クロサイとシロサイの違いは?天敵は?サイの疑問【生態と特徴】にお答え
サイの種類、皮ふや角のひみつ、繁殖・寿命などサイの生態と特徴がわかる記事
大きな体に立派な角を持つ動物サイ。
ひとくくりに「サイ」と呼ばれたり、ときにはカバと間違われたり、ゾウやキリンに比べるとマイナーな存在かもしれません。
しかし、皮ふや角といった見えるところ、目がわるい・あしが速いといった見えないところまで、知れば知るほど愛着のわく動物です。
今回のzoo zoo diaryはサイの種類とその違いから形態、天敵と寿命まで魅力あふれるサイの生態と特徴を徹底解説します!
サイの種類【4属5種】
サイはひづめの数が3つの草食動物。いわゆる奇蹄目(ウマ目)のなかま。
現存しているサイは4属、インドサイはさらに2種にわけられています。
- 奇蹄目 Perissodactyla
- サイ科 Rhinocerotidae
- シロサイ属 Ceratotherium
- シロサイ Ceratotherium simum
- クロサイ属 Diceros
- クロサイ Diceros bicornis
- スマトラサイ属 Dicerorhinus
- スマトラサイ Dicerorhinus sumatrensis
- インドサイ属 Rhinoceros
- インドサイ Rhinoceros unicornis
- ジャワサイ Rhinoceros sondaicus
- シロサイ属 Ceratotherium
- サイ科 Rhinocerotidae
ジャワサイはインドサイ属ですが、その他はそれぞれ独立した属。
ミナミシロサイは将来、絶滅のおそれがある動物。その他、現存する4種のサイが絶滅の危機に瀕しています。
日本で飼育されているのはシロサイ、クロサイそしてインドサイの3種類です。この3種類のサイを詳しく見ていきましょう。
シロサイ|最大・角2本・幅広い口
サイ科の最大種といわれるシロサイ。アフリカのサバンナに生息し、おもに草を食べます。
オスの方が大きく体長4メートル、体重3トンを超す巨体もいます。
シロサイの角は2本。口側の角の方が長く平均90cmほど。なかには1メートル以上の角をもつ個体もいます。
現在、2亜種のシロサイが確認されています。
- シロサイ Ceratotherium simum
- ミナミシロサイ C. s. simum
- キタシロサイ C. s. cottoni
サイの代表!ミナミシロサイ
ミナミシロサイは南アフリカ共和国やナミビアなどアフリカ南部に生息しています。
サイのなかでは最も数がおおいシロサイ。しばしば動物園でも見かけるため親しみのあるサイです。
密猟に苦しむミナミシロサイ
19世紀末には絶滅寸前となり50頭以下だったミナミシロサイ。法整備や保護活動により徐々にその数をふやし、2012年には2万頭以上に回復しました。
とくに保全活動がさかんなボツワナやケニアなどの一部地域において、ミナミシロサイの増加がつづいています。
一方、ミナミシロサイの80%以上が生息する南アフリカではクルーガー国立公園における大規模な密猟が発生。増えていたミナミシロサイが激減しました。
2014年をピークに密猟は減少しているものの、ここ5年間で5,000頭ものシロサイがいなくなりました。
将来 絶滅するおそれがあります
ざんねんながら現在は南アフリカの減少率のほうが高いため、全体的なミナミシロサイ個体数はへっています。
推定生息数1万8千頭、そのうち繁殖可能な個体は1万頭以下。将来、絶滅の可能性がある動物(IUCNレッドリスト準絶滅危惧)です。
絶滅にもっとも近い!キタシロサイ
かつてはウガンダやコンゴ民主共和国などアフリカ中部に分布したキタシロサイ。
乱獲や内戦などにより個体数が急速に減少。2006年以降、生息地において生きたキタシロサイは確認されていません。
キタシロサイの生息数は2頭(メス)だけ?!
