ブチハイエナに会える動物園【日本に13か所】一覧とニュースまとめ
ライオンやヒョウとともにアフリカのサバンナの代表的な肉食動物「ブチハイエナ」
死肉をあさる様子からあまり良いイメージをもたれていないハイエナたちですが、実は豊かな表情や動きでたくさんの人々を魅了している人気動物です。
日本でブチハイエナに会える動物園の紹介とブチハイエナにまつわるニュースをお届けします!

ブチハイエナとは?
ハイエナはネコやイヌとは違った進化をとげたハイエナ科の動物。そのなかでも代表的な種が今回紹介するブチハイエナです。
- 食肉目 Carnivora
- ハイエナ科 Hyaenidae
- ブチハイエナ属 Crocuta
- ブチハイエナ Crocuta crocuta
- ブチハイエナ属 Crocuta
- ハイエナ科 Hyaenidae
- IUCNレッドリスト 低懸念(LC)
- 生息 サハラ砂漠以南 3~5万頭
- 体長 オス100m メス110cm
- 尾長 25cm
- 体高 80cm
- 体重 オス50kg メス55kg
ブチハイエナはアフリカ・サハラ砂漠より南の地域に広く生息しています。サバンナや森林、山地などさまざまな地域で観察されています。
生息数は3~5万頭ほど。現在のところ絶滅のおそれはありません(IUCNレッドリスト低懸念)。
一方で、西~東アフリカにかけて、ヒトとの対立により多くのハイエナが死亡。全体的な生息数は減少傾向にあります。
まだら模様・強い・大きい
淡い茶色の体毛に黒い斑点があることから名付けられました。マダラハイエナとも呼ばれています。
大きなものは全長1.6メートル、体重80kg以上にも成長するハイエナの最大種です。
ブチハイエナは目、耳、鼻すべてが優れており、実は狩りが得意。体力もあるので、時速60kmでターゲットを追いつづけることができます。
さらにブチハイエナの噛む力は哺乳類最強といわれています。硬い肉はもちろん、大きなスイギュウの骨も粉々にしてしまうほどの強さです。
他の動物が食べられない硬い部分を処理するブチハイエナは、サバンナの清潔を保つという重要な役目をおっています。
このように大きく強いブチハイエナは自然界でトップに君臨。ときにはライオンに立ち向かうサバンナ最強の動物の1種といえます。
くわしくは「ハイエナの真実【強く賢い】生態と特徴」をご覧ください。

ブチハイエナに会える動物園|13か所
2025年6月現在、国内13か所の施設でブチハイエナが飼育されています。
- 円山動物園
- ノースサファリサッポロ※2025年9月閉園予定
- 宇都宮動物園
- 大宮公園小動物園
- 千葉市動物公園
- 日本平動物園
- 天王寺動物園
- 池田動物園
- しろとり動物園
- のいち動物公園
- とくしま動物園
- 秋吉台サファリランド
- アフリカンサファリ※非公開
天王寺動物園「愛」が亡くなりました
2025年6月、大阪市・天王寺動物園のブチハイエナ「愛(アイ)」が亡くなりました。
晩年はバックヤード暮らしでしたが、25歳と長生きしてくれました。
愛はわたしが人生で初めて会ったブチハイエナであり、ハイエナの愛らしさを教えてくれました。さみしい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。
現在、天王寺動物園が飼育しているブチハイエナはオス「レイ」メス「ハナ」の2頭です。
2年連続赤ちゃん誕生!秋吉台サファリ
山口県・秋吉台サファリランドは2021年、2022年と2年連続繁殖に成功。ハイエナの群れ展示をおこなっている数少ない施設です。
父親は岡山市・池田動物園生まれのミライ(2016年生)。母親は2019年に香川県・しろとり動物園よりきょうだいとともにやってきたヤミー(2019年生)です。
ハイエナの群れ展示は珍しいので、ハイエナファン必見です!
ブチハイエナ飼育はじめました!徳島
2019年香川県・しろとり動物園で生まれ、山口県・秋吉台サファリランドへ移動した3つ子(ヤミー、キュル、ガブ)。
ヤミーは母となり、キュルはパートナーが見つかりました。スペースの関係から非公開となっていたガブ。2022年7月、とくしま動物園へ移動となりました。
とくしま動物園にとってはじめてのブチハイエナ飼育となります。健やかに過ごせますように。
ブチハイエナ3頭!繁殖に期待|千葉
千葉市動物公園は2020年7月よりブチハイエナを飼育しています。
当初は1頭のメス「イトゥバ」だけでしたが、12月にはオス「カロア」とメス「エサンドワ」がやってきました。
繁殖をめざしてペアリングをおこなうもののうまくいかず…。
検査をしたところ、なんとカロアはメスということが判明!
そのため、2023年10月にカロアは高知県・のいち動物公園へ移動となりました。そして、カロアの出園後、のいち動物公園生まれのオス「トーフ」がやってきました。
今後の繁殖に期待が寄せられています。
ブチハイエナ動物園での繁殖がむずかしい理由とは
飼育下でのハイエナ繁殖は、他の野生動物同様、容易ではありません。とくに、ハイエナの場合は2点特徴的な課題があります。
ハイエナの性別が変わる
ブチハイエナは一般にメスの方が大きく育ちます。さらに、メスはオスのような陰部をもつため、雌雄の区別がむずかしい動物です。
そのため、飼育途中で本当の性別が明らかになることが多々あります。
かつて、香川県・しろとり動物園ではオスと思われていたジェイが出産し、たいへんなニュースとなりました。この場合、メスと思われてたエナがオスだったので、結果としては良かったですが。
千葉市動物公園や円山動物園のように、ハイエナのペアを導入したつもりが、のちに同性と判明した場合は、繁殖計画を再考しなければなりません。
千葉市動物公園はハイエナの相互移動により、ペアリングが可能となりました。しかし、円山動物園はオス1頭の単独飼育となっています。
近年は、ハズバンダリートレーニング等技術の進歩によりDNA検査で性別判定を行い、このような事態を防ぐ対策がとられています。
ハイエナは死産が多い
また、特殊な陰部をもつメスハイエナの出産は母子ともに命を落とすこともあります。
繁殖相手の限られた飼育下ではメスの死亡により、あっという間にハイエナの数が減ってしまう可能性があります。
幸運なことに、日本では複数の動物園で複数回の繁殖に成功しています。
現在は、千葉市動物公園、高知県・のいち動物公園で繁殖が期待されています。
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
野生では絶滅のおそれがないといわれていますが、生息数は減少傾向。規制がない分、毎年たくさんのブチハイエナがヒトに殺されています。
強く賢く、そして愛らしい一面をもつブチハイエナ。ぜひ多くの方に見てほしい動物です。
以上、ブチハイエナに会える動物園でした。
【参考】
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