中国三大珍獣パンダとターキンとキンシコウの生態と特徴!会える動物園

03/29/2019

みなさん珍獣というと、何を思い浮かべますか?

ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバは、俗にいう世界三大珍獣です。

なかでも人気度・知名度ともに高い珍獣、ジャイアントパンダ。彼らの生息地である中国には、パンダ以外の珍獣もたくさんいます。

そこで、今回は中国で厳重に扱われている中国三大珍獣をご紹介します。

中国三大珍獣とは?

中国は、自国に生息する代表的な3種類の動物(ジャイアントパンダ、ゴールデンターキン、キンシコウ)を三大珍獣と呼んでいます。

中国では、国家一級重点保護野生動物として、絶滅の危機にある動物を指定しています。指定された動物たちは、野生生物保護法のもと守られています。

ジャイアントパンダ

ジャイアントパンダは、世界三大珍獣の中で、というより動物界において不動の人気を誇る存在です。

生息地破壊や狩猟により減少したジャイアントパンダ。

この稀有で愛らしい動物を守ろうと、現在までに40か所ほどジャイアントパンダ保護区が制定されています。また、飼育や繁殖などの研究活動も行われています。

中国政府の努力の甲斐があり、ジャイアントパンダの生息数は現在増加傾向にあります。

ジャイアントパンダの生態については別途掲載しますので、割愛させていただきます。

アドベンチャーワールド サイヒン パンダ

ジャイアントパンダに会える動物園

2021年4月現在、日本では3か所の動物園で計10頭のジャイアントパンダが飼育されています。

上野動物園

リーリー(2005年生) シンシン(2005年生) シャンシャン(メス、2017年生)

アドベンチャーワールド

永明(1992年生) 良浜(2000年生) 桜浜(2014年生) 桃浜(2014年生) 結浜(2016年生) 彩浜(2018年生) 楓浜(2020年生)

王子動物園

タンタン(1995年生)

上野動物園のシャンシャンは、2021年末までに中国に行く予定です。

王子動物園のタンタンは高齢となり、豊かな老後を送るために中国へ帰ることになりました。

しかし、COVID-19の影響下の中、帰還できない状態。さらに、心臓を患い、王子動物園で治療に励んでいます。無事、体調が回復することを願っています。

ゴールデンターキン

中国の限定された地域の岩山や谷に生息するゴールデンターキン。

もともとの生息数の少なさに加え、環境破壊や狩猟により絶滅の危機に瀕している動物です。IUCNレッドリストではVU(危急種)に指定されています。

アドベンチャーワールド ゴールデンターキン

ターキンとは?

ターキンは、ウシ目(偶蹄目)に属するヤギ亜科ターキン属。

4つの亜種(3つの説あり)が知られており、いずれもヒマラヤ山脈や高原など標高の高いところで確認されています。

今回取り上げるゴールデンターキンは、中国の秦嶺山脈に生息しています。

秦嶺山脈は自然豊かな山々、中国三大珍獣をはじめたくさんの動物たちが暮らしています。

ゴールデンターキンの形態

ターキンは非常に大きい動物。

とくにオスは大型で、体長は2メートル、体重は300キロ以上に成長します。お顔も大きく、幅広で特徴的な鼻を持っています。一方、体に対して四肢は短い傾向にあります。

スイギュウの角に似た形のターキンの角は、長さは60センチ以上。頭部の真ん中から両脇へと伸びる立派な角です。

寒さをしのぐため体毛は長いが、夏になると毛替わりします。ゴールデンターキンは名前の通り、金色のように明るい色のターキン。

しかし、個体差があり、茶色や黒色の個体もしばしば見かけます。

サンディエゴ動物園 ゴールデンターキン

ゴールデンターキンの生活

ゴールデンターキンは何を食べるの?

