リカオンとハイエナを見比べよう!ブロンクス動物園アフリカの平原

アフリカの平原の動物|Bronx Zoo5

アメリカ・ニューヨーク州にあるブロンクス動物園をシリーズで紹介しています。

リバー・ゲートから入場し、バイソンやマレートラ、ユキヒョウを経て、アジアの動物に会えるジャングルワールドまでやって来ました。

次に現れるのは、アフリカの動物たち。

ブロンクス動物園の先駆的な展示や、日本では会えない動物に注目してみましょう。

登場動物
紹介するエリア
  • アフリカの平原
ブロンクス動物園 マップ

ジャングルワールドを終えると、広い敷地が見えてきます。

アフリカン・プレーンズ

ライオンやキリンをはじめとするアフリカの動物が暮らすAfrican Plains〈アフリカの平原〉に突入します。

最初に目に飛び込んだのは、見たことのない動物。

ニアラ

偶蹄目ウシ科ブッシュバック属。アフリカ大陸南東部のマラウイやモザンピークなどに生息しています。

IUCNレッドリストのLCに評価されています。個体数が安定している動物ですが、日本では飼育されていません。

ニアラは雌雄差が大きい!

ニアラのメスと幼獣は鮮やかな赤褐色、胴体には白い縞模様。美しいコントラストに目を奪われます。ウシ科特有の角はありません。

ブロンクス動物園 ニアラ
メスは赤褐色に白い縞、角はない

オスは次第に色が褪せていき、灰色を帯びた暗褐色に変化。縞模様も薄くなります。成熟したオスは60センチ以上の捻じれた角を持ちます。

ブロンクス動物園 ニアラ
オスは暗褐色、捻じれた角を持つ

色や角だけでなく体の大きさもオスとメスでは異なります。

メスは地上から背中までの高さ(体高)が大きいものでも90センチほど。体重は60キロ前後です。一方、オスは体重100キロ以上、体長2メートル近く、体高は110センチまで成長します。

目と目を繋ぐような白い模様と、約50センチの長く毛深い尾は、雌雄の共通点です。

開放的なニアラ展示場

水場に近い雑木林や藪などを好むニアラ。

手前は草原、中央に水場、そして奥は森林と、個々が行きたいところを選べるようなつくりです。ブロンクス動物園1で紹介したシフゾウと同じように、驚くほど広い展示場。

ブロンクス動物園 ニアラ
林の中を歩くニアラ

シャイなニアラにはぴったりな環境。見る側としては遠すぎて見えないかもしれませんが。わたしが訪れたときも手前には数頭だけ。

草が生い茂る季節に行ってみたいものです。

オスは単独行動を好むため、ブロンクス動物園でも隔離されていました。メスと子どもがいる展示場の反対側にポツンといました。

ニアラの雌雄の比較をお忘れなく。

草食動物の隣には、肉食動物ライオンがいます。

ライオン

食肉目ネコ科ヒョウ属。アフリカ大陸の食物連鎖の頂点に位置するライオン。

兄弟と思われる2頭のオスが展示されていました。日本の動物園と同じように、日中はお休みモードのライオン。

ブロンクス動物園 ライオン
横たわるオスライオン

全く動かない2頭、1日15時間も寝ている動物だからしょうがないですね。

ライオンとニアラが同時に見れる?!

