上野動物園ゴリラ図鑑!お気に入りのゴリラを見つけよう
上野動物園といえば日本最古の動物園。
ジャイアントパンダ、オカピ、コビトカバの世界三大珍獣を展示し、日本一有名な動物園のひとつです。
上野といえばジャイアントパンダ。ですが、今回のzoo zoo diaryはパンダと肩をならべる大人気動物「ゴリラ」を特集します!
さて、何人のゴリラが上野動物園で暮らしているのでしょうか?
そこで、意外と知られていない上野のゴリラたちの名前や年齢、関係性などをご紹介。最新情報を随時更新していきます。
パーソナリティ豊かな上野のゴリラに注目してみましょう!
ゴリラとは?
霊長目ヒト科ゴリラ属。
日本で飼育されているゴリラはすべてニシゴリラ。細かくはニシローランドゴリラといいます。
- Gorilla gorilla ssp. gorilla
- IUCNレッドリスト 深刻な危機(CR)
- CITES 附属書Ⅰ
- 生息 コンゴ共和国、ガボン等の熱帯雨林 30万人
- 身長 オス170cm メス130cm
- 体重 オス140~200kg メス80kg
オスはメスの2倍ほどに成長します。とくに動物園では肥満が問題となっており、200kgを超すオスゴリラもいます。
ゴリラは森林破壊や密猟、紛争被害等により減少しつづけています。IUCNレッドリストはニシローランドゴリラを深刻な危機(CR)と評価しています。
絶滅が危惧されている動物はワシントン条約により輸出入が規制されています。もちろんゴリラも例外ではありません。
動物園ではゴリラ個体数を維持するために、繁殖促進に努めています。
上野動物園のゴリラは7人!2023年12月
2023年12月現在、上野動物園では7人のゴリラが飼育されています。
ハオコを中心とする群れで暮らしています。
ハオコ|シルバーバック
上野動物園の群れのリーダーであるオスの「ハオコ」1993年8月21日オランダ生まれ。
有名な名古屋市・東山動植物園のイケメンゴリラ「シャバーニ」のお兄ちゃんです。
1996年、ハオコとシャバーニはともにオーストラリア・シドニーのタロンガ動物園へ移動。そして、2007年繁殖を目指して日本にやってきました。
瞬く間に2人は大の人気者に!さらに、兄弟ともに繁殖に成功し日本ゴリラ界に貢献してくれています。
世間では弟シャバーニがイケメンだと大注目をあびていますが、実はハオコも男前!ワイルドなナイスガイです。
とくにハオコはお尻が大きいので2足立ち姿や後ろ姿が素敵。いろいろな角度から見ていただきたいです。
ハオコは立派な白銀の毛が背中から太ももにかけて生えています。これがシルバーバックと呼ばれる由縁。成熟したオスを意味します。
体が圧倒的に大きく背面が白銀なので、ハオコは一目で発見できるでしょう。
ハオコの行動は見てて飽きませんが、豊かな表情にも注目!群れの仲間がいるからこそ、さまざまな状況や表情が生まれます。
大きな体だけでなく鼻のしわや口もとまで、じっくり観察してみてください。
モモコとコモモ、モモカ|ハオコの妻と娘たち
ハオコの奥さん「モモコ」1983年6月3日生まれ。幼少期スペインからやってきました。所属は千葉市動物公園。
1999年上野に移動し、翌年「モモタロウ」を出産。
その後、千葉へ帰りましたが、2008年ふたたびブリーディングローンにより上野にもどってきました。
モモタロウは現在、京都市動物園で2児の父となっています。
ハオコと適度な距離をとりつつ、なんだか優位な雰囲気をかもしだすモモコ →
ゴリラの世界はオスが圧倒的に大きく強いため、群れのメスや子どもたちはシルバーバックに追従します。
もしかしたら、危険のない動物園ではその関係性が少し変わってくるのかもしれませんね。
モモコは2022年5月、38歳という高齢出産に成功しました。
しかしながら、体調がすぐれず子「スモモ」は人工哺育へ。モモコは群れから離れて治療を受けるという事態になりましたが、治療のかいがあって、2022年9月より群れに合流しています。
お顔の特徴は堀が深く、鼻の下が広いこと。胴体は丸っこいですが、近年は年齢を感じさせる容姿になってきました。
ハオコとモモコの第1子「コモモ」2009年11月14日生まれ。第2子「モモカ」2013年4月24日生まれ。
姉妹なかよく遊んでいる姿にとても癒されます。このときはまだモモカ2歳、コモモ6歳。
2018年、写真左がコモモ(9歳)、中央手前がモモカ(5歳)、右がモモコ(35歳)。
モモカは頭頂部のもりあがりがなく、まだまだ幼さがあります。
一方のコモモはもう立派なメスですね。
2023年、さらに成長したコモモ(14歳)。お顔や雰囲気はモモコにそっくり。毛並みや胸の膨らみが見分けのポイントです→
リキ|ハオコとモモコの長男
2017年10月9日、ハオコとモモコの長男「リキ」が生まれました。