自然界で姿を現さなくなったキタシロサイ。絶滅がささやかれるなか、キタシロサイの種をまもる活動がはじまりました。
当時、生きているキタシロサイはチェコ共和国の動物園にいた4頭(オス2頭、メス2頭)のみ。子孫をのこしてもらうべく、より自然の環境にちかいケニアの保護区に移されました。
しかし、繁殖成功には至らず。2014年と2018年にオスが亡くなりました。
2022年12月現在、母「ナジン」娘「ファトゥ」の2頭が生きています。ケニアの・ルペジェタ自然保護区で飼育されています。
繁殖できるのか?キタシロサイの未来
キタシロサイの自然繁殖の道は閉ざされましたが、冷凍保存された精子をもちいた体外受精の研究がつづけられています。
もし受精に成功したら、ミナミシロサイを代理母とする計画です。
体外受精により大切な種を救えるかもしれないという期待がふくらみます。
しかしながら「絶滅させるのも生存させるのもヒト次第」という事実にいきどおりを感じます。
そもそも狩猟や戦争をしなければ、キタシロサイのいまの悲惨な状況はありえません。わたしたちヒトが犯してきた罪の重さを動物たちが身をもって教えてくれています。
キタシロサイは南スーダンにいるかも?!
キタシロサイは野生絶滅(EW)の状態といえますが、IUCNは深刻な危機(CR)と評価しています。
なぜなら、南スーダンに生息しているかもしれないから。
南スーダンはもともとキタシロサイの分布域。現在も個体群があると推測されています。
1950年代から断続的な内戦がおこなわれていたスーダン共和国。戦争によりヒトをふくむ多くの動植物が失われました。
2011年には一部が分離し南スーダン共和国が建国。
ところが、独立した南スーダンでも内戦が起こり、悲惨な状況がつづいていました。2018年にようやく和平協定がむすばれ、内戦は終結。
その後、少しずつですが入国が可能となり、動物および自然などの研究者が今までできていなかった調査に取り組みはじめています。
クロサイ|細身・角2本・小さな口
おもにアフリカ大陸東部から南部に生息しています。クロサイはシロサイが生息する草原より、木の生えたところを好みます。
体長3メートル、体重1トン程度。シロサイ同様2本の角を有しています。
1960年代には10万頭もいた野生クロサイは現在5500頭ほどしかいません。
絶滅寸前!クロサイの種類と生息数
IUCNは種クロサイを絶滅寸前の動物(深刻な危機)と評価しています。
生息数は5500頭ほど。全体として増加傾向にあるものの亜種による差があり、絶滅のおそれは依然として非常に高い状態です。
現在、クロサイは生息地ごとに4つの亜種に分類されています。
- クロサイ Diceros bicornis
- ナンセイクロサイ D. b. bicornis
- ナントウクロサイ D. b. minor
- ヒガシクロサイ D. b. michaeli
- ニシクロサイ D. b. longipes
IUCNはクロサイの亜種ごとの調査もおこない、それぞれ保全の状態を発表しています。
ナンセイクロサイ
- 生息 ナミビアと南アフリカ南部
- IUCNレッドリスト 準絶滅危惧(NT)
再導入に成功し、生息数は2,200頭ほど。現在も増加中です。さらに、繁殖可能な個体が1,000頭を超え、絶滅危惧の状態を脱しました。
ナントウクロサイ
- 生息 南アフリカとタンザニア南部
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
ミナミチュウオウ【Southern-central】クロサイとも呼ばれています。
生息数は2,300頭ほどですが、減少率が高いため絶滅寸前の状態です。
ヒガシクロサイ
- 生息 ケニアやタンザニア北部
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
保全活動やパトロールにより生息数は30年間でほぼ倍になり、2017年に1,000頭を超えました。
増加傾向ではあるものの、その数の少なさから絶滅寸前の状態です。
ヒガシクロサイは本来の生息地ではない南アフリカの民間動物保護区にも生息しています。これらのクロサイは今後かつての生息地へ送られる予定です。
ニシクロサイ
- IUCNレッドリスト 絶滅(EX)
かつてはアフリカ中西部に生息していたニシクロサイ。
カメルーン北部で確認されたのを最後に絶滅しました。
ニシクロサイのような悲劇をさけるために、継続的な保全活動をおこなわなければなりません。
動物を狩る権利がオークションに?!
