カンガルー好きの聖地!ひびき動物ワールド
オーストラリアに生息する動物と言えば?
多くの方が「カンガルー」と答えられるでしょう。遠い日本の地でも非常に親しみのある動物です。
日本全国の動物園で展示されているカンガルー。脇役のイメージがあるかもしれませんが、世の中にはカンガルーしかいない動物園があります。
それが、今回紹介するひびき動物ワールドです。
カンガルー好きなら死ぬまでに一度は行きたい動物園です。
ひびき動物ワールドとは?
200頭以上のカンガルーを飼育するひびき動物ワールドがあるのは、福岡県北九州市若松区。
グリーンパークという「水・緑・そして動物たちとのふれあい」をテーマにした大きな公園内にある小さな動物園です。
芝生広場や植物園、湖にサイクリングコースなど、盛りだくさんのグリーンパーク。季節ごとに桜やバラなどさまざまな植物を展示しています。
小さなお子さんからおじいさん・おばあさんまで楽しめる施設です。
ひびき動物ワールドのアクセス
電車とバス
新幹線ご利用の方は、小倉で下車。北九州空港からは、連絡バスで小倉に移動できます。
小倉駅からJR鹿児島本線に乗車し、およそ30分。グリーンパークの最寄駅(折尾もしくは二島駅)に到着します。
博多からはJR鹿児島本線で1時間弱の距離です。
折尾駅は特急列車の停車駅。特急列車を利用すると小倉からは20分、博多からは30分。ちなみに、小倉からは快速でも20分ほどで折尾に着きます。
折尾駅もしくは二島駅からグリーンパークまで市営バスで30分。3/1~11/30の間だけ、折尾駅西口からグリーンパークへの直通バスが運行しています。
いずれも、運行本数が少ないのでお気を付けください。
車がおすすめ!
ひびき動物ワールドへ公共交通機関のみで行くのは、かなり時間がかかります。
そのため、自家用車もしくはレンタカーの利用がおすすめです。
車だと北九州市中心部から30分ほど。福岡市中心部からは、およそ1時間15分で着きます。
ひびき動物ワールドの営業案内
グリーンパーク入園料はおとな150円、小中学生70円。
ひびき動物ワールドはグリーンパーク内の有料施設。別途おとな300円、小中学生150円、一部地域(北九州市、福岡市、下関市、鹿児島市、熊本市)在住の65歳以上の方は、90円を支払います。
お得な4枚つづりの回数券が、おとな1000円、小中学生500円、65歳以上300円で販売されています。また、到津の森公園の会員証をお持ちの方は入園料は無料です。
駐車場は南と北の2カ所、料金は1日300円。繁忙期には臨時駐車場も開かれるので安心。動物園目当ての方は、南駐車場をご利用ください。
営業時間は9:00~17:00。休園日は、火曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始(12月27日~1月1日)。その他臨時開園日・休園日がありますので、公式HPにて要チェックです。
ひびき動物ワールドのカンガルーたち
カンガルーの聖地ひびき動物ワールド。展示動物はカンガルーのみという、一途な動物園です。
ひびき動物ワールドの入口はとてもレトロ(変わっていなければ)。正直、本当に200頭ものカンガルーがいるのかと不安になるような門です。
敷地は一般的な動物園より狭く、園内に入ると全貌が見渡せます。
入園ゲートを背に、右手がロックワラビーの岩山。左手がワラルー展示場。そして、中央にカンガルー広場があります。
イエローフティッド・ロックワラビー
ゲートを通るとすぐ現れたのは、小さなワラビー。その名は、イエローフティッド・ロックワラビー。
生息地はオーストラリア東南の限られた地域。崖や岩場を好んで暮らしています。警戒心が非常に強く、ヒトが住むエリアには現れません。
多摩動物公園、埼玉県こども動物自然公園を含む、3か所の施設でしか会うことができない珍しいカンガルーです。
体長60センチ前後、体重10キロほど。小さなカンガルーですが、体と同じくらいの長さの尾を持ちます。全体的に灰褐色。頭頂部から背中には黒い筋があり、頬は白く目立ちます。
手足は黄みが強いため、yellow-footed(黄色い足の)と名付けられました。
尾には黒い輪状の模様があり、ring-tailed(輪尾の)とも呼ばれています。和名は、シマオイワワラビーです。
オーストラリア人も驚く?!ロックワラビーの数
ひびき動物ワールドでは、オーストラリアより輸入した個体から飼育を開始。
ロックワラビーのために傾斜のある岩山が再現されています。
スタッフさんの努力の甲斐あり、ひびき動物ワールドではロックワラビーの繁殖に成功。現在では、120頭ほどが飼育されています。
オーストラリアでもこ、れほど多くのイエローフティッド・ロックワラビーを見ることはできないのだとか。オーストラリアの動物関係者が来園した際、たいへん感心していたそうです。
開園直後に行くと、ワラビーたちは朝ごはん中でした。
カメラを向けると、食事中だったワラビーがこちらを凝視。思わず「ごめん」と声が出てしまいそうです。写真1枚だけでも、警戒心の強さが伝わってきます。
