ピューマに会える動物園【日本に6か所14頭だけ】一覧とニュースまとめ
アメリカ大陸にすむネコのなかま「ピューマ」
ピューマといえば大型ネコ科動物だと分かる方は多いですが、実際に見たことがある方は少ないのではないでしょうか?
それもそのはず、ピューマは日本の動物園には14頭しかいません。
そこで、今回のzoo zoo diaryはピューマの生態と特徴とピューマに会える動物園を紹介します。
さぁ、ピューマの予習をして、動物園に会いに行きましょう!
ピューマの生態と特徴
食肉目ネコ科ピューマ属。
別名クーガー【Cougar】 マウンテンライオン【Mountain Lion】
おおきな体をもつネコ科動物ですが、ライオンやトラとは遠い関係。その起源は小さなネコであり、チーターに近いとわかっています。
- 食肉目 Carnivora
- ネコ科 Felidae
- ピューマ属 Puma
- ピューマ Puma concolor
- ピューマ属 Puma
- ネコ科 Felidae
- IUCNレッドリスト 低懸念(LC)
- ワシントン条約 附属書Ⅱ
- 生息 南北アメリカ大陸
- 体長 150~200cm
- 尾長 70cm
- 体高 60cm
- 体重 オス60kg メス40kg
北はカナダ西部、南はチリの南部まで北米アメリカ大陸に広く分布しています。
砂漠から熱帯雨林までさまざまな地域に順応し、繁栄している動物です。

ピューマは減少しています
現在、ピューマは絶滅の可能性はすくない動物(IUCNレッドリスト低懸念)と評価されています。
一方で生息地破壊および分断のため、ピューマの数は減少。地域によっては絶滅のおそれが高くなっています。
現に北アメリカ大陸西部(ロッキー山脈)以東のピューマはほぼ絶滅。唯一、フロリダ州に200頭ほどが残っています。
丸顔・丸目・長あしが特徴的
ピューマは小さなまるい頭とまるい目の可愛らしい顔立ち。
そして、筋肉質な体に長い尾とあし、そして大きな肉球が特徴的です。
体毛は灰~黄みをおびた茶色。幼いころはしま模様や斑点がありますが、成長とともになくなります。