2014年、絶滅に瀕しているクロサイの狩猟許可がオークションにかけられました。なんと、出品者はクロサイの保有国であるナミビア政府。
結果は35万ドル(4000万円以上)という高額でアメリカ人が落札しました。動物の命をお金で取引するなんて!と驚いたことはかくしきれません。
しかし、難しい話はここから。
ハンターが支払った金額はすべてクロサイ保全に充てられます
なんとナミビアはクロサイを絶滅から救うためにクロサイを殺す許可を出したのです。
ハンターのお金はクロサイ保全の資金として利用されます。収入源に乏しいナミビアが動物保全の予算を確保するために考えた策です。
狩猟許可が出たサイは生殖不能な高齢の個体。
年老いたオスのサイはテリトリーを保持しつづけ、若いオスの脅威となっています。そのため、高齢個体の排除により、若い個体のテリトリー確保、繁殖機会増加などが期待されます。
クロサイの絶滅防止につながるよい行いだと、ハンターは述べています。
【You Tube】CNNによるハンターのインタビュー映像をチェック
一方、絶滅危惧種を狩れるならいくらでも出す、という富裕ハンターが増えるだけでは?保全のための除外はナンセンス、などネガティブな意見も多く存在します。
上記の件は「オークション」「高額」ということで注目を浴びました。
サイのような希少な動物だけでなく、野生では問題行動を起こす動物や高齢となった動物が銃殺されている現実があります。
保護区のレンジャーがやむなく射殺するより資金調達のために富裕層を利用するのは、ひとつの手なのかもしれません。
同じ狩猟でも話題性があることをとりあげ、メディアや評論家がお金儲けをしているだけにすぎないという人もいます。
しかし、報道は動物たちが置かれている状況や保全のむずかしさ、大切さなどを多くのヒトの目や耳に届け、動物について考えるきっかけを与えたでしょう。
インドサイ|大きい・角1本・小さな口
シロサイ、クロサイと異なりインドサイはアジアのサイ。インド北東部からネパールの沼地や河川近くで生活しています。
草や葉だけでなく、果実や水草などバラエティに富んだ食事をします。
サイのなかではシロサイに次ぐ大きさ。体長3メートル以上、体重2トン前後に成長します。
見た目も特技もインパクト大!
インドサイ属の角はシロサイやクロサイに比べ短く、数は1本のみ。
またの名を「一角犀」英語では【Greater One-Horned Rhino】と呼ばれています。
ちなみに争いのときには、角だけでなく下顎に生えた長い前歯を使います。
ピンクの鎧にボタン付き?!インドサイの皮ふ
インドサイといえば1本の角も特徴的ですが、最も目をひくのは鎧のようなひだのある皮ふ。
全体的にほんのりピンク色。太ももや肩には「ボタン」のような突起が目立ちます。
首周りにはひだが集中しており、急所をまもる役割があると考えられています。
インドサイの特技はスイミング!
サイの習性である泥浴びにとどまらずインドサイは水の中を泳ぎます。
さらには、カバのように潜ったりエサを食べたりすることも確認されています。
【YouTube】San Diego Zoo Safari Parkの泳ぐインドサイ親子を見る!
見た目も特技もユニークなサイです。
絶滅のおそれがあります
密猟や生息地破壊により一時は200頭以下に落ち込んだインドサイ。
インドとネパールにおける国立公園の制定や保全活動により、現在は3,500頭程度に回復しています。その70%以上がインド・カジランガ国立公園に生息しています。
2008年、IUCNレッドリスト危機(EN)から危急(VU)に再評価。これは絶滅から一歩とおのいた、ということ。
しかし、絶滅危惧種であることには変わりありません。
サイの種類【まとめ】
シロサイ
- キタシロサイ
- アフリカ中部
- 2頭(保護下)
- 南スーダンを調査中
- ミナミシロサイ
- アフリカ南部
- 1.8万頭
クロサイ
- ナンセイクロサイ
- ナミビア、南アフリカ
- 2200頭
- ナントウクロサイ
- 南アフリカ、タンザニア
- 2300頭
- ヒガシクロサイ
- ケニア、タンザニア
- 1000頭
- ニシクロサイ
- アフリカ中西部 ※絶滅
インドサイ
- インド~ネパール
- 3500頭
ジャワサイ
- インドネシア・ジャワ島西部
- 3亜種のうち2亜種は絶滅
- 68頭
スマトラサイ
- インドネシアやマレーシア
- 3亜種
- 80頭
シロサイとクロサイの見わけ方
日本で会える3種類のサイのなかで角が1つしかないインドサイは区別が簡単です。
では、シロサイとクロサイの違いはご存知でしょうか?
