カワウソとボンネットモンキー!ときわ動物園だけの混合展示

カワウソとボンネットモンキー|ときわ動物園4

山口県宇部市ときわ動物園。アジアの森林ゾーンにはさまざまなサルが展示されています。

ときわ動物園3では、国内2か所にしかいないトクモンキーについて詳しくお話しました。

今回はサル以外の動物も登場します。それは、動物園でも水族館でも人気のコツメカワウソです。

コツメカワウソ

東南アジアの河川流域に生息するイタチ科の動物。日本では最も多く飼育されているカワウソです。

ときわ動物園のコツメカワウソ

ときわ動物園では2016年10月に4頭、2017年9月に1頭と、2年続けて赤ちゃんが誕生しました。

一時は、7頭の大家族で過ごしていたコツメカワウソたち。

2018年、4つ子のうち2頭のメス(クスとコト)は周南市徳山動物園へ移動。1頭のオス(カイ)と父ボンはバックヤードに移されました。

現在わたしたちが目にできるのは、母リン、姉キワ、弟ショウの3頭。

ところで、なぜ仲の良い家族をわけてしまったのでしょうか?

それは、繁殖制限があるからです。

繁殖制限とは?

文字通り、繁殖しないよう制限すること。繁殖率の高い動物において、繁殖制限が行われるのは稀ではありません。

同じ組み合わせの子どもが増えてしまうと、将来、血縁関係がある個体ばかりになってしまいます。繁殖させたいのに、相手が親族しかいない、という望ましくない状態です。

ホワイトタイガーで取り上げたように、近親交配で生まれた子は免疫が劣る傾向があります。繁殖はおろか、成熟前に亡くなる場合も考えられます。

つまり、血統の多様性が失われるということは、種が途絶える危険性があるということです。

野生や他の動物園から新しい個体を導入できなければ、動物園の動物はいなくなるかもしれません。そのような事態を避けるために、状況を見ながら繁殖させる必要があります。

以前記載したように、コツメカワウソはペットとして人気が高まっています。ペットショップで売られているコツメカワウソは、動物園で増えすぎた個体が転売されています。

家族で暮らすコツメカワウソ。一方は動物園で、一方は一般家庭で……とても複雑な選択です。

全員が大切に扱われ、幸せに暮らせるようにと願うばかりです。

ときわ動物園 コツメカワウソ

ここには、サルはいないなと思ったあなた!驚くなかれ、なんとカワウソのプールの向こうにサルがいます。

ときわ動物園では、日本で唯一コツメカワウソとボンネットモンキーを同じ空間に放飼しています。

ボンネットモンキー

インド南部に生息するオナガザル科の動物。

前回登場したトクモンキーと近縁とされ、同様の特徴(細身で小型、長い尾)があります。

そして、名前の由来も同じ、帽子つながりです。

特徴

背側は茶、腹側は白っぽい体毛。顔は肌色です。

放射状に生えるトクモンキーとは異なり、真ん中から側面に向かって毛が生えています。頭頂部の毛は黒いため、まさに前髪のようです。

ときわ動物園 ボンネットモンキー
頭頂部の真ん中に分け目がある

ボンネットモンキーは、果物を好むことから森林で生活しています。

一方、農地や市街地でも確認されており、さまざまな環境に対応できると考えられています。

ときわ動物園のボンネットモンキー

ときわ動物園の広い展示場には、国内最多およそ50頭のボンネットモンキーが暮らしています。午前と午後、群れを入れ替えて展示しています。

2018年には3頭のメスが出産しました。

その中でも5月1日に出産したチーは、けがにより左腕を失っています。最初は、赤ちゃんの扱いに苦労していましたが、すぐにコツを覚えて群れに合流したそうです。

ハンディキャップがあろうとなかろうと、母は強し。

ちなみに、コツメカワウソとボンネットモンキーの観覧スペースは、水辺があるガラス前以外に、2か所あります。

ときわ動物園 ボンネットモンキー

いろいろな角度から動物をチェックしましょう。

コツメカワウソとボンネットモンキーの混合展示

ときわ動物園 ボンネットモンキー

種類の違う動物を同じエリアで展示する混合展示。変化のない動物園の生活に刺激を与えることができます。

カワウソとボンネットモンキーはお互いに意識し合っています。

ボンネットモンキーからカワウソにちょっかいを出すことが多いそうです。攻撃的な意味はなく、単に気になるとか、遊びたいとか、興味があるだけの様子。

一方、カワウソは小さいながらも、サル相手に威嚇することがあります。数も体格も圧倒的に不利に見えますが、強気な一面をうかがうことができます。

カワウソがサル山を移動したり、岩の影に隠れたりと、他の動物園にはない光景を見ることができます。

2種分の広い展示場なので、探すのはたいへんかもしれませんが。

わたしはというと、2種が近づいている様子を確認できませんでした。ざんねん。

大きなガラスがある観覧スペースからは、水中と陸地どちらの様子も見ることができます。洞窟のように暗く涼しく、ベンチまで設けられています。

ひと休みしながら、ゆっくりサルとカワウソの行動を観察したいものです。

ときわ動物園5へつづく

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