福岡市動物園のビントロングの子孫【動物の家系図】2023年1月
福岡県福岡市からほど近い位置にある福岡市動物園。
日本固有種ツシマヤマネコの保全活動をリードする動物園として有名です。
そんな福岡市動物園はかつて日本ビントロング界の祖といえるペアを飼育し、ビントロングの繁栄におおきく貢献しました。
今回はあまり注目されない動物「ビントロング」の歴史をさぐります!

コロン|1996年~2018年9月
福岡市動物園のビントロング歴史の発端は「コロン」1996年8月5日神戸市・王子動物園で生まれ、1999年7月に福岡市へやってきました。
王子動物園はコロンの前年1995年にメスの「こうめ」が誕生しています。コロンと血縁があるかはわかりませんでした。
ペアとなったオスの名前はわかりませんでした。コロンと同時期に鹿児島市・平川動物公園よりやってきました。
そして2007年5月、メスの「チャコ」オスの「ビンカ」が生まれました。
チャコは2008年に父の故郷である平川動物公園へ移動。その後2頭のオスとペアリングに成功し、たくさんの子をのこしています。
一方のビンカは2007年に転出。阿蘇カドリー・ドミニオンや大阪市・海遊館(NIFREL)をへて現在は愛媛県・とべ動物園で飼育されています。
ざんねんながらオスが2009年に死亡。つまり、ビントロングの祖であるコロンペアの子は2頭だけ。
以降は、娘「チャコ」の活躍が光ります。
コロンは2018年9月に亡くなりました。22歳と長生きでした。
コロンの家系図
2023年1月現在()内は年齢順
- コロンの子 2頭(チャコ、ビンカ)
- コロンの孫 11頭(サーム、ティガ、ティナ、キュート、シュート、コウ、ダイ、ユキ、フク、ラブ、ルビー)
- コロンのひ孫 1頭(サン)

2014年開催の九州ビントロング祭のポスターに阿蘇カドリー・ドミニオンの「サーム」「ティナ」の曾祖母が平川動物公園の「ノエル」だと記載されていました。
ノエルは1995年4月生まれ。2019年6月まで生きたご長寿ビントロング(満24歳)でした。名前不明のオスの母親と推定されます。
ビーン|2003年9月~
平川動物公園からやってきたオスが2009年に亡くなった翌年、あらたなオス「ビーン」がやってきました。
2003年9月15日生まれと誕生日ははっきりしているものの、どこからやってきたか見つけられず。
すこし神経質な性格というビーンですが、トロンとの繁殖に成功。また、高齢のコロンと仲良く過ごすなど社会性のあるビントロングです。
トロン|2009年1月~
日本にいる海外生まれのビントロングのおおくはタイのカオキオ動物園から導入されています。
福岡市動物園の「トロン」もその1頭。2012年6月にオスの「ダム」といっしょにやってきました。
トロンは先に来園していたビーンとペアリングに成功しました。
3回の出産のうち2回目の子は成育しませんでしたが、1回目の「コーン」「シャロン」3回目の「ブーン」は元気に成長しました。
子どもたちは福岡市をはなれ、新天地で繁殖に成功しています。
ビーンとトロンの家系図
2023年1月現在()内は年齢順
- トロンとビーンの子 3頭(コーン、シャロン、ブーン)
- トロンとビーンの孫 3頭(ガンタン、ルチュ、サン)
- トロンとビーンのひ孫 7頭(アイル、ウータン、ウダーラ、ウタール、ルビー、タン、ポポ)

2021年11月には、愛媛県・とべ動物園で生まれたトロン・ビーンのひ孫「ルビー」が福岡市動物園にやってきました。
お気づきでしょうが、ルビーはコロンの孫でもあります。福岡市動物園で飼育していたビントロングの血をうけつぐルビー。感慨深いものがあります。
福岡市動物園のビントロングの家系図をまとめると…
すこし複雑な図になります。
が、福岡市動物園の「コロン」や「トロン・ビーン」の血をひくビントロングがこれだけたくさんいるということが分かると思います。
今後は「ルビー」が福岡市動物園のビントロングの将来をになうことになるでしょう。

いまわたしたちが動物園でビントロングに会えるのは繁殖をつづけてきた動物園の歴史があるからです。
ビントロングは絶滅のおそれがある動物(IUCNレッドリスト危急)です。紙やパーム油をつくるために森林が壊されたり、ペット用に密猟されたり、その数は減りつづけています。
これからも愛らしく香ばしいビントロングが健やかに過ごせるよう、紙や木材の節約・リサイクル、パーム油製品の選択など自然にやさしい生活を心がけましょう!
【関連記事】森林破壊と紙・パーム油について(動物のためにできること)

[広告]不要なものは買わないことが一番。必需品は売上の一部が寄付されるような商品を選ぶことで、自然や動物またはヒトをまもる活動につなげることができます。
【参考】
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