ターキンは早朝や夕方に活発。草や木などさまざまな植物を食します。

大きなターキンは、足が届く範囲であれば、高い樹木の葉や枝も食べます。ときには、力づくで木を倒して採食します。

草食動物は食事により塩分を摂取することができません。塩は、体液や腸内環境を維持するために欠かせない要素。

ターキンは移動を繰り返し、塩を摂取しています。

ゴールデンターキンの群れはフレキシブル!

ゴールデンターキンの群れは季節ごとに変化します。ターキンの群れは、母親や子、若いターキンから成ります。通常、成熟したオスは単独で行動します。

春になると300頭にものぼる大きな群れをつくり、4000メートル以上の高地へと移動します。このときに、塩分がつくられる場所で数日過ごすことが確認されています。

気温が下がり食料が乏しくなると、群れは20頭ほどの小さなグループに分裂します。そして、谷へと降りていきます。

季節ごとのターキンの移動は、必ず同じルートで行われます。

ゴールデンターキンの繁殖と寿命

7月ごろ、秦嶺山脈に雪が降り始める前にターキンの繁殖期は訪れます。

別々に暮らすターキンの雌雄にとって、ターキンの尿に含まれるフェロモンが繁殖相手を探す重要な鍵となります。

そのため、ターキンは自分の尿を体に付ける習性があります。単独行動していたオスは、匂いを頼りにメスに近づきます。

晴れて妊娠したメスは、春の出産に向けて草木が生い茂ったエリアを探します。一般的に1度に1頭の子を産みます。

ターキンの赤ちゃんは体重およそ5キロ、毛色は濃い茶色。山の中で保護色となります。

ゴールデンターキンの成長は早い!

生まれて3日と経たないうちに、母親の後をついてまわるようになります。移動距離が長いターキンにとって、すぐに歩けることは非常に大切です。

また、ヒョウやクマはターキンを捕食すると言われていますが、体の大きいターキンを狙うことは稀。多くは小さな子どもがターゲットとなります。

ターキンだけでなく多くの草食動物は、捕食を回避するためにも自力での歩行が必須となります。

生後2か月ごろには離乳し、半年ごろには角が生えだします。年齢とともに、体毛は明るく長く、そして毛深くなります。通常、母親が次の子を出産するまで、母子は行動を共にします。

ターキンの寿命は?

ターキンの性成熟は約3年。寿命は16年ほどですが、飼育下では20年生きると言われています。

ゴールデンターキンのコミュニケーション

普段は物静かなターキン。

時として音を出したり体勢を変えたり、独自のコミュニケーションを取ります。

ターキンは音を操る?!

何かを求めているときにはげっぷのような音、優位を示すときには威圧的な音を出します。また、危険を予知したときには大きな咳をして、群れの仲間に注意喚起します。

繁殖期を迎えたメスは高い音を出しオスに知らせ、オスはメスの声に返答します。オスがメスを巡って闘争する際には、怒鳴り声に似た大きな音を出し威嚇します。

また、ターキンの子は母親から離れると、母親を呼びます。母親はその不安げな音に応えるように低くかすれた声を出し、子を自分のもとへと導きます。

体勢でアピール!

ターキンは、体を動かして意思疎通を図ることもできます。

オスは直立し首と顎をあげて優位を示します。また、横向きになり自分の大きさをアピールすることもあります。頭を下げる姿勢は、攻撃性を意味します。

ゴールデンターキンと雪山

高山地帯に生息するターキンは、厳しい寒さをしのぐ術を持っています。もちろん、分厚い冬毛は凍えるような風を防いでくれます。

そして、愛らしい大きな鼻にも秘密があります。

サンディエゴ動物園 ゴールデンターキン

ターキンの大きな鼻は可愛いだけじゃない!

ターキンの鼻には大きな副鼻腔があります。鼻から吸った冷たい空気は、その空洞で温められたのち、肺の中へと入って行きます。

つまり、ターキンは鼻を大きく進化させ、呼吸による体温の消耗を制御することに成功しました。

ターキンは油をかく?!