リキは母モモコや群れのなかまたちの愛情をうけて、すくすくと育ちました。妹が生まれてからは、ますますお兄さんになっています。
からだはまだまだ小さいですが、筋肉質なオスへと成長中→
リキの赤ちゃんのころようすは「上野動物園ゴリラの赤ちゃんリキ!ゴリラの森の混雑具合は?」に掲載しています。
スモモ|祝!モモコ出産 2022年5月
2021年12月モモコの妊娠が発表。そして2022年5月31日女の子「スモモ」が誕生しました。ハオコにとって5人目の子です。
モモコは38歳と高齢出産。出産前から体調がすぐれず心配されていましたが、モモコは無事、子を生んでくれました。
しかし、体調不良からモモコが満足に子育てできないと判断。生後3日目にスモモは人工哺育となりました。
コモモたちのように群れのなかで育つことができず、ざんねん。ハオコも赤ちゃんのことを心配していることでしょう。
スモモはスタッフのケアをうけて順調に生育しております。
モモコや群れのゴリラと対面させたり、ゴリラ舎で過ごしたり。最終的にハオコの群れで暮らすことを目標としています。
過去、人工哺育のゴリラが群れに加わった成功例(東山動植物園のアニー)があります。スモモもうまく群れになじめることを願っています。
スモモが群れに合流!展示がはじまります|2023年3月
檻越しのお見合いを行っていたスモモとモモコ。3月6日、ついに母子の同居がはじまりました。
その後、ハオコとの対面もスムーズに終え、3月14日には念願の群れへの合流を実施。
父母のように群れのなかまもスモモを受けいれてくれました。
そして、ついに3月19日よりスモモをふくむ上野動物園のゴリラの群れ展示がはじまりました!
これからはヒトではなくゴリラの手によって、スモモはゴリラらしく成長することでしょう。
ゴリラは本来神経質な動物です。驚かせないようそっと観察しましょう!
トト|おばあちゃんゴリラ
ハオコの群れには、もう一人おとなメスがいます。
名前は「トト」推定1978年生まれ。出生地は不明。1979年静岡市・日本平動物園に来園したころから記録があります。
上野動物園には1999年にやってきました。
ゴリラともヒトともうまく付き合えるトトは子どもたちとも仲良し。
人工哺育となったスモモもトトが大好きなようす。おばあちゃんのような存在でしょうか。
モモコとは違い、堀が深くないため目元がしっかり見えるのが特徴的。
トトは発情や交尾が確認されたものの、繁殖へはいたりませんでした。
40歳をこえ、ゴリラとしては高齢となってきたトト。50歳、60歳とこれからも健康で長生きしてほしいです。
ナナは亡くなりました|2019年
まるい頭とまるい体の「ナナ」1982年生。
来園当初は群れになじめず苦労したようですが、ハオコや子どもたちとの関係は良好でした。
わたしが出会ったのは今思えば晩年のナナ。ハオコの群れでは適度な距離をたもっているゴリラでした。
2017年ごろから体重減少が見られ、2018年にはまるいナナではなくなりました。2018年の夏、検査をしたときにはすでに病気が進行し、なすすべなし。
2019年、36歳で亡くなりました。早期発見・早期治療が大切だと身にしみて感じる出来事でした。
ピーコは亡くなりました|2021年
ハオコグループの隣の展示場にはメスの「ピーコ」がいました。
ピーコは2021年12月2日推定51歳の国内最高齢で亡くなりました。1年ほど前から体調を崩していたので、覚悟はしていましたが。
第2放飼場で暮らしていたピーコの死亡により、現在はハオコの群れが第1・第2放飼場を行き来しています。
ピーコといえば布をかぶった姿でおなじみ。とくに赤いのがお好きなんだとか。おばあちゃんでも女子力高め。
岩の上にじっと座っている様子に、神々しささえ感じる素敵なゴリラでした。ありがとうピーコさん。
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上野動物園の7人のニシゴリラ。
愛嬌のあるリーダー「ハオコ」優しくつよい母「モモコ」面倒見のよいお姉さん「コモモ」まだまだおてんば「モモカ」小さくてもムキムキ「リキ」みんなの味方「トト」そして群れのなかで成長をはじめた「スモモ」
スモモが人工哺育となりましたが、2023年12月現在は群れのみんなで子を見守るゴリラ本来のすがたに戻っています。
モモコが元気になり、赤ちゃんが群れに加わり、7人そろった上野動物園のゴリラのこれからが楽しみですね!
それぞれの個性を知るとお気に入りのゴリラがきっと見つかるはずです。ぜひ時間をかけて観察してみてください。
以上、上野動物園のゴリラでした。
【参考】
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