未熟児の状態で誕生します。

にもかかわらず、小さな赤ちゃんは生まれてすぐ自力で育児嚢まで登らなければなりません。

【You Tube】金沢動物園のオオカンガルーの出産映像はこちら

総排出腔からの道筋を母カンガルーが舐め、赤ちゃんカンガルーはその匂いを頼りに移動すると考えられています。その後、袋の中にある乳首に辿り着きます。

しかし、超未熟児のカンガルーは乳首を吸う力もありません。そこで、母親の乳首は子の口に含まれると膨らみ、子が離れないように固定すると同時にゆっくりとミルクを分泌します。

子カンガルーの顎や筋肉が成長したころに、子はやっと自らの意思でミルクを飲めるようになります。

赤ちゃんカンガルーは、2~3か月かけてやっと袋から顔を出します。袋から顔を出した日、もしくは飛び出てきた日を、カンガルーの誕生日とすることが一般的です。

出袋後、赤ちゃんはおよそ8か月間お乳を飲んで育ちます。育児嚢に出たり入ったりの生活を送ります。

母カンガルーの袋は、5キロ以上の子カンガルーも入ることができるそうです。

1歳を過ぎると子カンガルーは完全に母親から自立します。そして、2歳ごろに性成熟を迎えます。

ひびき動物ワールド カンガルー

カンガルーの寿命

カンガルーは種類が多いため、寿命にも差があります。

野生では、10年以下とも言われています。一方、飼育下ではおおよそ15年。なかには20年以上生きるカンガルーもいます。

国内ご長寿オオカンガルーを多数輩出しているのは、福岡県の大牟田市動物園。最近では、2015年にメスのグランマが22歳でその生涯を終えました。

よこはま動物園ズーラシアには、世界最高齢のセスジキノボリカンガルー、メスのワリが飼育されていました。2018年3月、ざんねんながら推定28歳で亡くなりました。

最近では、ペットとして飼育されることも増えてきたカンガルー。環境次第では、イヌやネコより長く一緒にいれるかもしれません。

バイオパーク カンガルー

動物園でよく見かけるのに、意外と知らないカンガルーの繁殖。

運が良ければ赤ちゃんカンガルー誕生の瞬間を見れるかもしれません。おなかの袋やその下にも注目して見ましょう。

以上、カンガルーの豆知識でした。