上野動物園ゴリラの赤ちゃんリキ!ゴリラの森の混雑具合は?2018年
2018年4月現在、上野動物園にはジャイアントパンダの赤ちゃんシャンシャンだけでなく、もうひとつ大目玉があります。
それは、2017年10月に生まれたニシローランドゴリラの赤ちゃん「リキ」です。
今回はリキとモモコを中心に、上野動物園のゴリラ舎の様子をお届けします。
9:40ごろ入園し、シャンシャン観覧整理券の時間が10:40から。時間の余裕があったので、わたしはまっさきにゴリラの展示場へと向かいました。
生後6か月のゴリラの赤ちゃんを見るのは初めて。期待に胸膨らませながら、足早に進みます。
ゴリラの繁殖
霊長目ヒト科に属するゴリラは繊細な性格。相手を選ぶこともできない環境における繁殖成功への道のりは、平らなものではありません。
野生では1頭のシルバーバックと数頭のメス、子どもからなる10頭前後の群れで生活するゴリラ。
一方、飼育下では単独で生活し、交尾のチャンスすら与えられないゴリラもいます。
くわしくは「ゴリラの正しい知識」をご覧ください。
ハオコとシャバーニ
そんななか、近年の日本のゴリラ繁殖に貢献しているのは、上野動物園のハオコと東山動植物園のシャバーニ。
2頭は2007年6月、オーストラリアのタロンガ動物園からやって来た兄弟。
ワシントン条約で商業目的の取引が禁止されているゴリラ。ハオコとシャバーニは、種の保全目的に来日しました。
繁殖能力が高いゴリラ兄弟!
2009年9月、ハオコとモモコの間に、日本では6年ぶりとなる待望の赤ちゃんコモモが誕生。
そして2012年11月にはシャバーニの子、キヨマサが誕生しました。
目的を果たしてくれた2頭のオスゴリラ。たいへん喜ばしいニュースでした。
さらに翌2013年には、ハオコとシャバーニの第2子となるモモカとアニーが生まれました。
今回誕生したリキはハオコの第3子となります。
ハオコとシャバーニのおかげで、日本ではゴリラが5頭も増えました。
もちろん、動物園側の群れを意識した展示場づくりの成果でもあります。
ゴリラの成長過程
上野動物園のハオコ一家は、まさにゴリラの繁殖周期に沿っています。4年間の育児を終え、モモコは新たに子を妊娠しています。
生まれたての赤ん坊リキと親離れし始めたモモカ、成熟に近づくコモモ。
ゴリラの群れにおける成長の様子を垣間見ることできます。
上野動物園のゴリラ一家
入園後まっさきにゴリラの展示場へ向かい、着いたのは9:50ごろ。まだ観覧客はほとんどいませんでした。
リキとモモコ
広い展示場の真ん中付近、石の上にいるモモコを発見!
わぁ~リキくん小さい!遠くて見えずらいですが、まぁるくつぶらな瞳がすごくキュート。
リキがお乳を飲む姿も見ることができました。
モモコにとってリキは第4子。子育てもなんのその。授乳しながら、鼻をほじるという余裕ぶり。
ちなみに、反対側の展示場からは岩が邪魔になって、リキの姿は見えませんでした。場所を変えながら観察するのが吉です。
コモモはおとなな対応?
奥に見えるのは、ハオコとモモコの長女コモモです。
今年9歳になるコモモは、以前見たときよりずいぶんおとなっぽくなっていました。将来、どこにお嫁に行くのか、非常に気になります…。
成長したコモモは、リキに固執することもなく、遠くから眺めている様子。
暴れるモモカ!
