ゴリラは全部で4種類!ニシローランドゴリラとマウンテンゴリラの違い

06/09/2022

ゴリラといえば、わたしたちと同じヒト科に属する大きなサル(霊長類)です。

イケメンゴリラのシャバーニや2017年、2018年とつづいた赤ちゃん誕生などが話題を集めています。

では、皆さんが思いえがくゴリラはゴリラかご存知でしょうか?

実は大きく2種類、こまかくは4種類に分けられています。

しかし、わたしたちが実際に日本で目にするゴリラは1種類「ニシローランドゴリラ」のみ。マウンテンゴリラではありません。

今回のzoo zoo diaryはゴリラの種類に注目!ゴリラの種類とそのちがい、特徴などを紹介します。

動物園で会えるニシローランドゴリラと知名度の高いマウンテンゴリラを比較してみましょう!

ゴリラの生態を知りたい方は別記事をご覧ください↓

ゴリラとは?

霊長目ヒト科ゴリラ属。そのすべてが、アフリカ中部に生息しています。

ゴリラは雌雄の見た目が異なる「性的二形」の動物。

オスがあきらかに大型。身長180cm体重200kgほどに育つオスもいます。

一方、メスは身長150cmほど。体重100kgを超えることはありません

メスを見ても大きいと感じますが、おとなオスは圧倒的な存在感があります。

体毛は全体的に黒。一部、茶や灰色が混じるものもいます。

東山動植物園 ニシローランドゴリラ シャバーニ

ゴリラの種類|2種4亜種

ひとくちにゴリラといっても、アフリカには4種類のゴリラが住んでいます。

ウガンダやルワンダなど東側で見られるヒガシゴリラと、カメルーンやナイジェリアなど西側で見られるニシゴリラの2種に分類されます。

ヒガシゴリラとニシゴリラはさらに2亜種にわけられます。

  • 霊長目 Primates
    • ヒト科 Hominidae
      • ゴリラ属 Gorilla
        • ヒガシゴリラ Gorilla beringei
          • マウンテンゴリラ    G. b. beringei
          • グラウアーゴリラ G. b. graueri
        • ニシゴリラ Gorilla gorilla
          • クロスリバーゴリラ  G. g. diehli
          • ニシローランドゴリラ G. g. gorilla

ヒガシゴリラ、ニシゴリラともにIUCNレッドリスト深刻な危機(CR)と評価されています。

一方、2018年にヒガシゴリラの亜種であるマウンテンゴリラはCRから危機(EN)へと変更されました。保全活動の成果により生息数が1.5倍ほどにふえたためです。

IUCNレッドリスト詳しくは「絶滅危惧種の解説」をご覧ください。

国際間の取引はワシントン条約【CITES】により規制されています。すべてのゴリラは附属書Ⅰに掲載され、学術目的以外の輸出入は禁止されています。

ヒガシゴリラ

ヒガシゴリラはアフリカ大陸東部に生息するマウンテンゴリラとグラウアーゴリラを指します。

マウンテンゴリラ

ウガンダ、ルワンダ、コンゴ共和国の境界に位置するヴィルンガ山地およびウガンダのブウィンディ国立公園にのみ生息します。

近年、1000人を超えたと報告されました。多くの絶滅危惧種が減少しつづける昨今、唯一個体数が増加しているゴリラです。

2018年11月、IUCNはマウンテンゴリラ生息数増加をうけ、評価を深刻な危機(CR)から危機(EN)へと変更しました。

これは保全活動によりマウンテンゴリラは絶滅から一歩とおのいたということです。

グラウアーゴリラ

グラウアーゴリラはコンゴ民主共和国東部に生息しています。かつてはヒガシローランドゴリラと呼ばれていました。

ゴリラの最大種であり、200kgを超すものも確認されています。

20年の間にグラウアーゴリラは80%も減少し、生息数は4000人以下といわれていました。

近年は保全活動や調査がすすみ、6000人以上いる可能性が報告されています。

ニシゴリラ

ニシゴリラはアフリカ大陸西部に生息するニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラを指します。

クロスリバーゴリラ

カメルーン・ナイジェリア国境に位置するクロスリバー上流にのみ生息するクロスリバーゴリラ。

推定300人ほどしかいません。

森林破壊により生息域が分断され、遺伝子の脆弱化が危惧されています。

せまい範囲でパートナーを探すと相手が血縁者である可能性が高くなります。近親交配の結果、遺伝子のかたよりが生じ死産や短命な個体がふえるおそれがあります。

クロスリバーゴリラにおいては、ヒトに対して枝や石を投げるなど攻撃的な面が確認されています。ヒトとの間に苦い歴史があるのでしょう。

通常はヒトを避けて行動していることから、最もめずらしいゴリラであり研究も困難となっています。

ニシローランドゴリラ

アンゴラ、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボンの森林や低湿地帯に生息します。

最も個体数の多いゴリラで20万人前後と推定されています。そのうち60%がコンゴ共和国、およそ30%がガボンに住んでいます。

学名はGorilla Gorilla Gorilla。個体数とともにゴリラの代表的な存在です。

ニシローランドゴリラはゴリラの最小種。メスは体長130cm、体重80kgほどです。オスはメスの2倍ほど大きくなります。

一般的に動物園で飼育されているゴリラはニシローランドゴリラです。日本で見れるゴリラもすべてニシローランドゴリラ。

そのため、わたしたちにとっては、最も親しみのあるゴリラかもしれません。

飼育下ではエサの質や量、運動不足などが影響し、300kg近いニシローランドゴリラも確認されています。

王子動物園 ニシローランドゴリラ ヤマト
体重およそ270kgだった故ヤマト

エコツーリズムとは?