ピューマの体格は地域差があります。
南米最強の肉食獣「ジャガー」がいる森にすむピューマは小さく、カナダやチリにすむピューマの半分の体重しかないと報告されています。
ピューマに会える動物園
2025年8月現在、日本でピューマを展示している動物園は6か所。計14頭のピューマが飼育されています。
- 盛岡市動物公園
- タフ(2018年生)
- ニーナ(2019年生)
- キャフ(2025年生)
- ツィー(2025年生)
- シェダル(2025年生)
- 日本平動物園
- アルタイル(2016年生)
- ベガ(2017年生)
- 神戸どうぶつ王国
- ブル(推定2016年生)
- ニコ(2019年生)
- とくしま動物園
- マーコ(2008年生)
- ロック(2013年生)
- とべ動物園
- ピュータ(2008年生)
- ラフ(2012年生)
- 福山市立動物園
- ビンカーン(2008年生)
盛岡市動物公園ピューマの赤ちゃん公開中!
2025年6月、岩手県・盛岡市動物公園でピューマの5つ子が誕生しました。
うち2頭はまもなく死亡しましたが、残る3頭が元気に生育し2025年8月より一般公開が始まっています。
母親は2019年静岡市・日本平動物園生まれの「ニーナ」父親は2018年愛媛県・とべ動物園生まれの「タフ」です。
おとなピューマにはない模様のある姿は超貴重!なんとしても今見たい光景です!
盛岡市動物公園は今後も期待!
盛岡市は動物園の動物たちがより良い環境で暮らせるよう、大規模なリニューアルを実施。そして、ピューマのほかにも、キリンやクロサイなど若い個体を導入しています。
動物福祉を意識した飼育環境をめざす「いまの動物園」が早速繁殖に成功するという嬉しいニュース。
ピューマたちの今後の成長や他の動物たちの未来も楽しみです!
●公式ホームページ:盛岡市動物公園
とべ動物園2年連続ピューマ誕生!
愛媛県・とべ動物園では2018年、2019年とピューマが生まれています。
母親は2012年同園生まれの「ラフ」父親は2008年カナダ生まれの「ピュータ」です。
ラフにとってはじめての繁殖相手として選ばれ、2017年に来園したピュータ。とくしま動物園で繁殖するも、子は生後まもなく亡くなるという経歴の持ち主です。
はじめは相性が悪い様子で心配されましたが、無事にむすばれ「タフ」が誕生。そして翌年に「ニコ」が生まれました。
ラフの母親「マリー」は人工哺育のピューマです。
子育てされていない動物は出産しても子育てできない場合が多いといわれています。ざんねんながらマリーもラフを育てることはできませんでした。
ピューマの子育てを知らないラフが果たして育児できるのか不安視されるなか、ラフはタフもニコも愛情深く育ててくれました。
2019年タフは盛岡市動物公園へ、2020年ニコは群馬サファリパークへ、2021年マリーは天王寺動物園へ移動しました。
現在、とべ動物園のピューマはオスの「ピュータ」メスの「ラフ」の2頭です。
●公式ホームページ:愛媛県立とべ動物園
天王寺動物園唯一のピューマ「マリー」が亡くなりました
2023年6月、大阪市・天王寺動物園のマリーが亡くなりました。国内最高齢の16歳でした。
新ペアに赤ちゃん誕生!日本平動物園
静岡県静岡市・日本平動物園ではこれまでに2組のペアが海外からやってきました。
2002年~2018年|リンカーンとエリザベス
2002年にオスの「リンカーン」とメスの「エリザベス」がアメリカからやってきました。
リンカーンは2000年動物園生まれ、エリザベスは2001年野生由来の個体です。
リンカーンとエリザベスは2007年に繁殖に成功しました。
子は「マリー」と「マロン」の2頭。エリザベスが育児放棄したため、2頭は人工哺育となりました。
エリザベスは幼少期に母親から離れてしまったため、どうしたらよいのかわからなかったのかもしれません。
マリーとマロンは元気に成長し、のちにとべ動物園および福山市立動物園へ移動しました。
リンカーンは2018年11月、エリザベスは2019年4月に老衰のため亡くなりました。野生ピューマの寿命は12年ほどといわれていますので、2頭はとても長生きでした。
2018年~現在|アルタイルとベガ
リンカーンとエリザベスが高齢となってきた2018年、日本平動物園はふるさと応援寄付金で若い2頭のピューマを購入しました。
南アフリカ共和国やってきた2頭。2016年生まれのオスは「アルタイル」2017年生まれのメスは「ベガ」と名付けられました。
そして2019年2月、ベガが待望の第1子「ニーナ」を出産!
ニーナはベガの愛情をたっぷり受けて成長。2020年5月、盛岡市動物公園へと移動しました。
ベガとアルタイルの子孫はいま日本にいるピューマとは異なる貴重な血統です。はやくもニーナが盛岡市で次世代を築いてくれました。
まだまだ若いベガとアルタイルの第2子も期待されています。

●公式ホームページ:静岡市立日本平動物園
ピューマはじめました!神戸どうぶつ王国
2018年、兵庫県・神戸どうぶつ王国で新展示場(クーガーウォーク)オープンにあわせて、ピューマの飼育がはじまりました。
来園時2歳ということから、推定2016年生まれ。メスの「スージー」とオスの「ブル」どちらも海外由来のようですが、来園元はわかりませんでした。
展示場は一面ガラス張り。さらに空中回路があり、ピューマを真下からものぞくことができます。
クーガーウォークは全天候型施設。暑い季節や雨の日ものんびり過ごせそうですね。
スージーが亡くなりました|2023年4月
若い2頭の今後に注目があつまるなか、2023年4月、メスのスージーが亡くなりました。
前年より腎機能の低下がみられていたとのこと。とてもざんねんです。
ニコが来園!2023年6月
しかし、その約2か月後、新たなメス「ニコ」が群馬サファリからやってきました。ニコは2019年とべ動物園生まれ、タフの妹です。
今後のブルとニコのゆくえに注目しましょう!
●公式ホームページ:神戸どうぶつ王国
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
かつては人気がないといわれ繁殖制限されていたピューマ。その数はどんどん少なくなり、いまや残り14頭となりました。
幸い2018年、2019年そして2025年と赤ちゃんが誕生!ピューマの高齢化がすすむなか、今後の繁殖には希望もあります。
数少ないピューマがこれからも健やかに過ごしていけますように。
以上、ピューマに会える動物園でした。

【参考】
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