ふれあいと癒しの動物園・長崎バイオパーク!アクセスと動物紹介
カピバラとサルにさわり放題?!の動物園
長崎といえば、何を思い浮かべますか?
カステラやちゃんぽん?それとも平和公園や軍艦島でしょうか?長崎県は観光地や名物料理が多く、国内外問わず人気の県のひとつです。
では、長崎の動物園といえば?
・・・答えられない方も多いかもしれません。
そこで、今回は知られていないけど満足度の高い動物園「長崎バイオパーク」を紹介します。
長崎バイオパークとは?
実は、長崎には動物に自由にふれあえる癒し度満点の動物園があります!それが、西海市にある長崎バイオパークです。
長崎バイオパークは、30万平方メートルの敷地に約200種類の動物と約1000種類の植物を展示しています。動物好きな方も植物好きな方も楽しめる広大な施設です。
ただ、トラやライオン、ゾウ、ペンギンなどの人気動物は展示されていません!そのため、大型ネコ科動物が好きな方、草食獣から肉食獣まで幅広く見たい方等には物足りないかもしれません。
一方、カピバラやサル、カンガルーなどエサやりやふれあいができる動物が多く、普通の動物園とはひと味違った体験ができます。
自然と動物
長崎バイオパークは、ふれあいやエサやりを通して野生動物を身近に感じれる動物園です。
従来の動物園とは異なり、基本的に柵や檻は基本的にありません。動物にとって自然な環境を目指した展示を行っています。
そのため、写真の背景もナチュラル。鉄格子や網ではなく、池や草木と映る動物はまさに自然体に見えます。とくにカピバラやキツネザルなどのふれあい動物とは距離も近く、動物愛好家だけでなくカメラ愛好家にも人気のスポットです。
動物が好む環境、動物の声や匂いなど、自然と動物を五感で感じることができる施設です。
日本初!カバの人工哺育に成功
長崎バイオパークで一番の有名人は、カバのモモ。テレビや新聞などのメディアや絵本「泳げないカバ・モモ」で、ご存知の方も多いかもしれません。
1994年、長崎バイオパークは国内例のないカバの人工哺育を開始しました。母カバが育児できなかったためです。
ヒトの手で育てられたモモは立派に成長し、2001年に出産。参考にする母カバがいなかったにもかかわらず、モモはこれまでに5頭の子を育て上げました。
カバは、IUCNレッドリストの危急種に指定されている動物です。前例のないカバの人工哺育を成功させただけでなく、極めてまれなカバの繁殖にも貢献しています。
日本のカバ歴史に名を残す存在である長崎バイオパーク。カバ好きなら一度は訪れたい動物園です。
長崎バイオパークのアクセス
長崎県西海市という自然豊かな場所にある長崎バイオパーク。
当然ながら公共交通機関は発達していません。
車を利用すると、福岡市からは約2時間。長崎市や佐世保市からは小1時間の道のり。遠方の方は、空港や都市部でレンタカーを借りるのが無難です。
飛行機で
長崎空港は、長崎市と佐世保市の中間付近の大村市にあります。東京、大阪、名古屋、神戸との定期便が運航しています。
1階到着ロビーを出るとすぐバス停があり、長崎市や佐世保市行きのバスが出ています。また、連絡船を利用することもできます。
詳しくは、長崎空港ホームページでご確認ください。
福岡市方面から
新幹線ご利用の際は、博多駅もしくは新鳥栖駅で降車後、佐世保や長崎行きの電車に乗り換えできます。
直接バイオパークへ向かう場合は、ハウステンボス行きの電車に乗りましょう。ただし、佐世保行き「特急みどり」では、ハウステンボス駅まで行きません。ご注意ください。
ハウステンボスからは、長崎バイオパークへの無料シャトルバスに乗車できます。
長崎市方面から
長崎市方面からは路線バスで行けますが、乗り換えがあり複雑なのでおすすめはしません。
JR大村線もしくは高速バスに乗車すると、長崎市内からハウステンボスまで1時間半程度。そこから無料シャトルバスの利用がシンプルでしょう。
無料シャトルバス
ハウステンボス駅前とハウステンボス入国棟前からは、長崎バイオパーク行きの無料シャトルバスが運行しています。事前予約が必要なのでお忘れなく!