一方、好奇心旺盛なものは、柵を飛び越え脱走。園内を探索しています。とはいえ、持って生まれた性格は変えられず、影に隠れていたり近寄ったら逃げたり。臆病さは否めません。
しかし、ふれあえる個体が数頭だけいます。入り口で出迎えてくれた個体はとくに人馴れしており、さわっても全く動じませんでした。
以前は、ロックワラビーの有料エサやりイベントを実施していました。ふれあえるだけでなく、普段は入れない岩山エリアに入場。さらにワラビーとの記念写真付きと、特典満載のイベントでしたが、現在は中止されています。
超希少!ロックワラビーの赤ちゃん
さすが、100頭以上のイエローフティッド・ロックワラビーが暮らすひびき動物ワールド。たいへん貴重な赤ちゃんにも会えました。
最近袋から顔を出したばかりというイエローフティッド・ロックワラビーの赤ちゃん。可愛い姿を見れてラッキーでした。
イースタン・グレーカンガルー
ひびき動物ワールドでは、100頭以上のイースタン・グレーカンガルーを飼育しています。
2019年4月26日より、カンガルーとふれあえる時間が設けられました。
オオカンガルーのふれあい時間 11~12:00/13~15:00
上記外の時間は柵の中に入ることはできません。通路からカンガルーを見ることはできます。
以前は、オスもメスも子どもも同じエリアに放飼されていましたが、2021年1月よりおとなオスは分けて飼育されています。ふれあえるのは、メスと子どもたちです。
オーストラリア東部の森林や草原地帯に生息するイースタン・グレーカンガルー。和名はオオカンガルー。別名ハイイロカンガルーです。
カンガルーの仲間では最大。とくに、オスは体重50キロ、全長2メートル以上に成長します。背筋を伸ばしたオオカンガルーは、成人男性に匹敵する大きさ。
最大級のものは、体重91キロ、全長2.9メートルと記録されています。
ワラビーを見たあとだと、いっそう大きく感じます。
オオカンガルーとふれあえる!カンガルー広場
ひびき動物ワールドの開園直後、9時過ぎのカンガルー広場の様子。
飼育員さんが忙しそうにエサを置いています。遠くから飛んでくるカンガルーたち。多すぎて、とても数えられません。
本来カンガルーは臆病な性格。人間に馴れやすい動物ではありません。赤ちゃんのころからヒトと接する環境で育ったからこそ、自由にふれあえるのです。
ふれあえるカンガルーは動物園の人気者。多くの施設から譲渡のオファーがあるそうです。以前紹介した長崎バイオパークのカンガルーも、ひびき動物ワールド出身だと教えてもらいました。
カンガルーの争いと飼育員さん
おとなしいイメージのカンガルー。実は、エサを巡る争いが日々行われています。
わたしが見ている間も、ところどころで小競り合いが勃発。大きな体を起こし、胸を張ってお互いをけん制しています。
猫背で横になっていることも多いカンガルー。立つ姿を見れて喜ぶわたしと反対に、小さなお子さんたちは怖がってしまいます。
そこで、飼育員さんの登場。カンガルーの間に割って入り、仲裁。あっという間に争いは終了です。
筋肉質なオスのオオカンガルーを相手に怖くないのかな、と思っていると
「僕たちはエサを持ってくるから、襲われないんです」
と飼育員さん。
たくさん食べたくて喧嘩してるのに、エサをもらえなくなったら本末転倒。カンガルーも理解しているのでしょう。
しかし、ときにはヒートアップして、なかなか止められないこともあるんだとか。
通常はみんな仲良く並んで食事。カンガルーの丸い背中しか見えません。
そして食事が終わると、次々と寝転がります。仲間に蹴られようが乗られようがなんのその。隙間を見つけては横たわります。
カンガルーたちを踏まないように、足元を見ながら移動しましょう。
オオカンガルーの赤ちゃん
100頭以上のカンガルーがいるということは、もちろん赤ちゃんもいます。
カンガルーの赤ちゃんといえば、袋から顔を出している姿がおなじみ。
母親の袋から飛び出すのは、毛が生えそろうころ。写真の赤ちゃんは、出たり入ったりしていました。
なかには、まだ毛の生えていない赤ちゃんもいました。出袋し始めたばかりだったのでしょう。まだカンガルーらしいカンガルーではありませんが。生命の誕生を彷彿とさせます。
写真が撮れず紹介できませんでしたが、ロックワラビーとオオカンガルーの他、ケナガワラルーとフサオネズミカンガルーが飼育されています。
どちらも珍しいカンガルーなので、お見逃しなく。
ひびき動物ワールドは現在、4種200頭以上のカンガルーを飼育しています。ヒトに慣れたオオカンガルーとふれあうことができる、癒しの動物園です。
飼育員さんはカンガルーの癖や飼育面で大変なことなど、いろいろ教えてくれます。みなさんも来園した際はぜひお話してみてください。
もっとカンガルーのことに興味を持ち、もっとカンガルーを好きになるでしょう。
アクセスは難ありですが、500円以下でフレンドリーなカンガルーと楽しい時間を過ごせます。
カンガルー好きなら一度は行くべき動物園です!
以上、ひびき動物ワールドでした。
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