文字通り「皮ふの色」ではないんです。サイを見ても「白」ではないし「黒」でもないですよね。
大きな違いは口もとにあります。
口のかたち|平たい・かぎ状
サバンナに住むシロサイは地上の草を食べて生活しています。そのため、頭は長く平たい口をもっています。
一方、低木地に住むクロサイは木に生えている枝や芽などを食べます。高い場所にあるエサをとれるように、上唇は長く飛びでています。
特徴的な口の形からクロサイは【Hook Lipped】鉤状のくちびるのサイとも呼ばれています。
また、シロサイと違って頭をもちあげないといけないのでクロサイは小顔です。
現地の言葉「幅広な口をもつサイ」が「ホワイトライノー」と間違って伝えられました。
そして、同じアフリカ大陸に生息する別のサイを「ブラックライノー」と名付けたといわれています。
クロサイの方が黒い?
写真を見てクロサイの方が黒いと思ったあなた。
実は、そうではありません。
泥浴びの習性があるサイは生息地の土の色が肌にうつります。そのため、場所によってサイの肌の色は変わります。
つまり、黒いシロサイもいれば白いクロサイも存在するということです。
サイの区別をするときは顔を観察してください。比べてみるとまったく違うことがわかるでしょう。
ちなみにインドサイは木の枝や葉も食べるため、クロサイと似たような口の形をしています。
サイの生態と特徴
サイは雌雄ともに単独行動を好み、それぞれ縄張りをもちます。
境界に糞をし、においで自分のテリトリーをアピールします。
1頭の子をじっくり育てます|サイの繁殖
繁殖期のみ雌雄が出会い、出産・育児はメスのみで行います。今のところ、決まった繁殖期はないと考えられています。
サイの妊娠期間は長く15か月ほど。種によって異なりますが、体重40~60kgの赤ちゃんが誕生します。
1度に1頭しか出産せず、授乳期間は1年以上におよびます。
子サイは毎日数十リットルもの母乳を飲み、毎日数kgずつ大きくなっていきます。
一見早いように思えますが、体重1トン以上のサイにとっては微々たるもの。比較的、成長に時間のかかる動物です。
雌雄ともに単独行動をとるため、サイの子は3歳ごろ母親のもとを離れていきます。
メスの性成熟はおよそ3年。一方、オスは約8年かかります。
しかし、実際に初めて繁殖をおこなうのはメスが6歳、オスは10歳以上と考えられています。
サイは子殺しをする?!
サイの母親は子が独立するまで発情することはありません。
つまり、長い個体では5年以上繁殖をおこなわない状態となります。そのため、生涯に生む子どもの数は5頭ほどと考えられます。
このことからもサイの個体数回復が難題であるとわかります。
また、繁殖活動に盛んなオスがメスの発情を促すため子を殺すことも確認されています。
長生き!サイの寿命
ゾウをはじめ身体が大きい動物は寿命が長い傾向にあります。
サイもそのひとつ。40~50年ほど生きるといわれています。
世界最高齢は2019年に死亡した野生由来・保護下に置かれていたクロサイ。推定57歳とのこと。
出生が確かな例としては、フランスの動物園で暮らしていたシロサイのサナが55歳でした。
サイの目はほとんど見えてません!
ところで、サイの目。良く見たことありますか?