ちなみに、ハウステンボス駅前とはホテルローレライの玄関前。ハウステンボスと長崎バイオパークにアクセスしやすいホテルです。
【広告】長崎バイオパーク入園券付きプランがあるホテルはこちら
長崎バイオパークの営業案内
営業時間は10:00-17:00。最終入園は16:00と早いので注意。
入場料はおとな1700円、中高生1100円、3歳~小学生800円。動物園にしては高めですが、駐車場は無料です。
小動物とふれあえるペット・アニマル・ワールド(PAW)の1時間入館料とバイオパークのセット券はプラス300円。
PAWだけご利用の方は1時間500円。その後1時間ごとに追加料金500円がかかります。
ペット・アニマル・ワールド
PAWはイヌ、ネコだけでなくウサギやオウム、イグアナなどさまざまな動物が放し飼いされている屋内展示場。ヒトに慣れた動物が多く、お子さまに人気の施設です。
2020年4月には、コモンマーモセットの赤ちゃんが誕生しました。
長崎バイオパークのランチ
入口付近には佐世保バーガーショップ、アンデス広場にはレストランがあります。
おすすめは、レストラン「ケーナ」の蜂の家長崎カリー。佐世保の人気店の味をぜひご堪能ください。
お弁当や水筒は持参できるので、植物や動物を見つつピクニックも楽しめそうです。
長崎バイオパークのふれあえる動物たち
野生動物はヒトとの接触を避ける習性があり、ふれあいは当然難しいこと。
そのため、ふれあい動物園といっても柵越しでさわったり、エサやりの時間だけエサをあげれたり、制限のある場合が多いのは事実です。
しかし、長崎バイオパークには自由にふれあえる動物がたくさんいます。なかでも人気のある動物をご紹介します。
クロキツネザル
霊長目キツネザル科の動物。キツネザルの仲間は、アフリカ大陸南東に浮かぶマダガスカル島にのみ生息しています。大きな目と長い尾が、外見上の共通点。
クロキツネザルは、耳にふさふさの毛が生えているのが特徴です。オスは黒色、メスは灰~茶色の体毛が生えています。
本来は「キツネザルの島」の中にいたクロキツネザルたち。その一部が島から飛び出したことから、キツネザルとのふれあいは始まりました。現在は、リスザルの森でもクロキツネザルにふれあうことができます。
絶滅危機種VUに指定されているクロキツネザル。希少な動物が目の前にいるだけでもありがたいのに、自由にふれあえるとは信じがたい体験です。
こちらでは、キツネザルのエサが販売されています。賢いサルたちはヒトが来るとエサがもらえると、理解しています。
しかし、エサをもらうのも木の上にいるのも彼ら次第。満腹になる前の早い時間帯に行くのが吉です。
2021年3月、3頭のクロキツネザルの赤ちゃんが誕生しています。小さな体で必死に母サルにしがみつく姿に、生命力を感じますね。
カピバラ
南アメリカの水辺に生息するげっ歯目テンジクネズミ科の動物。
世界最大のネズミと言われるカピバラ、体長1メートル以上に成長します。毛は長く太いうえに硬いので、さわり心地はいまいち。しっぽは退化しており、ありません。
動きはゆっくりで非常におだやか。長崎バイオパークのカピバラはヒトにとても慣れているため、安全にふれあうことができます。手にのせたエサも食べてくれます。
のんびりとしたイメージのあるカピバラ。
実は、指の間には水かきがあり、スイスイと泳ぐ動物です。カピバラの池では、スイミングやダイビングなどカピバラの意外な一面を観察することができます。
一方で、暖かい地域に暮らすカピバラは、寒くなると池の中に入らなくなります。その代わり、長崎バイオパークでは、冬になるとお風呂が登場します。
カピバラが気持ち良さそうにお風呂に入る姿は、癒し効果抜群!要チェックです。
また、カピバラの赤ちゃんがたびたび誕生しており、生まれてしばらくするとふれあい広場デビューします。長崎バイオパークは、小さなカピバラにもふれあえるとても珍しい動物園です。
長崎バイオパークのトレードマークでもあり、大人気のカピバラ。
休日やイベントの際は混雑が予想されます。行列が嫌でも、面倒くさくても、動物と自分のために手洗いはしっかり行いましょう。
リスザル
霊長目オマキザル科。南米の熱帯雨林に生息しています。長崎バイオパークでは、全身が灰~黄褐色のコモンリスザルとふれあえます。
リスザルの森には柵やオリがありません。約40頭という大所帯のリスザルだけでなく、クロキツネザルやクジャクも自由に動き回っています。
エサを買うと、リスザルが一斉に集まって来ます。その勢いは、下の動画を見てみればおわかりいただけます。
荷物をすべて整理し、手ぶらで挑むのが吉。長崎バイオパークでぜひご体感ください。
