中国三大珍獣【ゴールデンターキン・キンシコウ・ジャイアントパンダ】特集!
中国三大珍獣の動物と飼育動物園がわかる記事
みなさん珍獣というと、何を思い浮かべますか?
ジャイアントパンダ・オカピ・コビトカバは俗にいう世界三大珍獣です。なかでも人気度・知名度ともに高い珍獣はジャイアントパンダですね。
ジャイアントパンダの生息地である中国には、ほかにも珍獣がたくさん暮らしています。
zoo zoo diaryがとりあげるのは「中国三大珍獣」ジャイアントパンダ・ゴールデンターキン・キンシコウ!
中国三大珍獣の概要と彼らがおかれている状況や飼育されている動物園を紹介します。
中国三大珍獣とは?
中国は自国に生息する代表的な3種類の動物を「三大珍獣」と呼んでいます。
- ジャイアントパンダ
- ゴールデンターキン
- キンシコウ
中国は国家一級重点保護野生動物として絶滅の危機にある動物を指定しています。指定された動物たちは、野生生物保護法のもと守られています。

ジャイアントパンダ
食肉目クマ科ジャイアントパンダ属。
中華人民共和国の3つの省(甘粛省、四川省、陝西省)にある標高1500~3000メートルの山々に生息しています。
おなじみの白黒のクマです。
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- CITES 附属書Ⅰ
- 生息 中国の山林 1800頭
- 体長 120~150cm
- 体高 75cm
- 体重 オス110kg メス90kg
生息地破壊や狩猟により減少したジャイアントパンダ。
この稀有で愛らしい動物を守ろうと、現在までに40か所ほどのジャイアントパンダ保護区が制定されています。
また、飼育や繁殖などの研究活動も行われています。
中国政府の努力の甲斐があり、ジャイアントパンダの生息数は増加傾向。しかし、依然として絶滅の可能性が高い動物(IUCNレッドリスト危急)です。

3か所!ジャイアントパンダに会える動物園
2022年9月現在、日本では3か所の動物園で13頭のジャイアントパンダが飼育されています。
上野動物園
- リーリー 力力(2005年生)
- シンシン 真真(2005年生)
- シャンシャン 香香(2017年生)
- シャオシャオ 暁暁(2021年生)
- レイレイ 蕾蕾(2021年生)
アドベンチャーワールド
- エイメイ 永明(1992年生)
- ラウヒン 良浜(2000年生)
- オウヒン 桜浜(2014年生)
- トウヒン 桃浜(2014年生)
- ユイヒン 結浜(2016年生)
- サイヒン 彩浜(2018年生)
- フウヒン 楓浜(2020年生)
王子動物園
- タンタン 旦旦(1995年生)
上野動物園シャンシャンは2022年12月末までに中国へ送られる予定です。
王子動物園タンタンは老後を中国で過ごす予定でしたが、心疾患の治療のため非公開にて飼育がつづけられています。
ゴールデンターキン
ウシ目(偶蹄目)に属するヤギ亜科ターキン属。
ゴールデンターキンは中国の限定された地域(秦嶺山脈)の岩山や谷に生息しています。
体長は1.5メートル、体重200kg以上と大きなターキン。するどく上に伸びる立派な角が生えています。
大きな鼻の長い顔と金色のように明るく美しい毛が特徴的です。
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- CITES 附属書Ⅱ
- 生息 秦嶺山脈の高地 5000頭
- 体長 150~200cm
- 体高 120cm
- 角長 50cm
- 体重 オス300kg メス200kg
もともとの生息数の少なさに加え環境破壊や狩猟により、ゴールデンターキンは減りつづけています。
一方で環境保全活動や密猟防止策のおかげで減少率はちいさくなっていると報告されました。
とはいえ絶滅の危機に瀕しています(IUCNレッドリスト危急)。継続的な活動が重要です。

3か所!ゴールデンターキンに会える動物園
日本では現在3か所の動物園でゴールデンターキンに会うことができます。
- 多摩動物公園
- よこはま動物園ズーラシア
- アドベンチャーワールド
飼育施設は限られていますが、計20頭以上のゴールデンターキンが飼育されています。
2019年3月には和歌山県アドベンチャーワールドでオス2頭、そして7月には多摩動物公園でオス1頭が誕生しました!
よこはま動物園ズーラシアでは、2019年に続いて2020年12月にもゴールデンターキンの赤ちゃんが生まれています。
キンシコウ
霊長目オナガザル科シシバナザル属。
中国中西部、標高2000~4000メートルほどの地域に生息しています。
キンシコウはパンダやターキンと同じように国によって保護されている貴重な動物。アジア以外では飼育されていません。
しずくのような形をした上向きの鼻をもつシシバナザル。そのうち四川省にすむシシバナザルをキンシコウと呼びます。
金色からオレンジ色の明るい体毛と青みがかった白い顔が特徴です。
- IUCNレッドリスト 危機(EN)
- CITES 附属書Ⅰ
- 生息 中国中西部の山岳地帯 1.5万頭
- 体長 50~65cm
- 尾長 60cm
- 体重 オス15kg メス10kg
国の保護をうけているものの、キンシコウ生息数は減少傾向。保護区外の森林破壊や観光客用の施設整備などがキンシコウの生息地を脅かしています。
絶滅のおそれがきわめて高い動物(IUCNレッドリスト危機)です。さらなる保全活動が求められています。

熊本だけ!キンシコウに会える動物園
現在、日本でキンシコウを飼育している動物園は熊本市動植物園のみ。
- 父:パオパオ(29)*
- 母:ヘンヘン(27)*
- 兄:シンシン(21)*
- 弟:フェイフェイ(22)*
- 妹:ヨウヨウ(2004年生)
*死亡個体
1993年に中国の動物園協会と契約を結び、パオパオがやって来ました。その後ヘンヘンも来園。繁殖に成功し、6頭の子が生まれました。
2018年に3頭(パオパオ、へンヘン、シンシン)、2021年に1頭(フェイフェイ)が死亡。日本のキンシコウはヨウヨウ1頭だけになりました。
中国国内で丁重に扱われているキンシコウ。新たな個体をゆずりうけるのは容易ではありません。
日本でキンシコウが見られなくなる日はもうすぐでしょう。
国家一級野生生物として保護されている中国三大珍獣。
彼らの最大の敵はわれわれヒトです。
狩猟や生息地破壊により、その数は減少しました。保護区や法律がつくられた今でも密猟が行われています。
また、人間活動による開拓や気候変動の影響で森林破壊や食料不足はつづいています。
これは中国三大珍獣だけの話ではなく、ほとんどすべての動物にってヒトが天敵となっています。
現在は多くのヒトが今までの過ちをただし、保護や研究に尽力しています。
今度動物園に行ったら、世界三大珍獣だけでなく中国の三大珍獣にも注目してみてください。
以上、中国三大珍獣のお話でした。
【参考】
国際自然保護連合
日本動物園水族館協会
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