ビントロングに会える動物園とニュースまとめ|2025年
知る人ぞ知る珍獣「ビントロング」の予習をしてビントロングに会いに行きましょう!
ビントロングとは?
ビントロングは別名クマネコ【bearcat】と呼ばれる食肉目ジャコウネコ科の動物です。
南~東南アジアの森林に生息しています。
果実や昆虫、小動物を食べ、木の上で暮らす動物です。動物園でも高いところを好むようすが観察できます。
黒くふさふさの毛で覆われ、ポップコーンのような香ばしい匂いを放ちます。
体長とおなじくらい長い尾をもちます。全長は優に1メートルを超え、体重は15~20kgまで成長します。

性成熟は2~3歳。通常、約3か月の妊娠期間を経て、1~3頭の子(体長30cm体重400g程度)を出産します。
子は1年でほぼ大人と同じ大きさへ成長。寿命は18年ほどといわれています。
- Arctictis binturong
- IUCNレッドリスト 危急(VU)
- CITES 附属書Ⅲ(インド)
- 生息 南~東南アジア
- 体長 80cm
- 尾長 70cm
- 体高 60cm
- 体重 15~20kg
ビントロングは絶滅危惧種です!
ビントロングは2008年にIUCNレッドリスト低懸念(絶滅のおそれがない)から危急(絶滅のおそれが高い)へ変更されました。
なぜビントロングは絶滅しそうなの?
生息地破壊により、近年、個体数が30%以上減少したと考えられています。
かつては目撃証言が多かったビントロングですが、現在ではめったに目撃されない野生動物となっています。

人口増加や国の発展に伴い森林は壊され、ヒトが住みついたり農地として利用したり、広い地域でビントロングたちの住みかが失われています。
さらに、フィリピンやベトナムなどの東南アジアでは食用やペット用としてビントロングの売買がさかんに行われています。
絶滅危惧動物であるビントロングですが、一部生息地では狩猟や取引に関する法整備が行われていません。
一方で、インドネシアやインド等ビントロング保全活動に取り組む地域もあります。
今後、各地でいかにビントロング保全活動を普及させるかが課題となっています。
ビントロングに会える動物園
2025年4月現在、18か所のJAZA加盟動物園でビントロングに会うことができます。

東北~関東
- 岩手サファリパーク
- 那須どうぶつ王国
- 那須サファリパーク
- 群馬サファリパーク
- 市原ぞうの国
中部~中国
- 茶臼山動物園
- 伊豆シャボテン動物公園
- 東山動植物園
- 王子動物園
- 神戸どうぶつ王国
- 徳山動物園
- 秋吉台サファリランド
四国~沖縄
- とべ動物園
- のいち動物公園
- 福岡市動物園
- 熊本市動植物園
- 平川動物公園
- ネオパークオキナワ
ビントロング誕生!岩手サファリ2024年
岩手サファリパークでは、2024年12月に3頭の赤ちゃんが誕生しました。父親は「ジャワ」母親は那須サファリパーク生まれの「クプ」です。
クプの愛情を受けて3頭とも元気に育っています。
とべ動物園赤ちゃん誕生!2023年
愛媛県・とべ動物園は2018年よりビントロング飼育を開始しました。
那須どうぶつ王国からやってきたメス「ルチュ」と大阪市・NIFRELからやってきたオス「ビンカ」による繁殖を目指していました。
2020年にはめでたく2頭の初子となる「ルビー」が誕生。元気に成育し、現在は福岡市動物園で暮らしています。
そして2023年にはルチュが3頭の子を出産しました。しかし、1頭は死産。ルチュが子育てするようすがみられなかったため、残る2頭は人工哺育へ。
ざんねんながら、1頭はまもなく死亡しましたが、1頭のオスが成育しています。
子は「茶々丸」と命名。瀕死の状態だった茶々丸ですが、いまや立派なビントロングです。
現在、愛媛県・とべ動物園は母「ルチュ」父「ビンカ」子「茶々丸」3頭のビントロングを飼育しています。
日本ビントロング界の祖|福岡市動物園
2025年4月現在、3頭のビントロング「ビーン」「トロン」「ルビー」を飼育する福岡市動物園。
過去、ビントロング繁殖に何度も成功し、日本のビントロング飼育の礎となった動物園です。
今も飼育されているビーンとトロンの間にも3頭の子が成育し、その子どもたちも繁殖に成功しています。彼らの7頭のひ孫のうち1頭がルビーです。
詳しくはこちら↓をご覧ください。
その他にもビントロングに会える場所があります
ビントロングは下記JAZA非加盟の動物園(施設)などでも飼育されています。
- ※神崎農村公園ヨーデルの森
- ※阿蘇カドリー・ドミニオン
- ※アニタッチ東京ドームシティ
- ※アニタッチMARK IS静岡
- ※アニミル心斎橋店
絶滅危惧動物であるビントロング。
種の保存が注目されるなか、ふれあい動物園など繁殖を目的としていない飼育が日本でも行われています。
個人的には疑問を感じてしまいますが、この魅力的な動物ビントロングが絶滅の危機に瀕していることを周知するために活動していることを願います。
※阿蘇カドリー・ドミニオンはビントロング繁殖に貢献しています。


アジアに生息する黒くてもさもさのビントロング。
日本では動物園をはじめ約20の施設でビントロングに会うことができます。
日中は休んでいることが多いですが、食事時間や夕方は活動的なビントロングを観察することができます。
くりくりした目でゆさゆさと香ばしい匂いを放ちながら動くビントロングに驚くことでしょう。もちろん寝顔も癒し度満点です!

ざんねんながら、この魅力的なビントロングも絶滅のおそれがある動物(IUCNレッドリスト危急)です。
紙やパーム油をつくるために森林が壊されたり、ペット用に密猟されたり、その数は減りつづけています。
これからもビントロングが健やかに過ごせるよう、紙や木材の節約・リサイクル、パーム油製品の選択など自然にやさしい生活を心がけましょう!
【関連記事】森林破壊と紙・パーム油について(動物のためにできること)
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
以上、ビントロングに会える動物園紹介でした。
【参考】
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