カンガルー
有袋目カンガルー科。ご存知オーストラリアに生息するおなかに袋を持つ動物です。長崎バイオパークでは、大型のオオカンガルーを飼育しています。
リスザルの森を抜けると、カンガルーの群れが見えてきます。広場ではカンガルーと自由にふれあうことができます。
見た目以上にふさふさでやわらかいカンガルーの毛。一度さわると癖になります。キックボクサーのイメージがありますが、バイオパークのカンガルーたちはとても温厚です。
みなさんも思う存分、カンガルーとのふれあいを楽しんでください。
長崎バイオパークで会える動物たち
ふれあえる動物が多い長崎バイオパークですが、当然ふれあえない動物もいます。
しかし、自然豊かなバイオパークの放飼場で見る動物は、檻や柵の中にいる動物とは異なる表情を見せてくれます。
長崎バイオパークで飼育されている、さわれないけど注目すべき動物たちを紹介します。
オオコウモリ
翼手目オオコウモリ科。長崎バイオパークでは、インドに生息するインドオオコウモリが飼育されています。全国で4カ所の動物園にしかいない珍しい動物です。
オオコウモリは、一般的なコウモリと同じ夜行性。開園中は活発ではなく、フラワードームからライブドームへの通路入口の展示用の木にぶらさっています。
遮るものがないため、オオコウモリにさわれそうな距離から見れます。翼の質感や首元の毛、耳や鼻までゆっくりと確認できる、数少ない施設です。
オオコウモリは、フルーツを好む植物食。また、超音波を使わないなど、翼手目のなかで独特の進化を遂げています。
くわしくは「果物大好きオオコウモリ【生態と特徴】コウモリと同じところ違うところ」をご覧ください。
立派な翼手と可愛いお顔に注目してみてください。
ケープハイラックス
イワダヌキ目イワダヌキ科。アフリカに生息する体長30センチほどの小さな動物です。
2017年に広島市・安佐動物公園から20匹のハイラックスがやって来ました。九州では長崎バイオパークにしか展示されていない動物です。
大きなガラス越しの放飼場で、元気に動きまわるハイラックスを見ることができます。動きが速くワクワクさせてくれる動物です。
2018年、2019年と続けて赤ちゃんも誕生。すっかりバイオパークに慣れている様子です。
アメリカビーバー
カナダの国獣として有名な、北アメリカ大陸に生息するアメリカビーバー。げっ歯目ビーバー科の動物です。
河川や池などの湿地帯を好み、ダムをつくって生活しています。
つまり、ビーバーは水の中を棲み処とするネズミ。そのため、水中に適した進化をとげています。
ビーバーの後ろ足には立派な水かきがあります。また、平たい尾は素早く泳いだり、方向を変えたり、水中でその威力を発揮します。
ビーバーは夜行性。お昼は寝ていることが多いです。
泳いでいるときには、ビーバー本来の動きを観察することができます。しかし、水の中にいるビーバーは非常に速く、写真撮影は至難の技。
じっくり観察するには食事中か睡眠中がおすすめです。
バク
奇蹄目バク科。世界には4種類のバクが存在します。バクは生息数が減少しており、絶滅が心配されている動物です。
長崎バイオパークでは、そのうち2種のバク(ブラジルバクとマレーバク)に会うことができます。
ブラジルバク
ブラジルバクは南米に生息しており、アメリカバクとも呼ばれています。
ブラジルバクの体毛は灰褐色、体はマレーバクより少し小さめ。耳の間から首にかけての盛り上がり部分が、ブラジルバクの特徴です。
なんだか地味な雰囲気と思ったあなた!お顔をじっくり見てください。
小さな目にぬんとした表情がかわいらしい、癒し動物なんです!ぜひ注目して見てください。
マレーバク
マレーバクは、マレー半島などアジアに生息しています。「バク」というと、ブラジルバクではなく白黒のマレーバクを想像する方が大半でしょう。
上唇と一体化した長く器用な鼻と、耳先の白いふちどりは、バクの共通点。マレーバクは顔が黒いため、より目立ちます。
マレーバクは、ブラジルバクに比べると体が大きめ。そして、鼻(上唇)が長めです。
2015年12月、マレーシアからオスのイム(当時2歳)とメスのバルタム(当時3歳)が来園。長崎バイオパークでのマレーバク展示のはじまりです。
その4か月後の2016年3月、驚くことにバルタムがプルサ(オス)を出産しました。
マレーバクの妊娠期間はおよそ400日。つまり、バルタムは来園時すでに妊娠していたのです。長距離・長時間の移動はさぞたいへんだったでしょう。母子ともに健康でなにより。
さらに、2017年12月にはプルサの弟となるジャムが誕生しました。