大きな体や顔に対して、サイの目は非常に小さいです。
実は、サイの視力は非常に悪いことがわかっています。
ときには、数メートル先のものすら見えないそうです。そのため、動くものに驚いて突進してしまう傾向にあります。
もしもサイに出くわしたときは、ゆっくりと離れ、視野から出るのが賢明でしょう。
目の悪いサイは耳や鼻で周囲の状況を感じとります。
自由自在のサイの耳|聴覚と嗅覚
ラッパのような形のサイの耳はぐるぐる自由に動かせます。耳が違う方向をむいてる姿をしばしば見かけます。
さらに、残された他のサイのにおいを嗅ぎわけることができるほど嗅覚が優れています。
オスは発情したメスのにおいを発見・追跡し、求愛活動をおこないます。
動物園では大きな音や強烈なにおいで動物たちをびっくりさせないようにご注意ください。
極厚!サイの皮ふ
サイの皮ふは非常に厚く、硬いことで有名です。ライオンの爪や牙もなかなか刺さらないほどの頑丈さ。厚いところでは5cmもあります。
しかし、さわった印象は予想ほど硬くはありませんでした。ほんのりあたたかく、しっかりめの絨毯のような感触だったことを覚えています。
ちなみに注射針は通りません。採血は皮ふのうすい耳から行っています。
サイの角は爪?骨ではありません
サイの角はウシのように骨でできた角ではありません。
その正体は「ケラチン」人間でいうと髪の毛や爪と同じ成分。
つまり、一生伸びつづけます。われわれが爪を切るように、サイは自分で角を研がなければなりません。
そのため、角の形に器用さや性格があらわれている気がします。
ぼこぼこしていたり、滑らかだったり。曲がっていたり、直線的だったり。1本はきれいだけど、もう1本はつぶれていることもあります。
1頭1頭、思い思いに角を研いでいるようです。
今回写真を載せているサイも皆、角の長さや太さが異なります。個体識別の鍵にもなりますので、ぜひチェックしてみてください。
快速!サイのあし
野生のサイは危険を感じたり興奮したりすると、およそ時速50kmで疾走します。
おとなのシロサイは体重2トン以上。非常に強い脚力の持ち主であることがわかります。
動物園では危険が少ないうえに敷地が狭いため、走るサイを見ることはほとんどありません。
一方、開放的なサファリパークではダイナミックな様子を見れるかもしれません。
サイの天敵「ヒト」
サイは子どもといえど100kgほど、捕食動物にとって十分な食料です。
アフリカではライオン、アジアではトラなどの大型肉食獣に狙われることがあります。
一方、体長3メートル、体重1トン以上という巨体のおとなサイに挑むものは、ほぼいません。
唯一といっていいサイの天敵は、わたしたち人間。
すべてのサイが密猟されています
すべてのサイを対象に、角を目的とした密猟が後を絶ちません。
現在、主な密輸先はアジア。
刀の柄としてサイ角を利用してきた中東では、近年、需要が減少傾向にあります。
一方、漢方医学では解熱鎮痛や滋養強壮の効果があるとして、現在でもサイ角が使われています。前述したように角の成分はケラチンです。科学的根拠は全くありません。
また、ベトナムでは富豪や権力のシンボルとして人気が高まり、新たな市場が生まれています。
金より高値で売買されることもあり、組織的な密猟グループが関与しています。彼らはサイを殺すことには興味なく、サイの角を獲ることだけが目的です。
しかし、密猟者が強大なサイ相手に素手で立ち向かうわけはなく、もちろん銃を使用します。結果的に、射殺もしくは重傷により死亡するケースがほとんどです。
サイ密猟被害数(2017年)は1000頭以上!
近年では動物園にも密猟者が現れ、角を持ち去るという事件も起こっています。
角をそぎ落とされたサイの無残な姿。どうしてこんなことができるのだろう、と怒りと悲しみでいっぱいになります。
保護活動の一環として密猟の対象にならないよう角を切る行為が実施されています。殺されないための苦渋の決断でしょうが、非常にざんねんに思います。
いっそ取引を解禁したら密猟が減るのではないかという意見もあり、世界中でサイ絶滅防止に関する話し合いがつづけられています。
絶滅の危機にひんし、さまざまな犯罪や議論の的となるサイ。
密猟や生息地破壊はサイだけでなく多くの絶滅危惧種の脅威となっています。
動物や自然のいまを伝える、そして未来を考える(きっかけを与える)ことは動物園の使命のひとつです。
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
サイと密猟は切っても切り離せない関係。密猟防止策がとられていなかったら、今ごろサイは絶滅しているでしょう。
わたしたちが動物園でサイに会えることはすごくありがたいことです。口や耳など細かいところに注目して、サイの種類や生態をじっくり確認してみましょう!
サイに会える動物園リストを種類別につくっています。会いたいサイがどこにいるのかチェックしてみてください↓
以上、サイの豆知識でした。
【参考】
ディスカッション
コメント一覧
お世話になります。
テレビ朝日映像でテレビ番組の制作スタッフをしている杉本と申します。
突然のご連絡失礼致します。
この度動物園に伺いロケを行いました。
そこでシロサイとクロサイの違いを番組内で写真を使って説明させて頂きたく
こちらの記事に掲載されているシロサイとクロサイの比較画像を使用させて頂きたいです。
詳しい企画内容につきましてはメールで説明させて頂ければと思います。
ご返信頂けましたら幸いです。引き続き宜しくお願い致します。
杉本 様
コメントありがとうございます。
メール送信させて頂きました。
ご確認お願いいたします。