一方、次女モモカはリキに興味津々!遠くから近くから、ずっとリキとモモコを目で追っています。
構ってくれないのがつまらないのか、ハオコの近くに行ってみたモモカ。
ところが、ハオコもそっぽ向いているので、しょうがなくひとり遊び。藁をぐちゃぐちゃにしたり、巻き上げてみたり。
しばしばモモコの様子をうかがうハオコ。
ハオコにとっては初めてのオスの子ども。シャバーニとキヨマサのように、父子で遊ぶ姿を見れる日が待ち遠しいです。
ちなみに、奥の岩の上で横になっているのは、トト。
コモモとモモカにとってはおばあちゃんのような存在でした。しかし、今回わたしが訪れたときは、子どもたちとの絡みはありませんでした。
マイペースな父ハオコ
しばらくすると、ごろんと横たわるハオコ。
大きく威厳のある体格と対照的に、コミカルな行動と表情。展示場には歓声と笑顔があふれていました。
ゴリラは何度見ても飽きません。動物全般にいえることですが。毎度違う表情や動きを見せてくれます。
ハオコに夢中になっていると、いつの間にか場所を移動していたモモコとリキ。
コモモといっしょに、ハオコが寝ている場所とは反対側のガラスの近くにいます。
ハオコが完全に睡眠モードに入ってしまったので、モモカは移動をはじめました。わたしも急いで反対側へと向かいます。
大勢の観客に囲まれるリキ
リキを見たい人の山、ガラスすら見えない状態。
しばらく待つと隙間ができたので、必死にのぞきこみました。なんとリキが母親モモコから離れて、ひとりで座っていました!
なんとか撮った1枚。
あぁ画質がひどい…これほどまで一眼レフを恋しく思った瞬間はありません。見づらい写真で申し訳ないです。
ふとリキの体を見ると、ヒトの赤ちゃんと同じくらいのサイズなのに、すでに胸に影があるように見えます。
もしかして筋肉?ゴリラすごすぎる、とひとりで興奮。
そこに現れたのが、暇を持て余したモモカ。勢い良くリキのもとへ。
モモカがリキを略奪!
そして、小さいモモカが、さらに小さいリキを抱えました。
きのうもあの子が赤ちゃんを離さなくてたいへんだったのよ、と常連さん。モモコもどことなく不安そうな表情。
一方、モモカは周囲を気にすることなく、高い木の上まで連れて行きました。食事をしていたモモコもすかさず追います。
そのころシャンシャン観覧の時間が近づいてきたので、後ろ髪を引かれながらも一旦退却。そして、シャンシャンを見たあと、またゴリラの展示場へと戻ります。
まだ、リキを連れまわすモモカと取り返そうとするモモコのバトルが続いていました。
リキもお母さんのもとに帰りたそうです。
ただでさえ授乳で体力を使うだろうに、モモコお母さんはたいへんです。
家族に愛される子ゴリラ
最終的に、みんなで見守ろうと話し合ったように、リキを囲む母子。
いつの間にかコモモも加わってるし。
冷静なふりをして、やっぱり赤ちゃんに興味あったんですね。そして、不満そうな表情のモモカ。なんとなくハオコに似てます。
しばらくすると、麻袋までかぶって、不機嫌さをアピールする始末。
モモカはコモモ以上に子どもに興味があるようです。
彼女たちが、将来、モモコのように立派な母親になりますように。
上の写真では、ゴリラの赤ちゃん特有のお尻の白い毛が良く見えます。体毛が黒いため、認識しやすいです。
ちなみに、今年5歳になるモモカは、すっかり黒くなっています。
個性が光るゴリラたち
終始忙しそうなモモコとマイペースなハオコ。おとなへと成長しているコモモに、元気が有り余るモモカ。
それぞれがユニークでおもしろいハオコ一家です。
もちろん、トトとナナもいっしょに展示されていますので、お見逃しく。
【追記】2019年2月ナナは死亡しました。
上野動物園はどんどん人が増えてきますので、朝早いうちの方が動物たちを見やすいでしょう。
現在、ゴリラ展示場に人数制限はないため、時間をかければ必ずリキに会えます。
ジャイアントパンダもゴリラも絶滅が危惧され、飼育下での繁殖が困難といわれています。希少な動物のさらに希少な子ども。
チャンスがある方は、赤ちゃんが大きくなる前にぜひご来園ください。
【2021年10月 追記】リキは4歳をむかえずいぶんと凛々しくなっています。
zoo zoo diaryで紹介したゴリラ
現在、国内のゴリラは昨年誕生したリキを含めて、全部で21頭。7施設で飼育されています。
zoo zoo diaryでは、これまでに上野動物園を含め国内3か所のゴリラを紹介しています。それぞれ特徴があって、魅力的。
お時間ある方は、ぜひご覧ください。
ディスカッション
コメント一覧
お疲れ様ですシャバーニカッコいい‼️もうすぐGWだし1日くらいは動物園行きたいって思っています
フェルナンド・トーレスさん
コメントありがとうございます。
そうですね、わたしも動物園行きたいです。
GWは混雑が予想されますので、気を付けて行ってらっしゃいませ。