写真を見てわかる通り、マレーバクの赤ちゃんはおとなと見た目が違います。
イノシシの赤ちゃん・うり坊と同じような模様が入っています。これは、木漏れ日などにまぎれ、身を守るためと考えられています。
バクの子どもの斑模様が見れる期間は、半年ほど。あっという間に立派な白黒になります。
貴重な赤ちゃんバク、一度は見たいものです。
フサオマキザル
南米大陸の熱帯雨林などに生息するオマキザル科の動物。
よく見ると頭に長い毛が生えており、「フサ」と付けた学者さんの気持ちがわかります。
広い池には2つの島。木の枝で橋がつくられており、自由に行き来できるつくりです。おとなりの広場からカピバラたちが上陸していることもあります。
フサオマキザルは、知能が高いことで知られています。とくに手を使い道具を使って、木の実を割ったり貝を割ったりすることで有名です。
長崎バイオパークでは、竹で作られたフィーダー(容器)を用いてエサをあげていました。竹筒を木に押し当てて転がし、エサを取り出す様子を見れました。
フサオマキザルの頭の良さを観察できる給餌法です。
また、観覧スペースには、エサを飛ばすためのパンチが取り付けてあります。なかなか思ったところには、飛んでいきませんでしたが。そこは、フサオマキザルの身体能力の高さでカバー。
器用な手の動きもじっくり観察できるので、ぜひエサやり体験してみてください。
レッサーパンダ
食肉目レッサーパンダ科。日本にいるほとんどのレッサーパンダは、シセンレッサーパンダ。中国南部の標高が高く、涼しい地域に生息しています。
長崎バイオパークのレッサーパンダは、広い屋外の放飼場と小さなガラス張りの小屋で展示されています。
暑さが苦手なため、寒い季節の方が元気な姿を見ることができるでしょう。
長崎バイオパークのレッサーパンダは、現在3頭。
安佐動物公園生まれのシイは、2020年1月、19歳で死亡。ご長寿レッサーパンダでした。
ペアで展示されていた徳山動物園生まれのアイアイ(2002年生)も、長生きしています。アイアイは一般的なレッサーパンダより白い毛が多く、特徴的なレッサーパンダです。
さらに、安佐動物公園生まれのダイチ(2006年生)と、とべ動物園生まれのキキ(2007年生)が飼育されています。
ワオキツネザル
ふれあえるクロキツネザルと同じ、霊長目キツネザル科のワオキツネザル。白いお顔に、縞模様の長い尾が目を引くキツネザルです。
クロキツネザルの島の隣にあるワオキツネザルの島。同じようなつくりですが、ワオキツネザルは島から飛び出ていません。そのため、少し距離がありますが。
緑豊かな島は、ワオキツネザルにとって居心地が良いのかもしれませんね。
2018年、2019年と続けて赤ちゃんが誕生しています。
カバ
長崎バイオパークを語るのに、この人気者なくして語れません!それは、カバのモモ一家です。
モモは、日本で初めて人工哺育に成功したカバです。今では見事なカバとなり、立派な母親になりました。
モモのご両親ドン(1980年生)とノンノン(2020年没)、そしてモモのご主人ムー(2012年没)と家族仲良く暮らしていました。
2015年、神戸からモモの新しい旦那さん出目太が来園。翌2016年10月には、オスのテトが誕生しました。
2021年4月現在、4頭のカバ(ドン、モモ、出目太、テト)に会うことができます。
放飼場は、大きな池が2つと小さなスペースが1つ。大きな池は天然のような水場で、野性味を感じさせてくれます。小さな展示場は観覧者に近く、イベントスペースとなっています。
夏にはスイカをまるごと食べるカバ、冬には打たせ湯に入るカバを見ることができます。
[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
長崎バイオパークはいかがでしたか?
カピバラ、サル、カンガルー、カバが好きな方は大いに満足できる動物園です。とくに、カバ好きなら死ぬまでに訪れておきたい場所のひとつでしょう。
今回紹介しきれませんでしたが、、スカンク、ミーアキャット、キリン、ラマなど、まだまだたくさんの動物に会えます。
長崎バイオパークは、普段ふれあえない動物にさわったりエサをあげたり、また、生息環境を見たり動物の匂いや声を聞いたり、動物を五感で楽しめる施設です。
さらに、自然豊かな園内を歩くだけで森林浴さながら。フラワードームには、珍しい植物も展示されていますので、植物が好きな方にもおすすめです。
今度の旅行は、ぜひ、ふれあいと癒しの動物園「長崎バイオパーク」へ!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません