ジャガーとヒョウの違いは?知りたかったネコ科動物の特徴や見分け方

12/06/2020

大型ネコ科動物のヒョウとジャガー。

どちらもライオンやトラより小さく、黄色に黒い模様があるため、似た印象をお持ちの方も多いのでは?

そんな間違われやすい動物、ヒョウとジャガーを掘り下げていきます。違いや共通点を発見してみましょう!

ヒョウ

食肉目ネコ科ヒョウ属。

生息地による体格差があります。通常、大型のオスでも体重100キロ以下、体長1.5メートル以下です。

富士サファリパーク ヒョウ

ヒョウの生息地

ネコ科の中で最も広範囲に分布しているヒョウ。

南はアフリカ、北はロシアまで生息しており、地域に順応した9亜種が確認されています。

ヒョウの亜種:生息地
  • アフリカヒョウ:アフリカ大陸
  • ペルシャヒョウ:イランやアフガニスタン、トルクメニスタンなど
  • インドシナヒョウ:東南アジアや中国南部
  • ジャワヒョウ:インドネシアジャワ島
  • スリランカヒョウ:スリランカ
  • インドヒョウ:インド
  • アラビアヒョウ:アラビア半島(イスラエル、サウジアラビアなど)
  • キタシナヒョウ:中国北部
  • アムールヒョウ:中国東北部、ロシア沿岸地方

ヒョウの生息数は、人類増加に伴い減少し続けています。生息地破壊や密猟、獲物の減少などが原因です。

かつての生息地を追われ、ヒョウは局地的に絶滅し分散傾向にあります。

ヒョウのIUCNレッドリスト上の分類は、危急種(VU)。アムールヒョウ、スリランカヒョウなど近絶滅種(CR)や絶滅危惧種(EN)に位置付けられている亜種もいます。

ヒョウの特徴

木登りが上手

ヒョウはライオンやトラに比べて小さく、スマート。その分、俊敏に動きまわることができます。

なかでも、木登りが得意。木の上で休んだり、獲物を待ち伏せたりします。

また、ヒョウは体格の割に力があり、仕留めた動物を高い木の枝まで引き上げることができます。他の動物が登って来れないところに食料を隠す、ヒョウの習性です。

サンディエゴ動物園 ヒョウ

高い順応性

生息地の項目で触れたように、ヒョウは広い範囲に分布しています。 気温マイナス30度の極地から40度の熱帯、砂漠から市街地まで、さまざまな地域に順応しています。

最も北に生息するアムールヒョウは、冬に向けて薄い色の長い毛が生えます。しっぽも長く、その姿はユキヒョウに似ています。

毛の長さや体の大きさを変化させ生き残る術は、立派な特技と言えるでしょう。

一方で、森林伐採や開拓により生息地を追われたヒョウが、市街地に移り住み、家畜やヒトを襲う事件が増加しています。動物による被害なのか、ヒトによる被害なのか、考えさせられる問題です。

ヒョウに会える動物園

日本では15施設でヒョウに会えます。

アムールヒョウに会える動物園
  • 旭山動物園
  • 宇都宮動物園
  • 群馬サファリ
  • 東武動物公園
  • よこはま動物園ズーラシア
  • いしかわ動物園
  • 王子動物園
  • 安佐動物公園
  • 福山動物園
  • 大牟田市動物園
ヒョウに会える動物園
  • 富士サファリ
  • 浜松市動物園
  • とべ動物園
  • 福岡市動物園
  • 平川動物公園

浜松市動物園と平川動物公園では、クロヒョウが展示されています。

ヒョウの赤ちゃんに会える動物園

アムールヒョウ繁殖に成功!王子動物園

2015年、アムロ(2010年生)とポン(2008年生)の間にメスのセイラが誕生しました。王子動物園では、19年ぶりのアムールヒョウ繁殖でした。

そして、繁殖計画のもと、2018年に広島市安佐動物公園のアニュイ(2008年生)とアムロが交換。さらに、セイラとアニュイの繁殖を促すため、母ポンが大牟田市動物園へ転出しました。

計画は見事に成功し、2019年7月、アニュイとセイラの間に3頭の赤ちゃんが誕生しました。

しかし、セイラは育児ができず、3頭は人工哺育となりました。

3頭は、スク(メス)、ラム(メス)、トライ(オス)と名付けられ、元気に成長しました。その後、トライはよこはま動物園ズーラシアへ、ラムは福山市立動物園へ移動しました。

2021年4月現在、王子動物園ではアニュイ、セイラ、スクの3頭が飼育されています。

ヒョウ繁殖に成功!福岡市動物園

福岡市動物園のサン(2009年生)とルナ (2009年生)は、2011年に南アフリカから日本へやって来ました。めでたく2度繁殖に成功しています。

2015年にキララが誕生。自然哺育により元気に育ち、2016年に愛媛県・とべ動物園に移動しています。

そして、2017年にサナが誕生。サナもルナの愛情をいっぱいに受け、元気に成長しています。

2021年4月現在、福岡市動物園では父サン、母ルナ、次女サナに会うことができます。

福岡市動物園 ヒョウの親子
キララとルナ(2015年8月撮影)

