ブロンクス動物園にいる本物のバイソン!マレートラとシフゾウも登場
リバー・ゲート付近にいる動物|Bronx Zoo2
アメリカ、ニューヨーク州のブロンクス動物園をご紹介。アクセスやチケット情報は、Bronx Zoo1に掲載しました。
今回からブロンクス動物園内に突入です。真のアメリカバイソンや、日本では飼育されていないトラが登場します。

開園時間が10時とゆっくりなブロンクス動物園。
マンハッタンから小一時と近いので、開園前にはBronx River Gateに到着しました。小さな入口だったので、正門ではないようです。
10時になると、スタッフさんがチケットのバーコードを機械で読み取ってくれます。混雑することもなくスムーズに入園できました。
ブロンクス動物園内の歩道、両脇には高い樹木が植えられています。

マンハッタンからは想像できないニューヨークの姿です。
最初に現れたのは、World of Birds〈鳥の世界〉。
時間も興味もあまりないので、今回はスルーしました。鳥好きの方すみません。
アメリカバイソン
偶蹄目ウシ科バイソン属。
ずっと見たかった本場アメリカのバイソン。2016年には、アメリカの国獣に指定されたアメリカを代表する動物です。
ブロンクスのバイソンはというと、開園直後は朝ごはんに夢中。あまりこちらを向いてくれませんでした。

バイソンの歴史
バイソンはかつて乱獲により絶滅寸前でした。残った50頭ほどがイエローストーン国立公園へ送られ、保護されました。
野生への再導入も成功し、現在、個体数は3万頭前後に回復しています。
ちなみに日本は国獣を指定していません。国魚を錦鯉、国鳥をキジとしています。
本物のバイソンは珍しい?!
現代のバイソンは家畜のウシと交配し生まれたものが多く、遺伝的に純血なバイソンは非常に少ないそうです。
ブロンクス動物園では真のアメリカバイソンを増やす活動に取り組んでいます。
Animal Planetのドキュメンタリー番組「The Zoo」では、バイソン保全を目指すブロンクス動物園の姿が放送されていました。わたしには予想もつかない繁殖方法を行っており、衝撃でした。
2016年にはネイティブアメリカンから純血バイソンの群れ(8頭)が寄付されました。翌年には、その群れに6頭の子が誕生しました。
ブロンクス動物園の純血種が増えたことにより、さらなるバイソン繁殖の可能性が増しています。今後の活躍にも期待したいです。
バイソンを過ぎると道は二手に分かれます。右に行くと海の動物たちが、左に行くとトラ。わたしは迷わず左へ曲がりました。
しばらくすると右手にシカの看板が見えてきました。
Pere David’s Deer?いったい何シカだろうと近寄ってみます。そこには、水浴するシフゾウがいました。
シフゾウ
偶蹄目シカ科シフゾウ属のシフゾウ。IUCNレッドリストにて野生絶滅種(EW)に指定されています。
シフゾウの生息地である中国では、飼育下の個体を野生へ帰す再導入が行われています。
中国の小説で神獣として描かれたシフゾウ。
実際に、シフゾウが水浴する姿は美しく神々しく感じました。シャッターを切るのを忘れて見とれてしまい、カメラを構えたときにはすでに遅し。
シフゾウはそっと立ち上がり、

池から出て遠くへ行ってしまいました。

朝日に照らされて気持ち良かっただろうに……申し訳なかったなぁと反省。
シフゾウ展示場
日本のシカの展示場とは比べ物ならないほど広い、シフゾウのエリア。植物があちらこちらに植えられ、大きな池には水鳥が放されていました。

しかし、シフゾウは数頭のみ。今思えば木や落ち葉が保護色となり、見つけられなかっただけかもしれません。
目の前で立派なオスのシフゾウが見れてとてもラッキーでした。
シフゾウに会える動物園
日本では4カ所の動物園でシフゾウを飼育しています。
[su_box title="シフゾウに会える動物園" box_color="#a1a1a1″ radius="17″]- 大森山動物園
- 多摩動物公園
- 安佐動物公園
- 熊本市動植物園
2017年には多摩動物公園と熊本市動植物園でメス同士を交換。全国に10頭しかいないシフゾウの繁殖を目指しています。
タイガー・マウンテン
次に目に飛び込んできたのは、

竹林に立つトラに注意の看板。なんともワクワクさせる演出です。

Tiger Mountain〈トラの山〉と名付けられたエリアには、大きなガラス張りのトラ放飼場があります。
山というには緩やかですが、観覧側が低くなった傾斜のあるつくりです。
まだ誰一人いない展示場。
そこには、わたしと朝日に照らされ金色に輝く美しいトラだけ。

なんとも贅沢なひとときでした。
アムールトラではなさそう、でもベンガルトラにしては小さいなぁと思いながら看板をチェック。
なんと、彼らは日本では飼育されていないマレートラでした!
マレートラ
マレーシアの森林や草原に生息するマレートラ。
開拓や狩猟により、その数は年々減少。1950年代には3000頭ほど生息していましたが、現在はその1割程度しかいません。
絶滅寸前を意味する近絶滅種(CR)に指定されています。
マレートラとは?
マレートラはかつてインドシナトラに分類されていました。2004年のDNA研究の結果、新しい種であることが判明。生息地からマレートラと名付けられました。
マレートラは最も小さなトラの一種。おとなのオスでも体重120キロ、体長2メートルほどと言われています。
近年まで形態が類似しているインドシナトラと混同されていたため、正しい情報が少ないマレートラ。詳しい生態は今後明らかになってくることでしょう。

いくつかの民間団体は密猟を取り締まるパトロールや住民教育を行い、マレートラの保全活動を支援しています。
もちろんブロンクス動物園が加盟するWCSも参加団体のひとつ。
そのため、タイガー・マウンテンにはマレートラの生息環境やWCSが取り組んでいる事業などを掲載したパネルが、数多く展示されています。
ブロンクス動物園のマレートラ
2016年、2頭のマレートラのメスが誕生しました。ブロンクス動物園では3度目となるマレートラの繁殖成功でした。
しかし、ざんねんながら母親が育児をせず、2頭は人工哺育となりました。
2頭のマレートラはNadiaとAzulと命名され、現在も元気に暮らしています。
とくにAzulはプール好きで一躍有名になったようです。
わたしが訪れたとき展示されていたマレートラは、この双子だったようです。
開園直後で活発な様子。マーキングをしたり爪とぎをしたり、いろいろな表情を見ることができました。
しばらくすると2頭は猛スピードで駆け出し、Azulはプールへダイブ!
ものすごい音と水しぶき。ガラスがあるのに思わずのけぞってしまうほどの迫力でした。

オレンジと黒の濡れた毛皮もまた美しく、惚れ惚れします。
元気で楽しそうな2頭、いつまでも見ていたい光景でした。
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