ブロンクス動物園アフリカン・プレーンズは、草食動物と肉食動物が同じスペースにいるように見えます。つまり、ニアラからライオンが、ライオンからニアラが見えるのです。

視界に入る景色、通景(つうけい)を意識して設計されています。

アフリカン・プレーンズのオープンは1941年!なんと80年近く前から、野生の姿に近い今の展示法を実施しています。

日本では、よこはまズーラシアや天王寺動物園などで取り入れられています。どちらも1990年代以降の展示施設です。

ブロンクス動物園と比べて、いかに日本の動物園が遅れているかを痛感します。

ライオンがちょうど寝ていたため、通景を味わうことは出来ませんでしたが。

夕方に行くと、うろつくライオンと草木を食べるニアラを同時に見れるかもしれません。

アフリカの草原をさらに進むと、日本でもおなじみのキリンとダチョウが現れました。

キリンとダチョウ

偶蹄目キリン科のキリンと、ダチョウ目ダチョウ科のダチョウ。どちらもアフリカ大陸に生息します。

手前には木が少なく、中ほどが林、奥は密林のような放飼場。より近づけるよう、歩道が動物側に入りこんだ部分もあります。

外周はフェンスで囲まれています。少し角度を変えると、奥側の低い位置にフェンスが設けられていることがわかります。

観覧者からは、展示場が林の奥に続いているように見えます。土地の起伏を利用したトリック。人工物が目に入らないと、より自然を感じることができます。

ブロンクス動物園 キリン
キリンとダチョウの展示場

広いエリアには5頭のキリンと3羽のダチョウ。今まで見たシフゾウやニアラの展示場に比べると狭く感じます。

エサかごが吊るされていましたが、キリンたちは木に夢中。しかし、網で保護されているたうまく食べれません。そこで、1頭のキリンが展示場の外に生えている葉を求めて移動。その先にはダチョウたちがいます。

キリンが向かって来る姿に驚いたのか、慌てて走り出すダチョウたち。混合展示ならではの光景です。

ブロンクス動物園 キリン ダチョウ
キリンの間を走るダチョウ

陸上で最も背が高いキリンと、鳥類で最も大きなダチョウ。体長5メートルにもなるキリンの隣では、2メートルのダチョウがずいぶん小さく見えます。

アフリカの平原は1941年に完成したこともあり、日本の動物園と変わりない展示。一方、敷地の広さはやはりアメリカです。アフリカの平原は、まだまだ続きます。

草食・肉食・草食と来れば、次に現れるのは肉食動物。

リカオン

食肉目イヌ科リカオン属。サハラ砂漠以南の草原やサバンナなどに生息しています。

リカオンは顔や胴体に比べて四肢が細長く、大きな丸い耳が印象的。全体としては、レトリーバーやシェパードなどの大型犬と同程度です。

黒・白・黄色のぶち模様が美しいリカオン。一つとして同じ模様のリカオンはいません。

ブロンクス動物園 リカオン
リカオンの模様は唯一無二

大きな木と落ち葉が目を引く広々とした放飼場。サバンナの疎林を彷彿します。

運良く子どものリカオンにも会えました。バランスの悪さに幼稚さを感じ、つい微笑んでしまいます。

ブロンクス動物園 リカオンの子
リカオンの幼獣

日本でリカオンに会える動物園は、よこはまズーラシアと富士サファリパークの2か所のみ。

ペットのイヌとは異なる、野生ならではの動きや匂いに注目です。

リカオンの隣には、ハイエナがいます。

ハイエナ

食肉目ハイエナ科。ブロンクス動物園にはブチハイエナ属のブチハイエナが展示されています。

ブロンクス動物園 ブチハイエナ
まだら模様のブチハイエナ

リカオンとハイエナはしばしば混同されがちですが。比べてみると、見た目も科も異なる、全く別の動物だとわかります。

リカオンのエリアより細い木が植えられ、小高い丘が設けられています。同じサバンナに生息する動物でも、好みの環境が異なることが理解できます。

10頭ほどいたリカオンとは対照的に、ブチハイエナは2頭だけ。雌雄の双子なので繁殖の可能性はありません。

ハイエナは群れで生活する動物。野生生物保全に取り組むブロンクス動物園としては、さみしい印象を受けました。

野生だけでなく、動物園における繁殖プログラムにも参加しているブロンクス動物園。

繁殖可能なオスとメスを組み合わせるだけでなく、同じ家系が増えすぎないように制限することもあります。

近年、アメリカや日本だけでなく全世界の動物園で、動物の移動が行われています。理由はさまざまですが。結果として幸せになるものと、不幸になるものがいます。

ヒトの計画ではなく、動物の福祉が最優先となるように活動してほしいと願います。

ブロンクス動物園 ブチハイエナ
丘の上で休むブチハイエナ

Bronx Zoo6へつづく

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