また、ターキンは汗を分泌する汗腺がありません。

その代わりに、油分を含んだ物質を分泌します。油脂は水分をはじきます。簡単に言うと、ターキンはレインコートを着ているような状態。

そのため、ストームや霧の中でも濡れにくく、体温低下も防ぐことができます。さらには、夏の乾燥も和らげてくれます。

動物園では、ターキンがこすった壁や檻などに注目して見てください。付着したターキンの油性物質を発見できるでしょう。

窮地のターキンは素早い!

ターキンの短い足と大きく2つに割れた蹄は、岩山を動きまわるために有利です。

通常はゆっくりとした動きをするターキン。

ところが、危険が迫ったときには足場の悪い斜面をすばやく移動することができます。

ゴールデンターキンに会える動物園

日本では、現在3か所の動物園でゴールデンターキンに会うことができます。

  • 多摩動物公園
  • よこはま動物園ズーラシア
  • アドベンチャーワールド

全国で3か所と限られていますが、計20頭以上のゴールデンターキンが飼育されています。

2019年3月には、和歌山県アドベンチャーワールドでオス2頭が、そして7月には多摩動物公園でオス1頭が誕生しました!

よこはま動物園ズーラシアでは、2019年に続いて2020年12月にもゴールデンターキンの赤ちゃんが生まれています。

たくましい落ち着いた成体とは異なる、活発で小さなターキンを見れるチャンスです。

機会がある方は、ぜひ訪れてみてください。

アドベンチャーワールド ゴールデンターキン
アドベンチャーワールド(2019年5月撮影)

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キンシコウ

霊長目オナガザル科シシバナザル属。またの名を、ゴールデンモンキーと言います。

パンダやターキンと同じように、国によって保護されている貴重な動物です。IUCNレッドリストではEN(絶滅危惧種)に指定されています。

シセンシシバナザル

しずくのような形をした上向きの鼻が特徴的なシシバナザル。その鼻の形から、シシバナ(獅子鼻)と名付けられました。

現在、5種確認されていますが、茶や黒など一般的なサルと同じような体色を呈しています。

一方、シセンシシバナザルは明るい体毛を持ち、キンシコウと呼ばれています。

キンシコウの形態

メスは体長50センチ、体重10キロ程度。オスはメスの2倍ほど大型で、20キロ以上の個体も確認されています。

熊本市動植物園 キンシコウ

雌雄ともに体長と同じくらいの長さのしっぽを持っています。

キンシコウの毛は金色というよりオレンジ色に近い、濃く鮮やかな色。体毛と対照的な青みがかった白い顔が印象的です。

厳しい寒さを耐え抜くため、顔以外は長い毛に覆われています。

一般的に成熟したオスの体毛は、より明るく長め。さらに、オスは立派な犬歯と口の両脇に小さなイボを持っています。

キンシコウの生活

極寒の地に住むサル!

シシバナザルの中でも、ヒト以外の霊長目の中でも、最も寒いところに生息するキンシコウ。標高2000~4000メートルほどの地域で観察されています。

積雪の時期には、少し低いところへ移動して生活しています。高山の冬は厳しく、キンシコウは身を寄せ合って寒さをしのぎます。

昼行性で、おもに木の上で一日を過ごしていますが、地上に降りることも確認されています。

キンシコウは植物性の食べものを好みます。タンパク源として、昆虫や卵などを食すこともあります。

群れも異色!

キンシコウは1頭のオスと、メスや子から成る家族で生活しています。通常、いくつもの家族が共存し、100頭前後の大きな群れを成します。

中国の研究により、ひとつのエリアに複数の群れが生息していることがわかりました。群れ同士が対面したときには、互いに別の方角へと向かい争いを避けている様子が報告されています。

また、ゴールデンターキン同様、春になるとさらに多くの家族群が統合します。ときには、300頭以上の大群となり行動を共にします。これは、霊長目としては異例です。

さきほど述べたように、キンシコウは闘争を好みません。しかし、大きな声を出して威嚇する場合があります。

また、食料を発見したときにはキーキーと鳴きます。その他にも声によるコミュニケーションは幅広く観察されています。

キンシコウの繁殖

キンシコウは年中繁殖できますが、10月ごろにピークを迎えます。妊娠期間はおよそ200日。春から夏にかけて通常1頭の子を出産します。

子育ては母親が行いますが、しばしば母親以外のメスが手伝うことも確認されています。

赤ちゃんは黄金じゃない?!