ところで、みなさんエコツーリズムって聞いたことありますか?

ゴリラの生息地であるコンゴ民主共和国やルワンダでは観光客を受けいれ、ゴリラの現状や環境について学ぶエコツーリズムが頻繁におこなわれています。

環境省によるとエコツーリズムとは「自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながることを目指す仕組み」と定義されています。

アフリカにおけるエコツーリズムは動物の現状、環境破壊や密猟のおそろしさなどを観光客に伝えます

そして、観光客はアフリカで学んだことを世界中に発信しています。さまざまな国の人々がさまざまな国の言葉でアフリカを知れる時代です。

上野動物園 ゴリラ ハオコ

さらに、エコツーリズムの効果は地元でも発揮されます。

一時的な食欲や収益をおぎなうためにゴリラを狩猟していた地域住民。エコツーリズム事業へ参加することでガイドやレンジャーとして安定した収入をえられます。

そのうえ、身近な動物がいかに大切な存在なのかを学ぶことができます。

結果として「密猟をしない・させない」生活を送れるようになります。

このように、エコツーリズムは世界中の人々および生息地の人々の動物・環境保全への関心をたかめてくれます

一方でCOVID-19のパンデミックにより観光客が激減。収入源をうしなった人々が密猟に手を染めはじめています。

一刻もはやく解決することを願います。

マウンテンゴリラとニシローランドゴリラの違い

ゴリラの中で知名度の高いマウンテンゴリラとニシローランドゴリラ。

皆さんその違いはご存知でしょうか?案外見わけられない方も多いかもしれません。

そこで、ここからはマウンテンゴリラとニシローランドゴリラに焦点をあて、違いや見わけ方を紹介します。

生息地|標高の違い

ゴリラはジャングルに生息していますが、それぞれ好む場所が異なります。

名前のとおりマウンテンゴリラは標高の高い山中で生活をしています。

一方、ローランドゴリラは低地の森林や湿地で暮らしています。

外見|顔の形と体毛

マウンテンゴリラはニシローランドゴリラに比べて鼻や顎が長く、腕が短いのがポイント。

毛の色はマウンテンゴリラの方が黒々しています。高地にいるため皮ふが厚く体毛もふさふさ。より大きく迫力を感じます。

一方、ニシローランドゴリラの頭部は茶色が目立ちます。体全体は、灰色が混じった明るめの黒い毛に覆われています。

千葉市動物公園 ゴリラ モンタ

マウンテンゴリラは動物園にいないため、わたし自身どれほどニシローランドゴリラと違うのかわかりません。

ただ、映像で見るかぎり顔も体つきも違うように見えます。いつかマウンテンゴリラに会いに行ったら、ご報告します。

【関連記事】ゴリラに会える動物園リスト【6か所】全部で20人!2022年5月

ゴリラの種類まとめ

霊長目ヒト科に属するゴリラ。

2022年6月現在、2種「ヒガシゴリラ」「ニシゴリラ」4亜種「マウンテンゴリラ」「グラウアーゴリラ」「クロスリバーゴリラ」「ニシローランドゴリラ」に分類されています。

ヒガシゴリラ
マウンテンゴリラ
  • 生息地 ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国
  • 生息数 1000人
  • 保全活動が盛ん
グラウアーゴリラ
  • 生息地 コンゴ民主共和国
  • 生息数 4000人
  • ゴリラの最大種
ニシゴリラ
クロスリバーゴリラ
  • 生息地 カメルーン、ナイジェリア
  • 生息数 300人
  • もっとも稀有
ニシローランドゴリラ
  • 生息地 コンゴ共和国、ガボン等
  • 生息数 20万人
  • 動物園のゴリラ

ずべてのゴリラは絶滅のおそれがあり、保全活動がおこなわれています。

とくにマウンテンゴリラは唯一生息数が増加しているゴリラ。IUCNレッドリスト危機(EN)にくりさげられました。

一方で絶滅危惧種であることに変わりはありません。

また、グラウアーゴリラ、クロスリバーゴリラ、ニシローランドゴリラは以前として深刻な危機(CR)の状態です。

紛争の多いアフリカ大陸では、ゴリラをはじめ多くの動物が紛争にまきこまれています。

戦火にあい住みかである自然が失われたり、肉をもとめる人々に狩猟されたり。人間活動によりゴリラの生息数は減少しました。

ひきつづき生息地保護や密猟防止がゴリラを絶滅からすくう鍵となっています。

わたしたちが動物園で会うゴリラがすべてではない、ということを知っていただけたでしょうか?

ざんねんながらすべてのゴリラは絶滅危惧種です。ゴリラのためにできることを考えてみましょう!

以上、ゴリラの種類でした。

【参考】

国際自然保護連合

野生生物保全協会