ペルシャヒョウは日本にいません

イランやアフガニスタンなど中東に生息するペルシャヒョウの生息数は、1000頭前後と推定されています。

東山動植物園 ペルシャヒョウ シラツ

かつて日本の動物園で会うことができたペルシャヒョウ。新しい個体の入手が難しく、徐々にその数は減っていきました。

長生きしてくれた愛知県・東山動植物園のシラツ19歳(2015年没)や岩手サファリパークのグーフィ20歳(2019年没)は、わたしたちに貴重な存在を教えてくれました。

ペルシャヒョウのように、絶滅が危惧されている動物たちは動物園から姿を消していきます。

今ある命がいかに大切なものか、わたしたちの生活がいかに野生動物を苦しめているか。すべての人が考え、行動することが重要です。

ジャガー

食肉目ネコ科ヒョウ属。

サンディエゴ動物園 ジャガー

オスはメスよりも大型で、100キロを超える個体もいます。体長は1.5メートル前後と、ライオンやトラに次ぐ大きさと言われています。

ジャガーの生息地

大型ネコ科動物というと、ライオンやチーターのようにサバンナに住んでいる、と思われる方もいるかもしれません。

ところが、ジャガーはメキシコ以南、おもに南米の森林に生息しています。

ブラジルのパンタナル湿原には、1000種以上の動物が生息しています。その中で最大最強の地位に君臨しているのが、ジャガー。 南北アメリカで最大のネコ科動物です。

ヒョウとは異なり、亜種は確定されていません。

ジャガーは、約20年間で25%ほど減少したと考えられています。現在は、近危急種(NT)に定められています。

ジャガーの特徴

泳ぎが上手

熱帯雨林に生息するジャガーは、ネコ科なのに水を怖がりません。泳いで狩りをする様子も確認されています。川では、サカナやカメなどを捕食することがあります。

また、ヒョウと同じように木登りも上手です。

強靭な顎

体に対して頭部が大きく、噛む力が非常に強いジャガー。その顎は、ワニを噛み砕くほどの力を秘めています。

一撃必殺

ライオンをはじめとする捕食動物は、獲物の首に噛みつき息の根を止めます。 ハンターとして、急所を狙うのは当然です。

しかし、アマゾン最強の捕食者であるジャガーの武器は、強靭な顎と牙だけではありません。

前足の一撃、つまりネコパンチが、ターゲットに致命傷を与える攻撃なのです。「一突きで殺すもの」という現地人の言葉から、ジャガーと呼ばれるようになりました。

ジャガーに会える動物園

現在、ジャガーは10施設で展示されています。

  • 那須どうぶつ王国
  • 日本平動物園
  • 東山動植物園
  • 京都市動物園
  • 天王寺動物園
  • 王子動物園
  • とべ動物園
  • わんぱーくこうちアニマルランド
  • 平川動物公園
  • 沖縄こどもの国

日本平動物園、王子動物園、とべ動物園、平川動物公園ではクロジャガーを展示しています。

ジャガーの赤ちゃんに会える動物園

クロジャガーの双子!王子動物園

2013年、兵庫県・王子動物園で20年ぶりにジャガーが誕生しました。ボスキとミワは元気に成長し、現在は鹿児島県・平川動物園と愛媛県・とべ動物園で暮らしています。

2016年に母親であるローラが死亡して以来、1頭で飼育されていたアトス(2009年生)。ついに、2020年メスのネリア(2018年生)が南アフリカ共和国からやって来ました。

そして2021年8月、見事ジャガー繁殖に成功。2頭の子が生まれました。

母親ネリアの愛情を受けて元気に成長。オスはアステカ、メスはマヤと名付けられました。2022年1月現在、毎日9ー11時、ネリアと双子に会うことができます。

速報ジャガー誕生!日本平動物園

2019年3月、南アフリカ共和国から1頭のメス(2018年生)が来園しました。小梅と名付けられたそのジャガーは、クロジャガーです。

パートナーとなる卯月小助(2016年生)との相性が良く、繁殖が期待されていました。

2021年12月、ついに赤ちゃん誕生のニュースが飛び込んできました!11月26日、2頭の子を出産。小梅の授乳が確認されています。

クロジャガーとジャガーのペア。子は2頭ともメスで、父似と母似と1頭ずつ生まれました。今後の成長が楽しみです。

ジャガーとヒョウの見分け方

ジャガーとヒョウには、大きな違いが2点あります。それは、体格と柄です。

体の大きさ

2種には明らかな体格差があります。

ジャガーはライオンに匹敵する大きさ、かつ顔も大きいので迫力満点。胴体や足も太く、全体的に筋肉質な印象です。

一方、ヒョウは比較的小さく、細いイメージ。動きもしなやかで女性らしい雰囲気さえ感じます。

ヒョウ柄とジャガー柄

ヒョウはいわゆるヒョウ柄で、黄色の体毛に黒い花のような模様があります。

一方、ジャガーは花の中に黒点が付いています。

比べて見ると全く違うことに気づきます。

ヒョウとジャガー
左:ヒョウ   右:ジャガー

ちなみに、チーターは細身で小顔。模様はシンプルな黒い斑点です。

アフリカンサファリ チーター

比較してみると、住む場所も特技も異なるジャガーとヒョウ。もちろん外見にも大きな違いがありましたね。

学習してから動物観察すると、また違った面白みがあります。

ぜひ、動物園でジャガーとヒョウを見比べてみてください。