生まれたばかりの子は500グラムほど。

毛色は灰色で目立ちにくくなっています。成長とともにおとなの色に近づいていきます。

生後3週間ほど経つと、キンシコウの子は群れの中を動きまわり始めます。3か月頃まで、母親とともに、仲間に見守られながら成長します。

キンシコウの性成熟は5歳以降。

成長したキンシコウは、親から群れを追い出されます。そして自立し、成熟した個体は新たな家族をつくります。

謎多きキンシコウ

高山に生息するキンシコウを観察するのは至難の業。そのため、野生のキンシコウのデータは乏しいのが実情です。

飼育下での寿命は比較的長く、20年を超えます。また、20歳ごろまでは、繁殖可能だと考えられています。

キンシコウの敵

地上での天敵は、ヒョウやオオカミなど。危険を感じるとすばやく木にのぼり、逃げることができます。

ところが、樹上では猛禽類によって捕食されることがあります。

成体の被捕食率は低く、狙われるのは未熟な子ども。

危険を察知したキンシコウは、群れ全体で若い個体を守る習性があります。子や母親の周りをオスたちが囲い、勇敢にも歯や腕を使い、敵の攻撃を防ぎます。非常に頼もしい存在です。

キンシコウに会える動物園

現在、日本でキンシコウを飼育している動物園は熊本市動植物園のみ。

2016年熊本地震災害を受け、復興工事のため一時は非公開となっていたキンシコウ。2018年12月、全面開園に伴い、キンシコウ展示が再開されました!

  • 父:パオパオ(29)*
  • 母:ヘンヘン(27)*
  • 長男:シンシン(21)*
  • 次男:フェイフェイ(1999年生)
  • 長女:ヨウヨウ(2004年生)

*死亡個体

1993年に中国の動物園協会と契約を結び、パオパオがやって来ました。その後ヘンヘンも来園。繁殖に成功し、6頭の子が生まれました。

日本でキンシコウに会えない期間が続いている中、悲しいニュースが飛び込んできました。2018年6月22日にシンシンが、27日にパオパオが亡くなりました。

さらに、2018年7月、ヘンヘンが死亡。死因は慢性胃腸炎。復旧工事に伴う環境の変化等が要因のひとつではと考えられています。災害はあらゆる方面に影響を残すのだと、改めて感じます。

中国国内でも丁重に扱われているキンシコウ。新たな個体を譲り受けるのは、前途多難。しかし、熊本市動植物園は繁殖を目指して、中国と交渉を行っているようです。

熊本市動植物園 キンシコウ

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中国三大珍獣の現在

国家一級野生生物として保護されている中国三大珍獣。彼らの最大の敵はわれわれヒトです。狩猟や生息地破壊により、その数は減少しました。

保護区や法律がつくられた今でも、密猟が行われています。また、人間活動による開拓や気候変動の影響で、森林破壊や食料不足は続いています。

これは中国三大珍獣だけの話ではなく、ほとんどすべての動物にってヒトが天敵となっています。

現在は多くのヒトが今までの過ちに気づき、保護や研究に尽力しています。


ジャイアントパンダだけでなく、ゴールデンターキンとキンシコウについて興味を持っていただけましたか?

今度動物園に行ったら、世界三大珍獣だけでなく中国の三大珍獣にも注目してみてください。

以上、中国三大珍獣のお話でした。

【参考】

http://animals.sandiegozoo.org/animals/takin

https://www.chinatravel.com/facts/golden-monkey.html