コアリクイに会える動物園【2022年赤ちゃん誕生】14か所
アリを主食とする不思議な動物「コアリクイ」
日本では13の動物園と1の水族館で飼育されています。
コアリクイとはいったいどんな動物か予習してみましょう!
コアリクイとは?
有毛目オオアリクイ科コアリクイ属。
環境や亜種により体格差があり、体長は40~80cm。体重も2kg~8kgと幅があります。尾は50cmほどと長く、ものをつかむことができます。
全体はクリーム色。肩から背中や横腹にかけては黒い毛が生え、まるで洋服を着ているように見えます。
このコアリクイ特有の模様も地域差や個体差がおおきく、薄いものや濃いものなどバラエティ豊かです。
名前のとおり主食はアリやシロアリ。細長い顔と長い舌で上手に舐めとります。
コアリクイは夜行性。いちにちの半分以上を木の上で過ごす木登り上手な動物です。
コアリクイの種類|1属2種
コアリクイ属の動物は2種「キタ」と「ミナミ」にわけられます。
- 有毛目 Pilosa
- アリクイ科 Myrmecophagidae
- コアリクイ属 Tamandua
- キタコアリクイ Tamandua mexicana
- ミナミコアリクイ Tamandua tetradactyla
- コアリクイ属 Tamandua
- アリクイ科 Myrmecophagidae
キタコアリクイの生息地はメキシコ南部からペルー北部の森林や草原。
ミナミコアリクイは南アメリカ大陸ベネズエラからアルゼンチンおよびウルグアイ北部にかけて、アンデス山脈より東部の森林や草原などで確認されています。
いずれも順応性がたかく広く分布していることから、絶滅のおそれはない動物(IUCNレッドリスト低懸念)です。
形態や生態は似ているものの、キタコアリクイは特徴的な黒い毛が疎に生えており、うっすらとした模様です。
キタコアリクイに会える動物園【1か所】
2022年10月現在、キタコアリクイは伊豆シャボテン公園のみ。ミナミコアリクイは14の施設で飼育されています。
伊豆シャボテン動物公園だけ!
最近まで日本ではミナミコアリクイしか飼育されていませんでした。
そんななか2019年5月、静岡県・伊豆シャボテン動物公園にキタコアリクイがやってきました!
オスの「ロコ」とメスの「ギアナ」の2頭。
しかもギアナは来園時妊娠しており、来園翌月にオスの赤ちゃん「エル」を出産しました。
ちなみに2頭の生年・来園元やエルの父親は公表されていません。
2022年5月にはメスの赤ちゃんが誕生しました!
ミナミコアリクイに会える施設【14か所】
2023年1月現在、日本動物園水族館協会(JAZA)HPではミナミコアリクイの飼育施設は12園となっています。
調査したところ、愛媛県・とべ動物園とJAZA非加盟1園(ノースサファリサッポロ)でもミナミコアリクイが飼育されています。
北海道~関東
- ノースサファリサッポロ
- 那須どうぶつ王国
- 埼玉県こども動物自然公園
- 上野動物園
- 野毛山動物園
- サンシャイン水族館
中部~四国
- 伊豆アニマルキングダム
- 伊豆シャボテン動物公園
- 東山動植物園
- 神戸どうぶつ王国
- 姫路市立動物園
- 姫路セントラルパーク
- のいち動物公園
- とべ動物園
草津熱帯圏にミナミコアリクイはいません|2022年9月
群馬県・草津熱帯圏のミナミコアリクイのオス「イチ」が2022年9月に亡くなりました。
イチは2013年生まれ。名前はすこし違いますが誕生日が同じなので、静岡県・伊豆アニマルキングダムでミナミとリクのあいだに生まれた「イチロウ」と推定されます。
イチの死亡により草津熱帯圏のミナミコアリクイは0頭になりました。
伊豆で群れるコアリクイに会えます
伊豆シャボテン動物公園では毎年のようにミナミコアリクイの繁殖に成功しています。
2019年からは父「ドン」と母「ココア」のペアが大活躍!
ココアは伊豆アニマルキングダムで生まれ母親の愛情をうけて育ちました。
しかし、ココア自身は育児ができない個体となってしまったようです。ざんねんなことですが子どもたちは人工哺育にて元気に育っています。
2022年2月にはメスの赤ちゃん「つむ」が誕生!7頭の大家族となり、伊豆シャボテン動物公園の大人気動物となっています。
伊豆シャボテン動物公園は2種のコアリクイに会える唯一の動物園です。コアリクイ好きなら一度は行きたい場所ですね。
サンシャイン水族館のタエ ※非公開
東京都・サンシャイン水族館ではパラグアイより来園したメスの「タエ」が人気者でした。
推定2003年生まれのタエは高齢のため下剤はバックヤードにいるようです。死亡のニュースは見つかりませんでしたが、どう過ごしているか謎です。
現在のところ、コアリクイに絶滅のおそれはありません。
一方で一部地域では開拓によりコアリクイの生息地が脅かされています。
寒さに弱いアリクイ。日本の動物園では温度管理が大切となっています。
また、動物園でアリクイの主食であるアリを大量に用意することは不可能。そのため、野生アリクイと飼育下アリクイの食事はまったく異なるものとなっています。
本来の生息地や生態とかけはなれたところで暮らすことに違和感を感じずにはいられませんが。
動物園は動物福祉の向上をめざして試行錯誤しながら飼育・展示にとりくんでいます。
不思議な動物コアリクイに会いに行ってみてください。
以上、コアリクイに会える動物園でした。
【参考】
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